「Twilio SendGrid(以下、SendGrid)」はアメリカ発のメール配信システムで、全世界で8万社もの導入実績があるグローバルな法人向けクラウドサービスです。そのネームバリューの高さは、メール配信システムの導入を検討する上で、どの企業も候補に入れるほどでしょう。
本記事ではそんなSendGridのサービス内容や機能について詳しく解説します。他のサービスと比べてSendGridの優位性はなんなのか、サポート体制や料金はどうかといった点を詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
SendGridとは?
公式サイト | SendGrid |
提供・運営 | Twilio Inc. |
料金 | 月額費用:2,300円~ 従量課金分:0.145円~/通 |
無料プラン | あり(配信上限12,000通/月) |
SendGridとは、クラウドコミュニケーションサービスを提供するアメリカの企業「Twilio Inc.」によるメール配信システムです。世界的に利用されているサービスで、日本でもメルカリ、Chatwork、SANSANなど多くの著名な企業が導入しています。
月間1,000億通以上もの配信実績があり、メルマガなどのメールマーケティングはもちろん、自動配信(トランザクションメール)の処理まで様々なメール配信に対応可能です。
もちろん、セグメント配信やSPF・DKIM、そしてHTMLメールエディタなど、他のメール配信システムで定番となっている機能は一通り揃っています。データ連携になくてはならないAPIもすべてのプラン(無料プラン含む)で利用可能です。
SendGridの特徴
他のメール配信システムと比較すると、SendGridは以下のような点が特徴的です。
- 海外企業が開発・提供している
- 幅広いメール配信に対応する
- サポートは弱め
各特徴について詳しく解説していきます。
海外企業が提供している
すでに解説した通りSendGridはアメリカの企業が提供しているサービスで、日本での販売は公式代理店が行っています。海外のサービスということで心配なのが、管理画面の言語やサポート体制などです。結論からいうと、一部のサービスは日本語に対応していません。
- 電話サポート
- ダッシュボード(管理画面)
- サービスステータス(障害やメンテナンス情報など)
ダッシュボードが日本語に未対応ということで、敬遠したくなる方も多いと思いますが、義務教育レベルの英語が分かるなら、さほど困ることはないでしょう。ただし、緊急時に電話サポートが受けられない点は、万が一のことを考えると不安です。
また、データセンターを日本国内のみに指定できるオプションもないようです。海外サーバーにデータを保管することが社内のルール上認められていない場合、SendGridの利用は厳しいでしょう。
幅広いメール配信に対応する
SendGridはSMTP・APIを利用したトランザクションメールや、マーケティングキャンペーン機能を活用したメルマガ配信まで、様々な用途に対応できるメール配信システムです。
SendGridの基本機能(無料プランから利用可能)
- SMTP・API連携
- SPF/DKIM設定
- HTMLエディタ
- 属性差し込み
- マルチパート配信(HTMLメール・テキストメールの同時配信機能)
- メールアドレス単位での配信状況確認
- 効果測定ツール
- ABテスト
- セグメント作成
上記機能は代表的なものを一部抜粋したもので、公式の機能紹介ページでは他にも様々な機能が確認できます。また、配信機能だけでなくIPアドレスのアクセス制限やパーミッション管理など、セキュリティや円滑な運用を意識した機能も豊富です。
ただし、ABテストやセグメント作成など一部の機能はマーケティングキャンペーン機能に含まれ、追加料金が発生するかもしれない点は注意しましょう。
SendGridのサポート体制
SendGridのサポート体制は下記の通りです。
- 問い合わせ窓口:メールのみ(日本語対応)
- 営業時間:9時〜17時(英語サポートは24時間365日)
対応窓口はメールのみと、「ないよりはマシ」程度のサポート体制です。英語の電話サポートについては特に言及がなく、問い合わせてみないと分からなさそうです。
また、返信タイミングについては「順次対応している」とのことで、何営業日以内といった表記はありませんでした。緊急時の迅速な対応は期待できないかもしれません。
もしメール配信システムを初めて導入するなら、下記で紹介する「ブラストエンジン(blastengine)」のように、日本語での電話やメールの窓口があるなど、日本語サポートが充実しているサービスの方がおすすめです。
SendGridの料金
SendGridの料金体系は月額費用と上限超過時の従量課金に加え、マーケティングキャンペーン機能を利用する場合はオプション料金がかかるといった具合で少々複雑です。まずは各プランの基本料金を見てみましょう。
プラン名 | 月額(配信上限) | 従量課金 |
Free | 0円(12,000通) | なし(12,000通以上配信できない) |
Essentials 40K | 2,300円(40,000通) | 0.145円/通 |
