ビジネスでのお断りメールの書き方と注意点【例文アリ】

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ビジネスの現場で、あなたは「断る」ときにどのように伝えていますでしょうか?

頼まれたことを全て引き受けると、「自身の負担が増えすぎてしまう」「アウトプットの品質が落ちる」などの問題が発生してしまうかもしれません。

しかしながら、相手からの依頼を断ってばかりいると、相手を傷つけたり、ビジネスの機会を逃したりする可能性があります。そこで必要なのが「お断りメール」なのです。

「お断りメール」はただ断るだけでなく、相手との相手との良好な関係を維持し、誤解を防ぎ、信頼関係を築くための第一歩となります。

本記事ではお断りメールを書く際に、どのような表現を使い、相手に対してどのような気遣いをすべきかを具体的な例と共に解説していきます。

ビジネスチャンスを逃さず、同時に相手との良好な関係を保つためのヒントになるでしょう。最後までご覧ください。

目次

お断りメールがビジネスにおいて重要な理由とは

お断りメールはビジネスにおいて非常に重要な役割を果たします。例えば、以下4つのような役割があります。

  • 良好な関係維持
  • 誤解の防止
  • 信頼関係構築
  • ビジネスチャンスを逃さない

これらの理由から、お断りメールはビジネスにおいて軽視することはできません。適切に活用することで、相手の関係構築や信頼構築に寄与し、ビジネス上での成功につなげることができるでしょう。

お断りメールによる良好な関係を維持する

お断りメールはビジネスにおいて良好な関係を維持する手段になり得ます。一方で、断り方や文章の表現、伝え方を間違えてしまうと、関係悪化やクレームの原因にもなりかねません。

自分の意志を尊重すると同時に、相手の提案や要望に対して敬意を示すことが重要となります。

例えば、ある提案に対してあなたが時間的な制約や、他の優先事項があるためにその提案を受け入れることができない場合、お断りメールを通じてその理由を説明することで、相手との関係を損なわずに断ることが可能となります。

誤解を招かないためにお断りメールを適切に送る

お断りメールの危険なポイントのひとつが、相手に伝わりにくいことです。

メールなどの文章のみのコミュニケーションでは、口頭やWebミーティングなどと違い、表情や身振り手振りなどのノンバーバルな表現ができません

そのため、文章の解釈が人により異なる可能性があります。文章で伝えるからこそ、いつも以上に意味を正確に伝えることが重要です。

例えば、ある要望を断る際に、ただ「できません」と断るだけではなく、背景や理由を説明し、理解と協力を求める形で伝えることで、相手の誤解を防ぐことができます。

信頼関係を築くためのお断りメールの利用

お断りメールでは相手との認識齟齬を防ぐだけでなく、信頼関係を築くことも可能となります。

「断る」という行為は、自分自身の優先事項を明確にし、相手に対して透明性を保つ手段と言えます。

例えば、上司相手にしっかりと理由を説明したうえで断ることで、相手が自分の立場や状況を理解しやすくなり、長期的に信頼関係を築くことができます。

ビジネスチャンスを逃さないためのお断りメール

お断りメールで信頼関係が築けるとビジネスチャンスに発展する可能性もあります。

お断りメールを通じて、あなたが提案を拒否する具体的な理由を説明することで、相手はあなたのニーズや状況を理解し、その上で新しい提案や解決策を提供することが可能となります。

つまり、短期的な損失はあったとしても、中長期的にはチャンスの方が多く転がってきます。お断りメールは未来の可能性を開く手段となるため、ないがしろにせず適切な文章や表現を身につけましょう。

印象が良くなる「お断りメール」の書き方と注意点

お断りメールを書く際には、相手に良好な印象を与えることが重要です。以下に、印象が良くなるお断りメールの書き方と注意点をご紹介します。

  • 断りの意思を明確に伝える
  • 相手への気遣いやフォローを忘れずにする
  • ビジネス冠詞をクッション言葉として活用する
  • 次につながる一言を添える
  • NGな表現を避ける

それぞれ詳しく解説します。

断りメールであることを明確に伝える表現方法

お断りメールを書く際は、そのメールがお断りであることを明確に伝えることが重要です

相手のことを気遣ったつもりで曖昧な表現を使うと、相手は混乱し誤解を招く可能性があります。そうなると最終的にはお互いが残念な気持ちになってしまうので、お断りメールは明確に伝えるべきです。

「ご相談いただきました○○○につきましては、大変申し訳ありませんが、今回はお受けすることができません。お心遣いはとても嬉しく感謝しています。」

このように、お断りであることを明確に伝えつつ、相手に対する敬意を示すことも重要です。

相手への気遣いやフォローを忘れない

上述したように、お断りメールを送るときは、相手への気遣いやフォローを忘れないことが大切です。相手の感情や気持ちを尊重し、相手に気遣いをすることで信頼関係を維持できます。

