One to Oneメールとは?メリットと効果的な活用方法を解説します

One to Oneマーケティングについて驚くような事例があります。住宅メーカーの「大和ハウス」は顧客向けのメールで、とあるパーソナライズ動画を配信しました。

なんとその動画は表札に自分の名前が入る、「○○様の家づくりの進捗はいかがでしょうか」と自分の名前が音声で呼ばれるなど、「自分のために用意された動画」と一瞬信じてしまうような映像なのです。

参考:日本初!顧客の名前を組み込んだパーソナライズド動画で“自分ごと化”促進

パーソナライズ動画の手法がどの企業でも効果的かというと話は変わりますが、現代において「顧客一人ひとりのためのマーケティング」が重要視されているのは確かでしょう。

実際、One to Oneマーケティングはターゲティング広告や「One to Oneメール」といった形で、規模や業種に限らず多くの企業で実践されています。

そこで本記事では、代表的なOne to Oneマーケティング手法である「One to Oneメール」について解説します。One to Oneメールの作り方や、効果的な実践方法について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

One to Oneメールとは?

One to Oneメールとは、宛名やコンテンツを顧客・セグメントごとに最適化するメール配信を指します。

あなたは件名に自分の名前が含まれたメールを受け取ったことはありませんか? 例えば「○○を購入した△△様におすすめ」「△△様にぴったりのお住まい」といったような件名です。

また、そうしたメールの本文では、Webサービスに登録している情報や、自分が購入した商品に関連するコンテンツがおすすめされているでしょう。

このように件名に顧客の名前を入力したり、顧客の属性・行動によってレコメンド商品を切り替えることで、顧客に「自分に関係があるメールだ」と思われやすくなります。それこそOne to Oneメールの主な狙いです。

One to Oneメールと「セグメント配信」の違い

One to Oneメールに似た手法に「セグメント配信」があります。両者は違いはどのような点にあるのでしょうか?

結論からいうと、セグメント配信は顧客を一定のセグメントに切り分けるメール配信全般を指します。一方、One to Oneメールはまるで個人に宛てたかのような内容のメール配信全般を指します。

そのため、セグメント配信を使っていても一斉配信のように見えるなら、それはOne to Oneメールとはいえません。逆にセグメント配信を使っていなくても、個別で送られてきたように見えるなら、それはOne to Oneメールです。

しかしながら、One to Oneメールはセグメント配信によって送られるケースが多いのも、実際のところです。そのためOne to Oneメールを意識するとなると、セグメント配信の活用も同時に考える必要がある、ということは知っておきましょう。

効果的なOne to Oneメールの作成方法

One to Oneメールはメール配信システムの差込み機能を使って作成するのが基本です。差込み機能を使わず何千、何万もの顧客にOne to Oneメールを送るのは非現実的なため、メール配信システムを導入していない場合は、この機会に導入を検討しましょう。

さて、差込み機能とは、[名前] や [性別] のようなタグを本文に挿入することで、メール配信時には自動で「山田太郎 男性」のように顧客の情報に置き換えてくれる機能のことです。

例として、メール配信システム「blastmail」の差込み機能を使ったメール編集画面を下記に示します。

「__c2__」のような一見すると無意味な文字の羅列が、最終的には社名や姓名といった顧客情報に置き換わる様子が分かったでしょう。One to Oneメール作成のイメージが掴めたところで、ここからはより効果的なOne to Oneメールの作り方について解説します。

件名に差し込む

先ほどの画像では本文に差込み機能のタグを入れていましたが、差込み機能は件名でも使えます。件名に顧客の名前を挿入することで、メールが開封される前の段階から「自分のためのメールだ」と思われやすくなります。

One to Oneメールにおける件名の例

  • ○○様、お誕生日おめでとうございます
  • △△を購入された○○様におすすめのアイテム
  • ××県にお住まいの○○様に日帰り温泉旅行のご提案

件名に差込み機能を使うのは、もはやOne to Oneメールの定石です。One to Oneメール作りで何をすべきか迷ったならまずは件名から始めましょう。

アクションによる顧客の変化を意識する

One to Oneメールは属性・行動の絞込みだけでなく、アクションによる顧客の変化も重視することが大切です。これについては無印良品などのブランドを展開する「株式会社良品計画」の下記事例が参考になります。

