私たちは誰しも、人間だからこそ避けられないミスを犯すことがあります。
大切なのはミスが起きたときにどう対応するか、どう謝罪するかです。しかし、謝罪するという行為は思いの外難しい行為です。自分の過ちを認め、相手に対して心からの謝罪の意を伝えること。一歩間違えば逆効果になることもあります。
そんな「謝罪」は、ネガティブな印象を持たれがちですが、実はポジティブな側面もあります。謝罪をきっかけに信頼関係を深め、人間関係を修復する絶好のチャンスでもあるのです。
そして、そのキーとなるのが「謝罪文」です。言葉にすることで初めて相手に伝わるため、謝罪文には誠意や反省、そしてこれからの改善への約束を込めることが重要です。
この記事では、「気持ちが伝わる謝罪文の書き方とフレーズ集」をご紹介。ビジネスシーンはもちろん、プライベートでも使える謝罪のフレーズを織り交ぜながら、謝罪の真髄に迫ります。
具体的な例文を交えながら、心に響く謝罪文の作り方を解説しますので最後までご覧ください。
謝罪文とは何か
謝罪文とは相手の謝罪の意を伝える際に使う文章のことです。
ただし、単に謝罪するだけではチャンスを逃してしまう可能性があります。もちろん、気持ちを込めて謝罪をすることは大前提になりますが、ミスをした後に誠意を持った対応をすることで相手からの評価を上げることができます。
また、ミスを恐れず、そしてミスから学ぶことで、私たち人間は成長します。気持ちを伝える謝罪文作成のコツを学び、信頼関係を深めるための一歩を踏み出しましょう。
謝罪文の定義とその役割
謝罪文とは、自分の行動や言葉が他人を傷つけた際、その事実を認め、反省の意を示し、再発防止を誓う文書のことを指します。その役割は、間違いや誤解を正し、関係を修復し、信頼を回復することにあります。
- 納期が遅延してしまったとき
- メールの送信先を間違えたとき
- 書類を間違って送ってしまったとき
- システム障害によって顧客に迷惑をかけたとき
- 予定していたWebミーティングの時間に遅れたとき など
このような場合は謝罪文が必要となります。その際、具体的な欠陥の内容、それによって引き起こされた問題、そしてそれをどのように改善するのかを明示し、今後の再発防止策を伝えることが求められます。
謝罪文は、誤りを認め、反省の意を示すための重要なコミュニケーションツールです。適切に書かれた謝罪文は、問題の解決と信頼回復にも繋がります。
謝罪文の重要性とその効果
謝罪文の重要性は、間違いを認識し、それを是正する意思を他者に伝える手段であることにあります。
また、その効果として、人間関係の修復や信頼関係の回復、企業の場合はブランドイメージの維持や改善が期待できます。ここまで何度か謝罪文のポジティブな面をお伝えしましたが、あくまで「誠意を持って謝る」ことが最優先です。
たとえば、納品先を間違えてしまった営業パーソンが納品先まで自分の足を運び誠意を持って謝罪し、納品物の回収やその後の対応を迅速に行ったことでさらに発注をいただいたなんてことはよくある話です。
このように、謝罪文は間違いを認識し、それを是正する意志を伝えるための重要な手段であり、適切に使用することで多大な効果を生み出すことができます。
謝罪文の基本的な形式
謝罪をするときに最優先なのは直接会って自分の言葉で謝罪の意を伝えることです。
しかし、どうしても直接伝えることが難しく文章を謝罪しなければいけないこともあります。では、謝罪文はどのように書くのが適切なのか。「手書きで書くのが当たり前」と聞いたことがあるのは本当なのか。
さらに、謝罪文の書き方や件名を分かりやすくするコツにまで深ぼって解説していきます。
謝罪文は手書きでなければならないのか?