相手への気遣いやフォローの例文

  • ご提案いただき、誠にありがとうございます。大変申し訳ありませんが…
  • 今回は残念でしたが、今後ともよろしくお願い申し上げます。

などの感謝の気持ちやフォローアップの表現を含めることが、相手への気遣いになります。一言添えるだけで印象が大きく変わるのでぜひ実践してみてください。

ビジネス冠詞をクッション言葉として活用する

ビジネス冠詞をクッション言葉として活用することで、相手に対する尊重と柔らかさを表現することができます。

「断られる」という行為は、人によって感じ方の違いはあれど、ショッキングな事象です。

クッション言葉は、伝える内容がネガティブであっても、それを柔らかく伝えるための手段となるため、ビジネスシーンでは特に重要です。

相手の感情を傷つけず、良好な関係を維持するためにはビジネス冠詞を利用しましょう。

ビジネス冠詞の例

  • 大変申し訳ありませんが
  • お手数をおかけしますが
  • 恐縮ですが
  • せっかくですが
  • 残念ではありますが

これらはビジネスシーンでは一般的によく使われる表現です。必ず覚えておいてください。

断って終わりではない!次につながる一言を添える

お断りメールを書く際は、断りの内容だけでなく、次につながる一言を添えることが重要です。

「現在の提案は難しいですが、今後も引き続き良い提案をお待ちしております」という表現は、拒否しているように見えますが、実際には将来的な期待が込められています。

次につながる一言の例

  • 次の機会にもご連絡いただけますと幸いです。
  • またご縁がありましたらよろしくお願いします。
  • 次回お会いできることを楽しみにしています。

また、自分が断られる立場の場合、相手が本音ではなく建前で言っている可能性もあるので注意しましょう。

NGな表現を避ける

お断りのメールでは、相手を傷つける可能性のある表現や否定的な言葉遣いを避けましょう。相手に対する尊重と敬意を持った表現を心がけることが重要です。

避けるべき表現

  • あなたの提案には興味がありません
  • 今は忙しいので連絡はしないでください
  • 何が言いたいのかよくわかりません

このような表現は、相手を非難するように受け取られる可能性があります。相手に非があったとしても、伝え方には十分に注意しましょう。

お断りメールを書く時の基本フレーズ

お断りメールを書く時には一般的によく使われるフレーズを理解しておくと良いでしょう。無難な回答やあまり関係が深くない相手にも使うことができます。

  • 今回は見送らせていただきます
  • ご期待に添えず申し訳ございません
  • 辞退させていただきます

今回は上記3つのフレーズについて、例文を交えて解説します。

「今回は見送らせていただきます」の使用例

「今回は見送らせていただきます」という表現は、明確に断りつつも柔らかい表現となります。

また、完全に否定するのではなく、今回の機会に関しては断るというスタンスを伝えることができます。下記に例文をご紹介します。

  • 誠に申し訳ありませんが、今回は見送らせていただくこととなりました。
  • せっかくのご厚意ですが、今回は見送らせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。
  • 今回は見送らせていただきますが、また機会がありましたらお声かけいただければ幸いです。

「ご期待に添えず申し訳ございません」の使用例

「ご期待に添えず申し訳ございません」という表現は、断りつつも相手からの印象を良くできるお断りのフレーズです。下記に例文をご紹介します。

  • ご期待に添えず申し訳ございませんが、この度はお断りさせていただきます。
  • ご期待に添えず申し訳ございません。今後もお力になれる機会がございましたら、お気軽にご相談ください。
  • 誠に申し訳ございませんが、ご期待に添えずお力になれない状況となりました。今後のご活躍を心より応援しております。

「辞退させていただきます」の使用例

「辞退させていただきます」という表現は、お断りの事実を直接的に伝えつつも、敬意を表しているため、無難な断り方と言えるでしょう。下記に例文をご紹介します。

  • ご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、ご依頼を辞退させていただきたく存じます。
  • 貴重なご提案をいただき、誠にありがとうございました。しかしながら、今回は辞退させていただきます。
  • 誠に申し訳ございませんが、今回は予算が理由で実現が難しく、お申し出を辞退させていただくこととなりました。

実際のシーン別、お断りメールの例

ここまで紹介したフレーズを活用しつつ、実際にお断りメールを送るときの例文を紹介します。

  • 相手の要望に添えない時のお断りメール
  • イベントやパーティーの誘いへのお断りメール
  • 人事採用のお断りメール
  • 見積もりをもらった製品の購入を断るメール