Essentials 100K | 4,600円(100,000通) | 0.110円/通 |
Pro 100K | 12,000円(100,000通) | 0.130円/通 |
Pro 300K | 30,000円(300,000通) | 0.100円/通 |
Pro 700K | 59,000円(700,000通) | 0.090円/通 |
Pro 1.5M | 104,000円(1,500,000通) | 0.065円/通 |
Pro 2.5M | 141,000円(2,500,000通) | 0.065円/通 |
月額料金内で配信可能な通数を超えると従量課金が発生する、というのがSendGridの基本的な料金体系です。例えば「Essentials 40K」のプランでひと月に50,000通のメール配信を行った場合、その月の料金は下記の通りとなります。
3,750円 =(5万通 – 4万通)× 0.145円 + 2,300円
従量課金がかかるサービスは、価格表上では安く見えても、実際には額面よりも大きな金額が発生することがあります。プラン選びには十分注意しましょう。
また、SendGridでABテストやセグメント作成といった「マーケティングキャンペーン機能」を利用する場合は、オプション料金も加味する必要があります。
マーケティングキャンペーン機能は登録メールアドレスの件数が2,000件までは無料で利用できますが、2,001件以上からは10,000件ごとに月額1,300円の追加費用がかかります。
登録メールアドレスの件数 | 追加の月額費用 |
~2,000件 | 0円 |
2,001~12,000件 | 1,500円 |
12,001~22,000件 | 3,000円 |
22,001~32,000件 | 4,500円 |
… | … |
マーケティングキャンペーン機能にはメールマーケティングに欠かせない機能(特にセグメント作成)が含まれます。メールマーケティング目的でSendGridを利用するなら、登録リスト数による追加費用については必ず理解しておきましょう。
SendGridの請求金額の例
SendGrid利用した場合のお支払い例を2つご紹介します。
■Essentials 40Kプラン(上限4万通)で、1万件の宛先に対し6回送信した場合(合計6万通)
基本使用料:2,300円
請求金額の例
上限超過料金:2,900円(2万通×0.145円/通)
マーケティングキャンペーン利用料:1,500円(1,500円×1万件分)
────────────────────────────────────────
ご請求金額:6,700円
■Pro 100Kプランで、全く同じ宛先リスト1万件を「親アカウント」「サブユーザA」「サブユーザB」のそれぞれで登録した場合(送信通数は合計10万通以内)
基本使用料:12,000円
請求金額の例
親アカウントのマーケティングキャンペーン利用料:1,500円(1,500円×1万件分)
サブユーザAのマーケティングキャンペーン利用料:1,500円(1,500円×1万件分)
サブユーザBのマーケティングキャンペーン利用料:1,500円(1,500円×1万件分)
サブユーザCのマーケティングキャンペーン利用料:0円(0件で未使用)
────────────────────────────────────────
ご請求金額:16,500円
他サービスとSendGridの比較
SendGridのサービス内容がある程度解説できたところで、他サービスの紹介とSendGridの比較を行っていきます。
SMTPリレー・API連携でメール配信する場合「ブラストエンジン」
ブラストエンジン(blastengine)は簡単にメールの大規模高速配信が可能なSMTPリレーサーバーを提供していますが、同時にメールサーバーを必要としない、APIでのメール送信の仕組みも提供しています。
サーバーの運用やメンテナンスはblastengineで行うため、常に高いIPレピュテーションを保って安全にメールを送ることができます。
SendGridとの最大の違いはサポートの手厚さです。ブラストエンジンは日本語での電話やメールの窓口があるなど、日本語サポートが充実しています。
以下のような課題がある場合はブラストエンジンの利用を検討するとよいでしょう。
- 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されてメールが届かない
- 国内キャリアへのメールが届かず対応方法もわからない
- 自社でメールサーバを管理・運用したくない
- 日本語での電話やメールのサポートが欲しい
また、導入社数24,000社、14年連続顧客導入数No.1の姉妹製品blastmailの技術力で構築した配信基盤で、各メールプロバイダ、携帯キャリアドメインへの最適化と大規模ネットワークを経由してメール配信を行い、日本国内への圧倒的な到達率を実現しています。
それでいて、月額3,000円から利用ができるためコストパフォーマンスも高く、メールだけでなく日本語での電話サポートにも対応しています。
メールアドレスの入力のみですぐにトライアルを始めることができますので、是非試してみてください。
関連記事:blastengine(ブラストエンジン)とは?API・SMTP特化のエンジニア向けメール配信サービスを解説