以前は、謝罪文を書く際は「手書き(手紙形式)」で書くことが当たり前とされていました。それは、手書きで手間をかけて謝罪することが誠意の現れと考える人も多かったからです。
しかし、現代ではメールやSNSが謝罪の手段としても使用されることも多くなってきました。もちろん、謝罪形式は重要ですが、それ以上に大切なのは心からの誠意と対応策の明示です。謝罪文は必ずしも手紙形式である必要はありません。
ただし、適切な謝罪の方法は相手や状況によります。例えば、個人と個人の間での謝罪であればSNSでも問題ありませんが、企業が企業に対して謝罪する場合にSNSを活用すると相手が怒ることは容易に想像できます。
重要なビジネスパートナーに対する謝罪などでは、手書きの謝罪文が適切となるでしょう。
メールやSNSでの謝罪文の書き方
メールやSNSでの謝罪文の書き方も基本的には同じです。
- 具体的な事実を述る
- 反省の意を示す
- 再発防止策を説明する
ただし、簡潔に、そして適切な言葉遣いで書くことが求められます。
メールでは、件名を工夫して相手に読んで貰うこと、そして本文ではビジネスマナーを守ることが重要です。また、SNSでの謝罪は、公開される場合が多いので、誤解を招かないような明確で簡潔な表現を心がけましょう。
メールでの:謝罪文の件名を分かりやすくするコツ
メールにおいて件名は最も重要なポイントのひとつです。
謝罪文の件名は、そのメールの目的が謝罪であることが一目でわかるように記載しましょう。具体的で簡潔な表現を用い、丁寧な言葉遣いを心掛けることが大切です。
【謝罪】〇〇に関する不手際とその対応について
このように、”【謝罪】”の文字を先頭に置くことで、メールの目的が謝罪であるこを明確に伝えることができます。
また、「〇〇月〇〇日について発生した障害について」など具体的な日付を記載することも有効と言えるでしょう。
謝罪文作成の際の注意点
謝罪文を書く際には、迅速性、問題の原因の明示、言い訳の排除、具体的な対応策の提示など、重要なポイントが複数あります。これらの要点を抑えた上で文書を作成することで、相手に対する誠意を伝えることが可能となります。
迅速性を保つための具体的な方法
謝罪においては、スピードが最も重要と言っても過言ではありません。
謝罪の迅速性はその誠意を示す重要な要素となります。ミスを認識したら、すぐに相手に伝え謝罪するようにしましょう。
ただし、注意点もあります。迅速に謝るだけでなく確認事項なども必要になるので、以下のステップで謝罪をするようにしましょう。
- 事実の確認
- 上司や関係者への報告
- 当事者への謝罪
また、謝罪の際は謝罪の意思と事実を伝えるようにしましょう。ミスに対する原因と対策も必要となりますが、その場しのぎで回答してしまうと後からより大きなクレームを招いてしまう可能性もあります。
「いつまでに原因と対策を報告するか」という期日を報告するのが良いでしょう。
問題の原因を特定して伝える
原因を特定し具体的に伝えることは、相手に誠意を示すためにも重要です。
例えば、納品が遅れた場合、「品質検査の過程で不具合が見つかり、再検査を行ったことが原因で納品が遅れました」というように、具体的な原因を伝えましょう。
また、人間だれしもミスはあります。重要なのは同じミスを繰り返さないことです。具体的な原因を特定し、今後の対応や同じミスをしないための解決策を伝えることで信頼回復に繋がります。
言い訳を避け、相手のせいにしない
謝罪の際に最も気をつけるべきことのひとつが「言い訳」です。
いくら相手に落ち度があったとしても相手のせいにしてはいけません。まずは自分自身に焦点を当てて、どのようにすればミスなどの謝罪すべき事項を防げたかを考えましょう。
言い訳を避けるためには、「私たちの責任で」「私たちのミスで」「私たちの管理不足で」など、主語を自分にして、自分たちの責任を明確に伝えましょう。また、反省の意を示す表現も効果的です。
具体的な対応策の伝え方
謝罪時には具体的な対応策を伝えることで、再発防止策を示すとともに、相手に安心感を与えます。そのためには、具体的で分かりやすい言葉で対応策を伝えることが重要となります。
例えば、商品不良が原因で謝罪する場合、「今後は品質管理体制を強化し、定期的な検査を行うことで、同様の問題が発生しないようにします」といった具体的な対応策を伝えましょう。
心を動かす謝罪のフレーズ集
謝罪をするときに使えるフレーズを紹介します。
普段から何度も謝罪をしている人は多くないかと思います。いざ謝罪が必要になったときにはとっさに言葉が出てこないものです。ここで紹介するフレーズを参考に、相手の心に響く謝罪文を考えましょう。
場面に合わせて謝罪のフレーズを使い分ける
謝罪のフレーズは、その深刻さや相手によって適切な表現が変わります。言葉遣いに注意しながら、場面に合わせて適切なフレーズを選びましょう。
- 軽度の謝罪:お手数をおかけして申し訳ありません
- 中度の謝罪:大変ご迷惑をおかけし、心からお詫び申し上げます
- 重度の謝罪:この度は甚だしき非礼、深くお詫び申し上げます
など、場面に合わせて謝罪文を選ぶことが重要です。
謝罪のフレーズは、その深刻さや相手によって適切な表現が変わります。言葉遣いに注意しながら、場面に合わせて適切なフレーズを選びましょう。
ビジネスシーンで使える謝罪フレーズ
ビジネスシーンでは、形式的で敬意を持って表現することが求められます。相手を尊重し、自分たちの責任を全うする表現を用いましょう。
上記で紹介した場面にあわせた謝罪フレーズをさらに深掘りして紹介します。
- 申し訳ありません。
- 失礼しました。
- お詫びいたします。
- 反省しております。
- 〜の不注意で、
- 大変、失礼いたしました。
- 申し訳ございませんでした。
- ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
- 心よりお詫び申し上げます。
- 謹んでお詫び申し上げます。
- 猛省しております。
- 弁解のしようもございません。