今回紹介するのは上記の4パターンです。もちろんお断りメールを送るべきシーンは他にも様々あります。

しかし、ここで紹介するフレーズや例は状況にあわせて使い分けが可能ですので参考にしてください。

相手の要望に添えない時のお断りメール

相手の要望に添えない時のお断りメールでは、具体的な理由を明確に伝えつつ、尊重の意を示す表現を用いることが重要です。

下記例文を参考にしてください。

お世話になっております。

共催セミナーのご提案、誠にありがとうございます。

一緒にセミナーを開催させていただきたい気持ちは山々ですが、弊社内でのセミナー開催方針が変更となり、今後は共催セミナーを一切実施しない運びとなりました。

せっかくのご提案にもかかわらず、ご期待に添えず誠に申し訳ございません。また機会がありましたらご一緒いただけますと幸いです。

引き続きよろしくお願いします。

先方からのイベントやパーティーの誘いへのお断りメール

イベントやパーティーの誘いへのお断りメールでは、感謝の意を示すとともに、具体的な理由を伝えることが重要です。

このようなお誘いは断りにくく、曖昧な返事をしがちなため注意しましょう。以下、例文です。

この度はご招待いただき誠にありがとうございます。

しかしながら、その日はすでに別の予定が入っておりますので、大変残念ですが参加を見送らせていただきます。

次の機会がありましたらぜひ参加させていただきたいのでお声かけいただけますと幸いです。

今後ともよろしくお願いいたします。

人事採用のお断りメール

人事採用のお断りメールでは、会社のイメージやブランドを損なわないよう、応募への感謝を伝えつつ断る必要があります。以下、例文です。

お世話になっております。

株式会社〇〇の採用担当〇〇です。

この度は弊社の採用選考にご応募いただき、誠にありがとうございました。

〇〇様のご経歴とスキルを拝見し、誠に残念ながら今回は採用を見送らせていただくこととなりました。

弊社でのご活躍を期待いたしましたが、現在弊社では〇〇様の希望する条件に合致するポジションがございません。

ご期待に添えず、誠に申し訳ございません。

〇〇様の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

今回は縁がなくとも、将来的にご縁があるかもしれませんし、ユーザーや取引先になる可能性もあります。不躾なメールを送り、相手へのネガティブな印象を与えないように注意しましょう。

また、「人事採用のお断りメール」を送るときは一斉に大量のアドレス宛にメールを送信する場合があります。そのときはBCCなどを使わずにメール配信システムを活用することをおすすめします

「個人情報漏洩が防げる、大事なメールが確実に届く」などの大きなメリットがあります。以下の記事でメール配信システムについて詳しく解説していますので参考にしてください。

見積もりをもらった製品の購入を断るメール

見積もりをもらった製品の購入を断るメールの例文を紹介します。明確に断りつつも感謝の言葉を沿えるようにしましょう。

平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。

先日お送りいただいた製品の見積もりについて、ご連絡いたしたくご連絡いたしました。

誠に恐れ入りますが、今回はお見積もりをいただいた製品の購入を見送らせていただきます。

ご提案いただいた製品は、弊社が求めている機能とスペックを満たしており、大変魅力的な製品ではありました。

しかし、弊社予算の都合により、今回は購入を見送らせていただくことになりました。

この度は、お見積もりいただき、誠にありがとうございました。

今後とも、弊社をご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

英語でのお断りメールの書き方

ビジネスでは英語を使うシーンもあるかもしれません。英語圏では直接的な表現が好まれますが、ビジネスの場ではあまりに直接的な表現は避ける傾向にあります。

ここでは英語のお断りメールのフレーズをいくつかご紹介します。

英語でのお断りメールのフレーズと例文

英語であっても日本語であっても、お断りメールの基本は変わりません。明確に断る意思を伝えることと、相手への経緯が大切となります。

まずはよく使うフレーズです。

  • 申し訳ありませんが:I’m sorry but
  • 残念ながら:I’m afraid
  • ご連絡ありがとうございます:Thank you for contacting us
  • 今後ともよろしくお願いいたします:Thank you for your continued support

以下、例文になりますので参考にしてください。

あなたの提案に感謝しますが、今回はお断りさせていただきます。

I appreciate your offer, but I must decline at this time.

ご理解とご協力をお願いいたします。

Thank you for your understanding and cooperation.

一緒に仕事をする機会を楽しみにしています。

I look forward to the opportunity to work together in the future.

まとめ:お断りメールの書き方

お断りメールは、ビジネスの場で重要なコミュニケーションの一つです。

適切な表現を使って断ることで、良好な人間関係を維持しつつ、自身の意志を明確に伝えることが可能となります。その際には、相手への気遣いと、曖昧な表現を避けることが求められます。

お断りメールの役割は以下の4つです

  • 誤解を防ぐ
  • 良好な関係の維持
  • 信頼関係の構築
  • ビジネスチャンスを逃さない

さらに、ビジネス冠詞をクッション言葉として活用し、断って終わりではなく次につながる一言を添えることが重要です。

お断りメールはピンチではなくチャンスです。相手に誠意をもって断ることで別の機会でのチャンスが得られます。お断りメールは軽い気持ちではなくしっかりと相手の気持ちを考えた上で戦略的に送るようにしましょう。

また、複数のアドレス宛に一斉送信をする場合はBCCでの配信を避けてメール配信システムを活用するようにしましょう

BCC配信には多くのリスクがあります。下記記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

BCCで一斉送信する前に知っておきたいリスクと対策を徹底解説

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この記事を書いた人

Email Rising編集部です。Email Risingではメール配信システムやメールマーケティングについてのお役立ち情報を発信しています

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