ConvertKit(コンバートキット)は、外部サービスとの連携や作業の自動化が特徴的なメール配信システムです。国内にもさまざまなメール配信システムがありますが、
「海外製の方が使い勝手が良く高性能なものがあるのでは…?」
そう思って調べているうちに、ConvertKitに辿り着いた方もいるのではないでしょうか。本記事では、ConvertKitが他メール配信システムと比較してどのような特徴があるのか、基本機能はどのようなものがあるのか解説しています。
ConvertKit(コンバートキット)とは
公式サイト | ConvertKit |
企業名 | ConvertKit(2013年創業) |
料金 | 月額:9ドル〜 |
無料利用 | 可能(1000名まで) |
ConvertKit(コンバートキット)とはアメリカで誕生したメール配信システムで、ステップメール配信やオプトインフォーム、ランディングページなどの作成も行うことができます。
また、ダッシュボードから他の海外のマーケティングツールとの連携も可能で、マーケティングオートメーションを簡単に組むことができる点も特徴的です。
- メルマガ登録フォームの作成
- メルマガの作成
- セグメント配信
- デジタル商品の販売
- ステップメールの作成
- 連携(マーケティングオートメーション)
これらの基本的なメール配信に関わる機能に加え、マーケティング活動を円滑に行うための機能も備えています。
ConvertKit の特徴
次に、ConvertKitが他のメール配信システムと比較してどのような特徴があるのか解説します。海外製のメール配信システムとして有名な「SendGrid」や「mailchimp」については以下の記事で詳しく解説していますので比較の際は参考にしてみてください。
関連記事:SendGridとは?日本語サポートはある?特徴や料金について徹底解説
関連記事:mailchimpとは?公式サイト・口コミから機能やプランを解説します!
セグメント配信が容易にできる
セグメント配信とは、性別や年齢、商品の購入があった人、前回のメールの開封が無かった人など、メールを送りたい相手(ターゲット)を絞った配信のことです。
ConvertKitでは顧客をリストでの管理ではなく「タグ付け」で分類していきます。例えば「商品Aを購入した」「商品Bを購入した」というタグを作成することで、「商品Aを購入した人のみにメールを送る」「商品A、Bの購入があった人どちらにもメールを送る」といったような柔軟なメール配信が可能になります。
タグの種類は性別や年齢、Aのフォームから登録があった人、などといった分類も可能です。
タグ付け作業も、後述するオートメーション機能を使えば自動化することができるので工夫次第で、高度なセグメント配信を自動化することができるでしょう。
多くのメールの一斉送信が可能
Convertkitを使えば、1時間に3万通までのメール配信が可能と言われています。
例えば、Gmailの送信上限は「1日あたり500通まで」という制限があります。これは全てのメール配信システムに共通する点でもありますが、専用システムを活用することで大量の一斉送信ができるようになります。
API連携が容易に可能
API連携が簡単に行えるのもConvertkitの特徴です。
Convertkitでは海外の優れた他サービスとの連携が可能です。有名な外部サービスであれば3分ほどで設定が完了できるほどです。
WordPressとの連携もできますが、普段海外のツールを多く使っており、メール配信システムと連携させたいという場合には特に便利なポイントです。
管理画面、サポートは全て英語
海外のツールなので設定項目や管理画面、サポートは全て英語になります。メール配信システムの利用が初めてという方は慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、使い方さえ覚えればシンプルな構造のため、最低限の英語の知識があれば問題なく利用できるかと思います。
ただし、Convertkitの特徴である「オートメーション機能」を活用するとなると細かな設定が必要になってくるので英語での管理が煩わしく感じるかもしれません。
ConvertKit の主要機能
次にConvertKitの特徴的な機能について簡単に解説していきます。
マーケティングオートメーション
ConvertKitの機能で特筆すべきが、お客様の行動に合わせたアクションを自動的に設定する「オートメーション機能」です。
ステップメールや顧客管理を自動化することでマーケティングオートメーションの仕組みを構築することができます。作成方法は「AUTOMATIONS(オートメーション)」「RULES(ルール)」の2種類ありますが、ビジュアル的な設定ができる「AUTOMATIONS」がおすすめです。
上記のオートメーションは「フォーム登録→メルマガ登録者というタグ付け→登録感謝メールを自動で送る」という簡単なオートメーションですが、視覚的に設定ができるので、オートメーションの流れの設定を非常に編集しやすいです。
このオートメーション機能がConvertKitの最大の特徴で、工夫次第で様々な活用ができます。
ステップメールで反応があった場合、1日後に販促のメルマガを送る、ステップメールに最後まで反応が無かった顧客に対して、別のステップメールへの移行を促すなど、この機能がConvertKitがマーケティング色の強いメール配信システムである一因になっています。
自分で1から作るのは難しいという場合には、オートメーションのテンプレートも用意されているのでそちらを参考にしても良いでしょう。
効果分析
メールの開封率やクリック率などのメールの効果分析も行うことができます。
また、ステップメールの効果分析項目も以下のように用意されています。
- Unconfirmed…メールの確認ボタンをクリックしていない総数
- Subscribers…アクティブユーザー総数
- Completed…ステップメールの完了者数
- Removed…ステップメールの対象から削除した人数
- Unsubscribers…ステップメールから退会した人数
- Open rate…メール開封率
- Click rate…メールのクリック率
メールの開封率だけでなく、登録者数や退会者の総数も確認できるので、メール配信システムを使ってステップメール配信をしたいという方は役立つでしょう。
HTMLエディタ