など。謝り上手はビジネス上手とも言えます。プライドが高く、謝罪が苦手な人もいますが、謝罪はときに武器となりますので、いざというときには素直に使えるようにしておきましょう。
プライベートで使える謝罪フレーズ
プライベートでの謝罪では、自分の感情や反省の意を率直に伝えることが大切です。相手の感情を尊重し、自分の誠実さを伝えることが求められます。
- 「迷惑をかけて本当にごめんなさい」
- 「もう2度としません、どうか許していただけますでしょうか」
- 「完全に私のミスです。今後は気を付けます」
など、自分の感情や反省の意を率直に伝える表現を用いましょう。
謝罪文の書き方は、相手や状況によって異なりますが、基本的には具体的な事実を述べ、反省の意を示し、再発防止策を説明することが必要です。
また、言い訳をせず、相手のせいにしないように注意することも大切です。そして、謝罪のフレーズは、その深刻さや相手によって適切な表現が変わるため、言葉遣いに注意しながら、場面に合わせて選びましょう。
シチュエーション別”謝罪文”の例文
謝罪すべきシーンは様々あります。ここではいくつかのシーンを参考に謝罪文の例文を紹介します。
シチュエーションに応じた謝罪文を用意することで、相手の感情や事の重大さに応じた適切な言葉選びが可能となります。具体的な例文を覚えておき、必要なタイミングで即座に対応できるようにしましょう。
商品の不具合や接客問題に対する謝罪文例
商品やサービスに問題が発生した際の謝罪文では、具体的な問題の内容とその原因、そして解決策を明確に伝えることが求められます。
「弊社商品に不具合が発生し、皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。問題の原因はXXで、現在は全力で解決に取り組んでおります。お客様には大変ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。」
問題の内容とその原因に加えて解決策を伝えることで、信頼回復に繋げることができます。謝罪内容に「いつまでに」「どのように」など、具体的な内容を含めるとよりより謝罪文となります。
納品・発送ミス、請求書ミスや返金処理の際の謝罪文例
納品ミスや請求書ミスなど、ビジネス上のミスに対する謝罪文では、具体的な事実を述べ、誠意ある対応を明示することが求められます。
「先日は弊社から誤った請求書を送付し、ご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。正しい請求書を直ちに送付いたします。今後このような事態が発生しないよう、事務対応のフローの見直しを行います。この度は大変ご迷惑をおかけして申し訳ございません。今後とも変わらぬご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。」
”お金”に関わるミスは信頼関係に大きく関わります。謝罪レベルとしては中程度から重度に値します。迅速にかつ丁寧に謝罪するように心がけましょう。
上司に対するミスの謝罪文例
上司へのミスの謝罪文では、自己のミスを率直に認め、反省の意を示し、再発防止策を述べることが重要です。
「先日の報告書に誤りがあり、ご迷惑をおかけしたこと、深くお詫び申し上げます。自己の確認不足が原因であり、大変反省しております。今後は、確認作業を徹底し、再発防止に努めます。今後ともご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。」
上司が関係してくると、評価に直結するため言い訳が多くなりがちです。上司の気持ちになって考えるとわかりますが、誰も言い訳など求めていません。
また、謝罪だけでなく今後どうするかが重要になりますので意識しましょう。
飲み会の欠席などの社内イベントに対する謝罪文例
社内イベントの欠席に対する謝罪文では、自分の欠席が他のメンバーにどのような影響を及ぼしたかを理解し、そのことについて謝罪することが重要です。
「先日の社内飲み会に欠席し、皆様にご迷惑をおかけしたこと、深くお詫び申し上げます。私の不在が皆様の楽しい時間を台無しにしたかもしれません。次回からは事前にスケジュール調整を行うなど、欠席を防ぐよう努力いたします。」
もちろん、社内の人間関係や役職、どのようなイベントかによります。ここまで丁寧に謝罪する必要があるシーンは多くないかもしれませんが、丁寧な謝罪で損をすることはないので覚えておくとよいでしょう。
謝罪メールを一斉送信する場合
謝罪メールは非常にセンシティブな行為です。もし、複数人に謝罪メールを一斉送信をする場合は注意しましょう。
メーラーの機能であるccやbccを使うと、誤送信による個人情報漏洩のリスクもありますし、スパムメールと間違えられてメールが届かないなんてこともあります。
そんなときはセキュリティ性が高く確実にメールが届けられる、一斉メール配信システムを使うとよいでしょう。有料にはなりますが、誤送信などによって信用を失うことと比較すると中長期的にお得になります。
例えば、シェア1位のメール配信システム「ブラストメール」であれば、月額4,000円から使えるのでコスパが良いサービスとなっています。
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謝罪文についてまとめ
効果的な謝罪文を作成するためには、以下の3点が重要となります。
- 問題の認識
- 謝罪の言葉
- 具体的な改善策
これら3つが総合的に評価されて誠意があるかないか、信頼してもよいかどうかが判断されます。特に社外の方への謝罪は丁寧すぎるぐらいが良いでしょう。
また、上手な謝罪文を作成するためには、自分のミスを認める勇気、具体的な問題とその原因を述べる清潔さ、相手の立場に立った対応策を考える思いやりが必要です。
本日紹介したフレーズや例文をそのまま使うのではなく、そこに自身の状況などを加味した心からの謝罪をするようにしましょう。
謝罪はピンチではなくチャンスです。良い経験だと捉えポジティブに謝罪対応をして信頼を勝ち取ってください。