事例:「ペルソナが動く!」単なるレコメンドでは通用しない時代に着実に成果を上げる良品計画の「One to One メール」

同社は「机を買った顧客に椅子を勧める」のように顧客セグメントごとでメルマガを最適化していたものの、思うような成果が上げられずにいました。その原因は「顧客は購買や商品閲覧といったアクションを通して、ペルソナが絶えず変化している」点にあることを突き止めたのです。

最終的に購入した商品とは別カテゴリの商品をレコメンドするなど、One to Oneメールに顧客の変化を織り込むことで、購入率や客単価が大きく改善するに至りました

良品計画の事例では「家具を買った顧客には家具を勧めるのが適切」という思い込みを捨てされたことが、より効果的なOne to Oneメールにつながったといえます。

単に属性や行動から連想できる訴求だけでなく、顧客の経験や世間のトレンドなどによる思考・ニーズの変化まで想定することが、One to Oneメールをステップアップさせるには重要です。

One to Oneメールのメリット

メルマガや営業などにOne to Oneメールを活用することで、以下のようなメリットが得られます。

  • ツールの差込み機能によって手軽に作れる
  • 開封率やクリック率が向上する
  • 一斉配信でも個別で送った感を出せる

ツールの差込み機能によって手軽に作れる

すでに解説したとおりですが、One to Oneメールはメール配信システムの差込み機能を使って作成します。差込み機能は単純なテキストタグをコピペで挿入するだけなため、難しい操作は一切必要としません。

One to Oneメールは、パソコン初心者でもかんたんに実践できるメールマーケティング手法なのです。

開封率やクリック率などが改善される

One to Oneメールを活用するとコンテンツがパーソナライズされ、開封率やクリック率が向上し、さらには購読解除率の改善も期待できます。

その事例として、ガス機器を大手メーカーである「リンナイ」は、ある商品について高い反応を示しそうな顧客に絞ってメールを配信したところ開封率が約3.7倍クリック率は約2.4倍に向上したとのことです。

事例:[CD 2014]「メーカーEC成功の鍵は、目的を明確にすること」—リンナイの福本氏

冒頭ではあっと驚くようなパーソナライズ動画の事例を紹介しましたが、そのような難しいことをせずとも、まずはメールをOne to Oneにするだけで大きな効果が見込めるのです。

一斉配信でも個別で送った感を出せる

One to Oneメールを使えば、メール配信を効果的にしつつも業務の効率化が期待できます。例えば営業担当者がメールで顧客に連絡をとる際、メールアドレスの件数が多いと一人ひとり宛名を切り替えるのは非常に面倒です。

かといって「お客様各位」とまとめてしまうと営業担当者としての誠実さが伝わりにくいため、できれば宛名は顧客ごとに最適化したいところでしょう。

こうした場面で役立つのがOne to Oneメールです。顧客全員に同じ要件を伝えるシチュエーションであれば、宛名の部分に差込み機能を使うことで、一斉配信でも個別に送ったふうを演出できます。

One to Oneメールが実践できるメール配信システム

One to Oneメールを行うにはメール配信システムが欠かせません。そこで、ここからはOne to Oneメールが実践できるメール配信システムの中でも、おすすめの3社に絞って紹介します。

  • blastmail
  • Cuenote FC
  • 配配メール

blastmail

公式サイトblastmail(ブラストメール)
提供・運営株式会社ラクスライトクラウド
料金初期費用:10,000円(年間契約で半額)

月額費用:4,000円から

「blastmail」は13年連続で顧客導入数No.1の実績をもつサービスです。記事執筆時点(2021年11月)で22,000社以上の契約があり、様々な規模・業種の企業や官公庁がメール配信にblastmailを活用しています。

blastmailを導入している企業・官公庁抜粋

  • コカコーラ
  • 伊藤忠
  • 東京ガス
  • マツダ
  • ANA
  • 楽天
  • DeNA
  • サイバーエージェント
  • JAXA
  • 復興庁
  • 早稲田大学

blastmail最大の特徴はシンプルな操作性です。セグメント配信や差込み機能といったOne to Oneメールに不可欠な機能を備えていながら、メール配信初心者でも直感的に扱える、分かりやすい操作画面となっています。