ConvertKitでは、HTMLメールを手軽に作成できる「HTMLメール作成エディタ機能」もあります。
このように画像や動画、ファイル、リンクの設置などを行うことができますが、用意されているテンプレートは少なく、自分のイメージ通りのメルマガを作るためには多少HTMLに関する知識が必要になるかなという印象です。
HTMLエディタだけでいうと、同じ海外のメール配信システムであるMailChimpの方がテンプレートも豊富で自由なレイアウトがしやすいかと思います。
とはいえ、エディタ機能は使い勝手が悪いということはないので、メール配信システムを選ぶ基準としてデザイン面が重要でないのであればそこまで気にならないかと思います。
有料配信機能
ConvertKitでは有料のメルマガ配信が行えたり、デジタル商品専用の販売・決済ページなどを作ることもできます。
メルマガの有料配信は他のメール配信システムでは対応していないことが多いので特徴的な機能の一つです。
メール配信システムとして基本的な機能は十分備わっている上、作業の自動化ができる点が特徴的です。外部サービスとの連携も豊富ということもあり、メールマーケティングを本格的に行いたいという人向きのサービスと言えるでしょう。
ConvertKit の料金
ConvertKitのプランは「無料、クリエイター、クリエイタープロ」の3種類に分かれています。
料金はリスト数によって増減します。例えばリスト数3000件の場合は上記のような金額になります。年単位での支払いの方が当然月払いよりもお得です。無料プランの場合は1000件まで利用できますが機能制限があります。
無料プランでは、ConvertKitの最大の特徴である、オートメーション機能や外部サービスとの連携は行えないので注意しておきましょう。本格的な運用を考えている場合には、有料プランが必須になるかと思います。
ConvertKitでは初期費用はかかりません。リスト数による料金の違いはこちらのページで簡単に確認することができますのでご参考ください。
ConvertKitを他メール配信システムとの比較
同じ海外サービスであるMailChimpと、国内サービスで14年連続顧客導入数・シェア数No. 1を誇るblastmailと比較してみました。
ConvertKit | MailChimp | blastmail | |
料金 | 月額9ドル〜(アドレス数300件) | 月額1,150円〜(アドレス数500件) | 月額4,000円〜(アドレス数5,000件) |
無料利用 | アドレス数1000件まで ※機能制限有 | アドレス数2000件まで ※機能制限有 | 7日間トライアル可能 ※機能制限無 |
特徴 | メルマガ配信の自動化ができる セールスにまで繋げやすい | メルマガテンプレートが豊富 管理画面がシンプルで使いやすい | 機能がシンプル サポート体制が充実 |
ConvertKit | MailChimp | Blastmail | |
料金 | 月額9ドル〜(アドレス数300件) | 月額1,150円〜(アドレス数500件) | 月額4,000円〜(アドレス数5,000件) |
無料利用 | アドレス数1000件まで ※機能制限有 | アドレス数2000件まで ※機能制限有 | 7日間トライアル可能 ※機能制限無 |
特徴 | メルマガ配信の自動化ができる セールスにまで繋げやすい | メルマガテンプレートが豊富 管理画面がシンプルで使いやすい | 機能がシンプル サポート体制が充実 |
利用者の声を見ると、ConvertKitの方がよりマーケティングや商品・サービスの販売を視野に入れたメール配信が行いやすく、細かなステップメール配信ができる。MailChimpはメルマガテンプレートが豊富で初心者でも使いやすいという傾向があるようです。
また、海外サービスは両者共通して「導入自体は簡単だが使いこなすまでには時間がかかる」と感じている人が多いようです。やはり管理画面や設定、サポートが全て英語で、ネットで調べながら活用するにしても高度なセグメント配信やオートメーションは難易度が高いでしょう。
どちらも無料で多数のアドレス件数へのメール配信を行えますが、セグメント配信やオートメーションを行うには有料プランへのアップグレードが必要という点に注意が必要です。
一方、ブラストメールは無料で使える期間は決まっていますが、試用期間は全ての機能が使えるので安心です。メール配信システムの導入が初めてでも、適切なプランの相談や使い方のサポートが日本語で受けられるというのは大きなメリットです。
ConvertKitはこんな方におすすめ
とはいえ、国内のメール配信システムで作業の自動化を自由にカスタムできるようなツールは中々ありません。
マーケティングオートメーションという観点からいえば、Hubspotという有名なツールがありますが、Hubspotはステップメール機能を付けると月額10万円以上になり、かなりコストがかかります。
メールマーケティングを意識して活用をしたい、かつ英語サービスへの抵抗が無いという方はConvertKitは非常におすすめのツールです。
とりあえず、大量のメールを安全かつ確実に配信するためのツールを導入したいという方は、わざわざConvertKitを利用する必要は無いかと思います。特にメール配信システムの利用が始めてという方は、機能が多すぎることで逆に混乱してしまうということも良くあります。
こちらの記事では、最新のおすすめメール配信システム情報をまとめていますのでご参考ください。
関連記事:《2022年》定番のメール配信システムおすすめ30選!無料から有料まで徹底比較しました
まとめ
以上、海外のメール配信システムであるConvertKitについて解説してきました。
無料で使うこともできるシステムですが、ステップメールやオートメーション機能は有料プランでしか利用できないという点には注意しておきましょう。逆にそれらの機能がConvertKitの特徴であり、国内のメール配信システムには無い強みの部分です。
- 英語のサービスに抵抗がない
- 高度なメールマーケティングを視野に入れている
- ビジュアルオートメーション機能を使ってみたい
そんな方はぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
メール配信のためのシンプルな機能のみで良い、使い勝手を重視しているという方はそれ以外にもたくさんメール配信システムはありますので色々と比較してみてくださいね。