メールマーケティングをする場合
比較対象サービスは低価格と使いやすさが特徴の「blastmail」と、機能の豊富さと手厚いアフターフォローが特徴の「配配メール」です。それでは比較していきます。
価格
SendGrid | 月額費用:1,900円
初期費用:0円 従量課金:0.056円~/通 マーケティング機能利用料:1,300円~/月 |
配配メール | 月額費用:1万円から(要問い合わせ)
初期費用:要問い合わせ |
blastmail | 月額費用:4,000円から(配信上限なし)
初期費用:1万円(年間契約で半額) |
こうして最低価格のみを比較するとSendGridが圧勝のように見えますが、1万件のリストに対して20回一斉配信した(計20万通)場合、実際の請求金額には大きな差が出ます。
- SendGrid:月額14,500円(マーケティングキャンペーン機能を利用)
- blastmail:月額6,000円
このように、SendGridは配信が一定数を超えると請求金額が跳ね上がります。それに対してblastmailは登録したメールアドレスの件数に応じてのみ料金が変動する仕組みで、配信数に多さは料金に影響しません
結論、価格面についてSendGridは優位性がないといえるでしょう。
メールマーケティング機能
SendGrid | 配配メール | blastmail | |
HTMLメールエディタ | ○ | ○ | ○ |
セグメント配信 | ○ | ○ | ○ |
効果測定ツール | ○ | ○ | ○ |
マルチパート配信 | ○ | ○ | ○ |
多言語配信 | × | ○ | × |
ステップメール | × | ○ | × |
ABテスト | ○ | ○ | × |
API連携 | ○ | ○ | ○ |
次にメールマーケティング機能の比較ですが、すでに解説したとおりSendGridは基本的なメールマーケティング機能をすべて揃えています。機能の豊富さが特徴の配配メールにはさすがに劣るようですが、特別な使い方をしないのであれば必要十分といえるでしょう。
サポート体制
SendGrid | メールのみ |
配配メール | 電話・メール |
blastmail | 電話・メール |
最後にサポート体制ですが、やはり海外のサービスということで国産のサービスより劣る比較結果となりました。緊急時のことを考えると、電話サポートがあるサービスを選ぶのが無難です。
SendGridを導入するなら、すでに他のサービスでメール配信システムの扱いに慣れている方が良いでしょう。
SendGridの口コミ・評判
SendGridの優位性についてある程度把握できたところで、ここからはSendGridユーザーによる口コミやリアルな評判を紹介していきます。
良いポイント
自社のメールアカウントを利用してメール通知機能を利用していたが、一日に送信できる件数に制限があり、メールリレーサービスを比較検討した。
月間メール送信件数によるプランを選択でき、コストパフォーマンスが非常に高い。
比較した結果、コストパフォーマンスがよく利用しやすいようだったので導入を決定した。
APIkeyという権限を制限できるアカウントを作成でき、SMTP-AUTHのような認証で非常に使いやすい。
昨今、基本認証を廃止にする情勢の中、上記のような機能は大変ありがたい。
改善してほしいポイント
元々海外のサービスなので、画面の基本は英語であるが、マニュアルなどは日本語で記述されているので大きな問題はない。
特段大きな問題はないと認識しているが、サブスクリプション系のサービスなので大幅値上げなどの改定は避けてほしい。
どのような課題解決に貢献しましたか?どのようなメリットが得られましたか?
ワークフローのメール通知で月間15,000件程度のメールを送信しているが、トラブルなく送信ができている。
自社で管理する必要のないSMTPサーバーを安価で持つことができるので、非常に有用なサービスだと思う。
今後は他のメール通知機能などにも実装していく予定なので、更に貢献してくれると予想している。
検討者へお勧めするポイント
・コスパの良いSMTPサービスを探している方
・利用しているメールサービスが多要素認証などが必須になり、メール通知機能などで利用できない方
良いポイント
自社のメールアカウントを利用してメール通知機能を利用していたが、一日に送信できる件数に制限があり、メールリレーサービスを比較検討した。
月間メール送信件数によるプランを選択でき、コストパフォーマンスが非常に高い。
比較した結果、コストパフォーマンスがよく利用しやすいようだったので導入を決定した。
APIkeyという権限を制限できるアカウントを作成でき、SMTP-AUTHのような認証で非常に使いやすい。
昨今、基本認証を廃止にする情勢の中、上記のような機能は大変ありがたい。
改善してほしいポイント
元々海外のサービスなので、画面の基本は英語であるが、マニュアルなどは日本語で記述されているので大きな問題はない。
特段大きな問題はないと認識しているが、サブスクリプション系のサービスなので大幅値上げなどの改定は避けてほしい。
どのような課題解決に貢献しましたか?どのようなメリットが得られましたか?
