なぜ今「SMTPリレー」が重要なのか?ビジネスに欠かせない理由やメリットを徹底解説

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仕事やプライベートといった日常生活の中で何気なく利用している電子メールですが、日々増加するスパムメールの問題や、メール送信の信頼性とセキュリティの確保が、企業にとって重要になってきています。

実際にメール配信においては以下のような重大なトラブルも起きています。

  • 送信したメールが受信BOXに届いていない
  • 送ったメールが迷惑メールフォルダに振り分けられる
  • 一斉送信をすると届くまでに時間がかかりすぎてしまう
  • 自社のIPアドレスがブラックリストに登録されてしまった など

このような課題を解決するための鍵が、「SMTPリレー」という技術です。

この記事では、SMTPの基本、SMTPリレーの仕組みやメリット、さらにおすすめのSMTPリレーサービスについても解説します。

目次

SMTPとは

電子メールを送信する際に使用されるプロトコルが「SMTP(SimpleMailTransferProtocol)」です。プロトコルとは、コンピューター上でデータをやり取りする際の規約や手順を定めた規格を指します。

メールを送信する際、メッセージは端末から相手の端末へ直接送られるわけではありません。一度、送信側と受信側両方のサーバーを経由することで相手に送り届けられます。このとき、送信元から送られたメッセージを送信側、受信側のサーバーへ転送する役割を持つのがSMTPです。

SMTPの動作プロセス

SMTPの動作プロセスをわかりやすくまとめると以下の通りになります

  1. メール送信:メールクライアント(電子メールプログラムやウェブメールサービスなど)がSMTPを使用して、送信するメールを送信者のSMTPサーバーに送ります。
  2. メール中継:送信者のSMTPサーバーがメールを受け取り、受信者のドメインに対応するSMTPサーバーにメールを転送します。このプロセスは、必要に応じて複数のSMTPサーバーを経由することがあります。
  3. メール配信:受信者のSMTPサーバーがメールを受け取り、最終的に受信者がアクセスできるようにします。受信者はPOPやIMAPプロトコルを使用して、自分のメールボックスからメールを取得します。

SMTPの必要性

SMTPはインターネット上で電子メールを送信するための標準的なプロトコルであり、電子メールを利用するほとんどのユーザーがSMTPを通じてメールを送信しています。

SMTPを使用することで、ユーザーは自分の使っているWEBのメールサービスなどのメールクライアントから直接メールを送信できます。このプロセスは自動であり、ユーザーがメッセージを手動でサーバーに転送する必要はありません。

SMTPはアドレスにミスがないか、相手のサーバーにブロックされていないか、メッセージを送信側に送り返すことで知らせる機能もあります。また、迷惑メール防止や「SMTPAUTH」と呼ばれる、送信者アカウントが有効であるかを認証する機能を搭載していることも特徴です。

参考記事:SMTP-AUTHとは?メリットや認証方式、知っておくべきリスクを解説

なお、メール送受信に用いるプロトコルにはSMTPの他、メッセージを端末に受信するための「IMAP」や「POP3」があります。

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メール送信の仕組み

メールの送信にはSMTPやメールサーバーが必要です。送信側・受信側両方のサーバーのことをメールサーバーといい、メッセージの送受信を行う役割を担っています。

GmailやOutlookといったメールソフトを用いてメッセージを送信する場合、以下のような流れで送受信が行われます。

  1. メールソフトからメッセージを送信する
  2. 送ったメッセージが契約している自分のメールサーバー(送信側)に届く
  3. 送信先であるメールサーバーのIPアドレス(住所)を把握する
  4. 送信先のメールサーバー(受信側)へメッセージを転送する
  5. 受信側が契約しているメールサーバーに届けられる
  6. IMAP・POP3を利用して受信側が自分宛のメールを受け取る

難しく感じる用語が多く出てきますが、SMTPを利用するメール送信を、郵便物が宛先へ届けられる仕組みに例えるとわかりやすくイメージできるでしょう。

メール送信の流れは、実際の郵便物が配達される仕組みに置き換えられます。

郵便物は一般的に、投函された郵便物が最寄りの郵便局に集荷されます。配送先の住所に近い郵便局に送られた後、配達員が宛先の住所まで届ける流れです。

メールもこれと同様です。メッセージが一旦預けられるサーバーが郵便局、転送する役目を持ったSMTPが郵便局の配達員となります。

SMTPリレー

SMTPやメール送信の仕組みを確認したところで、次は「SMTPリレー」について見ていきましょう。SMTPリレーには、これに特化したサーバーがあり、利用することでいくつかのメリットを得られます。

SMTPリレーとは

SMTPリレーとは、インターネット上で電子メールを送信者から受信者へ転送するプロセスです。このプロセスでは、メールサーバーが中継点として機能し、メールを一つのサーバーから別のサーバーへと転送します。