また、月額4,000円からと業界最安クラスの価格設定も魅力のひとつです。複雑なオプションはなく、顧客リストの件数に応じて価格が変動するシンプルな料金体系となっており、こちらもメール配信初心者にとって大きなメリットといえます。

なお、blastmailは現在7日間の無料トライアルを実施中です。One to Oneメールを実践したことがない方は、この機会に差込み機能の使い勝手をチェックしてみると良いでしょう。

>「blastmail」7日間無料トライアルはこちら

Cuenote FC

公式サイトCuenote FC
提供・運営ユミルリンク株式会社
料金初期費用:30,000円から

月額費用:5,000円から

「Cuenote FC」は月間メール配信数56億通、導入社数は1,800以上の実績を持つサービスです。ABテストやシナリオ配信などといった豊富な機能が特徴ですが、最大の特徴はCuenote FCを提供するユミルリンク株式会社の別プロダクトとの連携機能でしょう。

例えばアンケートシステム「Cuenote Survey」とCuenote FCを連携することで、アンケート内容をCuenote FCの購読者リストに同期させられます。

また、事前にデザインブロックを保存する機能があるため、ブロックの差替えを上手に活用できればOne to Oneメール作成の効率性が高まります。多くの機能を使いこなせる自信があるなら、Cuenote FCはおすすめです。

> メールマーケティングのCuenote|ユミルリンク

配配メール

公式サイト配配メール
提供・運営株式会社ラクス
料金月額1万円から(詳細は要問い合わせ)

「配配メール」は費用対効果が高いメールマーケティングサービスNo.1の実績をもつメール配信システムです。10年以上ものサービス提供実績があり、導入社数は記事執筆時点で9,000社となっています。

配配メールの特徴は機能の豊富さです。差込み機能はもちろんのこと、ステップメールや多言語配信、ABテストなどより高度なメールマーケティングが実践できる機能が備わっています。

また、One to Oneメール的には「メモリー配信」が重宝するでしょう。メモリー配信とは、前回顧客がメールを開封した時間帯を狙ってメールを自動配信する機能です。これにより配信時間のOne to One化が実現できます。

高機能ということで料金は若干高めとなりますが、高度なメールマーケティングを実践するなら配配メールで決まりでしょう。

> メルマガ配信・一斉メール配信サービス「配配メール」

One to Oneメールまとめ

One to Oneメールとは、件名や本文、そして配信タイミングを顧客ごとに最適化することで、開封率やクリック率の向上を図るメール配信を指します。実践のカギとなるのは、メール配信システムの「セグメント配信」と「差込み機能」のふたつです。

  • セグメント配信
    一定の属性や行動を持つ顧客に絞り込んで配信することで、コンテンツのパーソナライズを強化するメール配信の手法
  • 差込み機能
    メール内に顧客の名前や性別といった情報を自動で差し込み、「自分宛てのメールだ」と顧客に思ってもらうための機能

これらの機能を活用することで、顧客の「自分ごと」を促すOne to Oneメールがはじめて実現できます。One to Oneメールはメール配信システムの導入が前提条件となるため、まだシステムが導入されていなければサービス選びから始めましょう。

もしサービス選びで迷ったなら、低価格で初心者向けの「blastmail」を検討しておくのが無難です。Cuenote FCや配配メールも独自機能が便利な素晴らしいシステムですが多機能な分、料金も高めですし、初心者が使いこなすのは難しい点がネックです。

blastmailは現在7日間の無料トライアルを実施中なため、この機会に差込み機能やセグメント配信の使い勝手を実際に確認してみましょう。

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この記事を書いた人

Email Rising編集部です。Email Risingではメール配信システムやメールマーケティングについてのお役立ち情報を発信しています

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