ワークフローのメール通知で月間15,000件程度のメールを送信しているが、トラブルなく送信ができている。
自社で管理する必要のないSMTPサーバーを安価で持つことができるので、非常に有用なサービスだと思う。
今後は他のメール通知機能などにも実装していく予定なので、更に貢献してくれると予想している。
検討者へお勧めするポイント
・コスパの良いSMTPサービスを探している方
・利用しているメールサービスが多要素認証などが必須になり、メール通知機能などで利用できない方
この製品・サービスの良いポイントは何でしょうか?
一度メールサーバーを自前で構築した経験のある方なら、それが如何に煩雑な作業かご存知かと思います。Sendgridはたしかに1通辺り値段がかかりますが、それでもそれはセットアップと比較すると圧倒的に安価で代えがたい製品です。
改善してほしいポイントは何でしょうか?
日本は恐らく代理店のサポートの品質が良くない。もう少し迅速に質問を回答頂けると、安心してsendgridを利用できるお客さんが増えると思う。
どのようなビジネス課題を解決できましたか?あるいは、どのようなメリットが得られましたか?
メールサーバーの構築にかかる手間が恐らく10分の1以下にまで下がった。メールサーバーの運用、立ち上げに手間を感じている人であれば恐らくその課題が解決できます。
この製品・サービスの良いポイントは何でしょうか?
マイクロソフトAzureと標準で連携が可能なところ。
メール到達率の高さ。
この2点から導入を決定しました。
改善してほしいポイントは何でしょうか?
管理画面のUIが直感的でないところ。
メールの設定は非エンジニアでは分かりづらいところが多く、
Azure上に管理画面があるがUIが統一されておらず分かりづらい。
どのようなビジネス課題を解決できましたか?あるいは、どのようなメリットが得られましたか?
Azureでのプロジェクト時発足時に、親和性の高さから、本ソリューションを決定。
メール送信に関しては特に問題なく稼働中。
良いポイント
優れている点・好きな機能
・自社でメールサーバを契約しなくてもメールを送信できる
・APIが充実している
その理由
・アカウントを登録してAPIkeyを取得するだけで利用することができるため時間がかからない
・プログラムから実行することが多いため、メールを送信する機能だけでなくフッターを加工し、署名を作成するなども比較的容易にできる。また各プログラミング言語でのライブラリも用意されて使用方法も書かれてあるため、単純な機能であればドキュメントを読むだけで理解できる
改善してほしいポイント
欲しい機能・分かりづらい点
・サポートが充実していない
・審査が厳しい
その理由
・サポートに問い合わせをしようと思ったが誰でもが問い合わせができるわけではなく、未契約の状態だと対応してもらいずらいことがある
・会社のメールで利用しようとしたが会社自体が契約していたため個人での利用は却下された。個人のメールアドレスで再度アカウントを取得しようとしたが審査で落とされてしまった
どのような課題解決に貢献しましたか?どのようなメリットが得られましたか?