メールを送信するとまずは送信側のサーバーに送られ、その後に受信側のサーバーへ転送されて相手に送り届けられます。

なお、同一のドメイン間でメールの送受信を行う場合、リレーにはなりません。これは、他のサーバーが送受信に関わらないためです。あくまでも、特定のサーバーから別のサーバーへ、メッセージの転送が行われることをSMTPリレーと呼びます。

この仕組みも前述のメール送受信と同様に、郵便物の配達で例えることが可能です。近い住所の宛先に手紙を出す際、手紙を受け取った郵便局は他の郵便局を介さず、直接宛先の住所まで配達します。メールも同様に、同一のドメイン間であれば、別のサーバー(ここでいう他の郵便局)を経由しません。

SMTPリレーサーバーとは

SMTPリレーサーバーは、名前の通りSMTPリレーで使用されるサーバーです。送信に特化したサーバーであり、メールマガジンなど一度に大量のメールを送る際にも活用することができます。メッセージの送信時、リレーサーバーを利用してSMTPリレーが行われ、相手に内容が届けられる仕組みです。

SMTPリレーサーバーの主な機能と利点は以下の通りです。

  1. 信頼性の高いメール転送:メールが正確に配信され、受信者に届くようにするために、信頼性の高いパスを通じてメールを転送します。
  2. スパム回避:適切に設定されたSMTPリレーサーバーは、スパムフィルタリングを実施して不要なメールの送受信を防ぎます。
  3. 送信量の管理:メルマガやメールの一斉送信など、大量のメールを送信する場合、SMTPリレーサーバーはこれらのメールを効率的に処理し、送信速度を管理します。
  4. 強固なセキュリティ:メール送信の過程でセキュリティを強化し、暗号化を使用してメールデータを保護します。
  5. 配信の最適化:メールがスパムフォルダに振り分けられることを避け、配信成功率を高めるために、IPアドレスの評判管理などを行います。
  6. ブラックリスト対策:自社のメールサーバーがブラックリストに載ってしまった場合、信頼できるSMTPリレーサービスを利用することで、メール配信能力を回復させることができます。

ビジネスでは、大量のメールを送信する必要がある場合や、メール配信の信頼性とセキュリティを確保したい場合に、SMTPリレーサービスを利用することが一般的です。

SMTPリレーサーバーを通じて、メール配信の効率性、信頼性、安全性を向上させることができます。

関連記事:SMTPサーバーとは?メール送受信における重要性とその他のサーバーとの違い

SMTPリレー・SMTPリレーサーバーのメリット

SMTPリレーやSMTPリレーサーバーを使用することでいくつかのメリットを得られます。上記でも紹介した内容と一部被りますが、以下3点を詳しく確認していきます。

大量のメールを安定して送信できる

一般的なメールサーバーは前述のとおり送信数の上限を設けていることが多いほか、大量配信に対応できるだけの処理能力を備えていないことも多くあります。

そのためメールを大量に一斉配信すると、メールサーバーが設けている制限によってメールが届かない恐れがあります。さらに、大量のメールを送信すると迷惑メールの判定を受けるリスクがありますが、SMTPリレーサーバーはこの対策が施されています。

実績があり信頼できるメールリレーサービスのSMTPサーバを中継することで「メールが届かない」「迷惑メール判定をされてしまう」などのリスクを避けつつ、ユーザーにメールを送信することができます

サーバー増強や管理のコストを抑えられる

通常のメールサーバーを利用する場合、多くのメールを送りたいのであればサーバーの増強が必要です。サーバーを増強していないと、以下のような問題が派生する可能性があります。

  • 大量のメッセージを通常のサーバーを利用して送信すると、送信に時間がかかったり相手に届かなかったりするケースがある
  • 大量送信でサーバーに負荷がかかってしまい、通常の送受信に影響が出る

とはいえ、サーバーを構築あるいは増強して管理するには、時間とコストがかかります。加えて、迷惑メールやシステム遅延の対策、管理のための人員確保などあらゆる面で体制を整えなければなりません。

一方、リレーサーバーを提供するサービスを利用すると、自社でメールサーバーを管理する必要がないため、維持管理を含めたコスト削減にもつながります。

配信精度を高められる

例えば、SMTPリレーサービス「ブラストエンジン」は、大手プロバイダや携帯キャリアにも確実に配信するための技術力を有しています。そのため、大量のメールを一度に送信しても遅滞せず、確実に届けられることもメリットです。

ブラストエンジンは各メールプロバイダ、国内携帯キャリアドメインへの最適化と大規模ネットワークを経由してメール配信を行い、日本国内へ高速かつ99%以上の高いメール到達率を実現します。

また、迷惑メールの判定には送信元IPアドレスの評価があり、この評価が下がると信頼度が低いと判断されてしまいます。評価の高いリレーサービスを利用できれば、メール到達率の改善にも有効でしょう。