解決できた課題・具体的な効果
・メールサーバーを契約しなくても利用できる
・API連携ができる
課題に貢献した機能・ポイント
・アカウントを取得し、APIkeyを取得するだけで利用することができるため時間がかからない
・メールをだけでなくフッターの加工、テンプレートを用いて利用者別に内容を分けるなども比較的容易にできる。またライブラリも用意されて使用方法も書かれてあるため、単純な機能であればドキュメントを読むだけで簡単に利用できる
検討者へお勧めするポイント
メールサーバーを準備しなくていい
API連携ができる
レビューサイトの口コミによると、良い評判としてはAPI連携が可能なこと、用途によってはコストパフォーマンスが高いといった声が多く見られました。
悪い評判としては管理画面が日本語未対応であること、サポートが心許ないといった声が多く、また若干ではありますが利用審査が厳しいという口コミもありました。
SendGridのメリット総括
他サービスとの比較や口コミなどから総括すると、他のメール配信システムよりもSendGridを利用することのメリットは以下の3つにあるといえるでしょう。
- 導入実績が豊富なため安心感を持って導入できる
- 無料プランがある
- メールマーケティング機能がそこそこ充実している
導入実績が豊富なため安心感を持って導入できる
SendGridは世界的に利用されているメール配信システムで、全世界で8万社、月間1,000億通もの配信処理といった実績があります。そのため、動作の安定感や運営体制については一定の信頼を置けると考えてよいでしょう。
無料プランがある
SendGridは月の配信が12,000通までなら基本機能を無料で利用できます。レビューサイトでもこの点を高く評価している口コミは多く見られました。
確かに、メール配信システムがどういったものか、APIがどんなものかとりあえず触ってみたいという場合に、無料プランの存在はありがたいですね。また、ちょっとした規模のトランザクションメールであれば完全に無料で処理することも可能かもしれません。
ただし、マーケティングキャンペーン機能を利用する場合は登録できるメールアドレス数が2,000件に制限される点には注意しましょう。
メールマーケティング機能がそこそこ充実している
他のサービスと比較すると、SendGridはメールマーケティング機能がそこそこ充実しています。例えばblastmailよりSendGridの方が価格面は不利ですが、blastmailでは不可能なABテストが行えます。
とはいえ、サポート体制や管理画面の使いやすさなどを考えると、より高機能な配配メールの方が結局、費用対効果は高いかもしれません。また、多くのSendGridユーザーがAPI連携を良い点として挙げていましたが、より低価格なblastmailでもAPI連携は利用できます。
SendGridのデメリット総括
メリットについて総括したところで、SendGrid特有のデメリットについても触れていきます。
- 気軽に配信しにくい料金体系
- サポート体制が心許ない
- 管理画面が日本語に対応していない
気軽に配信しにくい料金体系
SendGridには従量課金の仕組みがあり、あまりにたくさんのメール配信を処理しすぎると、想定していたよりも高い請求が発生する可能性があります。
さらには登録しているメールアドレスの件数によって月額費用が加算される仕組みも存在し、正直いって複雑で分かりにくい料金体系です。メールマーケティング目的で一斉配信を週に何通も処理したいのなら、別のメール配信システムを利用するのがおすすめです。
サポート体制が心もとない
SendGridは海外サービスということで、電話での日本語サポートが存在しません。日本語の問い合わせ窓口はメールのみとなっており、緊急時が心配です。また、公式ページのFAQを見た限り、英語の電話サポートについても期待できなさそうです。
管理画面が日本語に対応していない
SendGridは管理画面がすべて英語表記となっています。さほど難しい単語や文法は使われていないかと思いますが、日本語対応しているサービスと比べれば使いやすさは雲泥の差でしょう。
レビューサイトでも「使えないことはないが、さすがに分かりづらい」という口コミが多く見られました。一応、英語の得意な担当者を配置できるのであれば、このデメリットはある程度解消できます。
まとめ:SendGridはこんな企業におすすめ
SendGridはネームバリューの高いメール配信システムですが、管理画面がすべて英語、電話サポートがないなど、導入前にかならず把握すべき注意点がいくつか存在します。以下にSendGridの注意点について箇条書きするため、かならず目を通してください。
- メールサポートしかなく、緊急時に不安がある
- 料金体系がすこし複雑。事前に仕組みを把握した方がよい
- 使い方によっては価格表の見かけより何倍もの金額が請求される可能性がある
- メールマーケティング機能については同程度の価格帯の国産サービスと大差ない
以上の注意点を踏まえた上でいうなら、API連携やセグメント配信など、SendGridはメール配信システムとして申し分ない機能を備えています。価格は安いとはいえませんが、適切なプランさえ選べば、機能と配信規模に見合った金額設定といえそうです。
しかも配信規模が一定以下であれば無料で利用できる可能性もあるため、興味があれば触れておいて損はないでしょう。
結論としてSendGridは以下のような企業におすすめといえます。メール配信システム選びの参考になれば幸いです。
- 配信先リストが100件に満たないなど、配信規模が小さい
- 実績の豊富さを重視してサービス選定している
- メールマーケティング機能が充実したサービスを探している
- メール配信システムを実際に運用した経験がある
- 英語が得意な担当者を配置できる