メール配信ならSMTPリレーサービスを活用しよう

近年、SMTPリレーサービスを利用する企業が増加しています。

顧客へメールマーケティングを行う際、一度に大量のメッセージを送信する必要があります。もしメッセージが遅延、配信されないなどのトラブルが起きると、大きな機会損失につながります。

企業のメール配信にはSMTPリレーサービスを利用するのがおすすめです。ここでは、SMTPリレーサービスの概要と役割について解説します。

SMTPリレーサービスとは

SMTPリレーサービスは、電子メールの送信に特化したサービスで、SMTPを使用して、メールを送信者から受信者のメールサーバーへ中継する役割を果たします。

企業や個人が自身のメールサーバーを直接使用する代わりに、信頼性が高く、セキュリティ対策が施された外部のサーバーを通じてメールを送信することを可能にします。

SMTPリレーサービスは、主に以下のような目的で利用されます。

  • メール到達率の向上
  • 大量メール配信の効率化
  • 送信者の認証と信頼性の確保
  • メール送信のログ管理と分析 など

メールには重要事項の記載が含まれることも多く「届かない」となれば、ビジネス上で大きな損害になるリスクがあります。

また、メールリレーサービスを利用することで、メールサーバーの管理・運用、IPレピュテーションの管理など、本来は自社のエンジニアが対応すべき面倒な業務も対応の必要がなくなります

ただし、SMTPリレーサービスによって、リスクの少ない一斉送信を可能にするためには、サービスの選び方に注意しなければなりません。まずは、運用の目的を明確にした上で、複数のサービスを比較検討するとよいでしょう。そして、自社のサービスに適しているか、実績やセキュリティ対策は万全かどうか見定める必要があります。

SMTPリレーサービスの選び方

SMTPリレーサービスは様々ありどれを使うべきか迷うかと思います。検討するときは最低でも以下の8点は確認するようにしましょう。

  • 自社の目的に応じた機能があるか
  • キャリアブロックに対応できるか
  • 送信ドメイン認証に対応しているか
  • API連携に対応しているか
  • 安定したサービスを提供しているか
  • サポート体制は十分か
  • セキュリティ対策は万全か
  • 料金は適切か

さらに導入する前に、既存の基幹システムとの整合性や連携を考える必要があります。そのため、無料のトライアルができるかどうかもポイントになってきます。

SMTPリレーサービスの選び方に関しては以下の記事でさらに詳しく解説していますので参考にしてください。

関連記事:おすすめメールリレーサービス比較11選!選び方やメリット・デメリットを徹底解説

※SMTPリレーサービスはメールリレーサービスとも言います。

SMTPリレーサービス「ブラストエンジン(blastengine)」の活用

blastengineのアイキャッチ画像

SMTPリレーでのメール送信を行う場合は「ブラストエンジン(blastengine)」の利用がおすすめです。トランザクションメールやサービスなどからの自動送信メールなど普段のメール配信のエンジンとしての活用が可能となります。

ブラストエンジンは簡単にメールの大規模高速配信が可能なSMTPリレーサーバーを提供していますが、同時にメールサーバーを必要としない、APIでのメール送信の仕組みも提供しています。

サーバーの運用やメンテナンスはblastengineで行うため、常に高いIPレピュテーションを保って安全にメールを送ることができます。

以下のような課題がある場合はブラストエンジンの利用を検討するとよいでしょう。

  • 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されてメールが届かない
  • 国内キャリアへのメールが届かず対応方法もわからない
  • 自社でメールサーバを管理・運用したくない

また、導入社数22,000社、13年連続顧客導入数No.1の姉妹製品blastmailの技術力で構築した配信基盤で、各メールプロバイダ、携帯キャリアドメインへの最適化と大規模ネットワークを経由してメール配信を行い、日本国内への圧倒的な到達率を実現しています。

それでいて、月額3,000円から利用ができるためコストパフォーマンスも高く、メールだけでなく日本語での電話サポートにも対応しています。

メールアドレスの入力のみですぐにトライアルを始めることができますので、是非試してみてください。

関連記事:blastengine(ブラストエンジン)とは?API・SMTP特化のエンジニア向けメール配信サービスを解説

まとめ

SMTPリレーとは、特定のサーバーから他のサーバーへメールを転送することです。

SMTPリレーで使用されるサーバーをSMTPリレーサーバーと呼び、通常のメール配信だけでなく、企業がユーザーへ大量のメッセージを配信するメールマーケティングにも用いられます。

「メールが届かない・迷惑メールに振り分けられてしまう」「メールサーバーの管理が大変」そのような場合は、SMTPリレーサービスの利用がおすすめです。

サービスを活用することで、セキュリティ対策やサーバーの保守管理の心配もありません。安定したメール配信が期待できるでしょう。

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この記事を書いた人

Email Rising編集部です。Email Risingではメール配信システムやメールマーケティングについてのお役立ち情報を発信しています

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