メールのメッセージ形式には「テキスト」「HTML」「リッチテキスト」の3種類があります。テキスト形式では文字の色など装飾変更はできないため、デザイン性に優れたメールを作成するには、HTMLもしくはリッチテキスト形式の選択となるでしょう。
しかし、使用にあたってはいくつか注意すべきポイントがあります。それぞれの形式や特徴を理解したうえで上手に活用しましょう。
この記事では、リッチテキストに焦点を当てて、概要やテキスト・HTMLとの違い、作成方法などを解説します。
リッチテキストとは?
リッチテキストとは、テキスト形式に文字の色・フォント・サイズ・画像の配置・表組といったレイアウトに関する情報を追加した形式のことです。デザイン性の高いメールを作りたい場合に選ぶと良いメッセージ形式といえるでしょう。
まずは、テキストメールとHTMLメールとの違いを解説します。
テキストメールとの違い
テキストメールとは、文字情報だけで構成されるメールのことです。
デザインに装飾などは加えられませんが、専門的な知識や技術がなくても、メールを作成できます。また、メール受信先で文字化けしたり、レイアウトが崩れたりするリスクが低いという特徴もあります。
リッチテキストとテキストメールの違いを表にまとめてみました。
テキストメール | リッチテキストメール | |
文字 | 文字情報のみ送信可能 | 文字情報に加え、文字の色・フォント・サイズなどの書式情報も保持できる |
表や画像 | メール本文に画像や表などを貼ることはできない | メール本文に画像や表などを貼ることができる |
文字の装飾などが必要ない報告や連絡などは、シンプルなテキストメールで十分でしょう。一方、文字を装飾したり画像を貼り付けたりして、強調や視覚的に訴えたい場合はリッチテキストメールがおすすめです。
HTMLメールとの違い
HTMLメールとは、HTML(主にWebページを作成する際に使われる言語)を活用して作成されたメールのことです。まるでWebページのように装飾された文字や画像を含む、複雑なレイアウトによるメールを作成できます。
なお、リッチテキスト形式も「HTMLタグ(HTMLの言語で使われる制御情報)」を活用しているため、HTML形式の一つです。
HTMLメールとリッチテキストメールの仕組みに大きな違いはありませんが、細かな点でそれぞれ異なる特徴があります。HTMLとリッチテキストメールの違いは以下の通りです。
リッチテキストメール | HTMLメール | |
文字 | 文字の色・フォント・サイズなどの書式情報も保持できる | 文字の色・フォント・サイズのほか、箇条書きなど多くの設定ができる |
表や画像 | メール本文に画像や表などを表示できる | メール本文に画像・表を貼れるほか、リッチテキストよりさらに自由にレイアウトを変更できる |
操作方法 | HTMLに比べ操作は簡単 | 作成するにはソースコード(どんな動作をさせたいか処理内容を記載したテキストファイル)を記述する知識が必要 |
その他 | HTMLに比べ文字崩れやレイアウト崩れは起きにくい | 送信先の受信環境によっては、文字崩れやレイアウト崩れが生じる |
上記から、より装飾性が高いメールを作成できるのはHTMLといえるでしょう。
しかし、HTMLを作成するにはソースコードに関する知識が必要なうえ、送信先の受信環境によっては文字崩れやレイアウト崩れが起こるおそれがあります。
そのため、「テキストの色・フォントなど文字装飾をメインにしたい」場合には、リッチテキストメールが有効です。
一方、商品紹介のメールマガジンなど「より多くの画像を本文に貼り付けたい」「より凝ったレイアウトにて目立たせたい」といった場合は、HTML形式を選択すると良いでしょう。
リッチテキストのメリット・デメリット
リッチテキスト形式は、テキスト形式より色彩豊かなメールを作成できますが、HTML形式ほど複雑なレイアウトは作れません。
そのため、リッチテキスト形式は、テキストとHTMLの中間的な位置づけといえます。リッチテキスト形式を選択するかどうかは、メリット・デメリットを踏まえて決めると良いでしょう。
リッチテキストのメリット
リッチテキストのメリットは以下の3点です。
文字の装飾が自由自在にできる
リッチテキストでは、「文字の色」「フォント」「サイズ」などの書式を自由自在に変更できます。
重要な内容を強調して読みやすい工夫ができるため、デザイン性の高いメールの作成が可能です。商品の宣伝メールやメルマガ等に適しています。
受信側で文字化けやレイアウト崩れが起きにくい
HTML形式でメールを送信する場合、複雑なソースコード(処理内容を記載したテキストファイル)で構成されており、受信者側の環境によっては文字化けやレイアウト崩れが生じるのが難点です。
一方、リッチテキスト形式は、HTMLに比べソースコードがシンプルであるため、文字化けといった問題は軽減されます。
操作が比較的簡単である
HTML形式でメールを作成するためには、ソースコードに関する高度な知識が必要ですが、リッチテキストは操作が簡単です。
リッチテキストは、特別な知識やスキルがなくてもメールを作成できる手軽さが強みといえます。
リッチテキストのデメリット
リッチテキストのデメリットは、メリット同様3点あります。
HTMLほど複雑なレイアウトは作れない
文字装飾や画像添付などについて、HTML形式ほどの自由度はありません。限られた書式や色使いから効果的なメールを作成する工夫が必要です。
特殊文字の使用に注意
HTML形式のメールに比べ、受信側の環境に左右されにくい形式ではあるものの、特殊文字を使う場合は、文字化けやレイアウト崩れが起こる可能性があります。
Outolookでリッチテキスト形式を送信する場合には注意が必要
Outlookのリッチテキスト形式は、マイクロソフト独自の形式です。
そのため、サポートされるメールソフトは「Outlook」と「Microsoft Exchange Client Versions 4.0/5.0」に限られます。
Outlookのリッチテキスト形式でメールを送信する場合、受信側の利用しているメールソフトによってはメールを開けないことがあります。Outlookのリッチテキスト形式によるメール送信は、社内だけに留めた方が無難でしょう。
リッチテキストメールの作成方法
リッチテキストメールは、「Outlook」の他、「Gmail」や「Yahoo!メール」でも作成可能です。
ここでは、リッチテキストメールの作成方法について、メールの種類ごとに解説します。
Gmailの場合
Gmailでリッチテキストメールを作成する場合の手順は以下の通りです。
Gmailのリッチテキストエディタ(リッチテキスト形式のファイルを編集する際に使用するソフトのこと)の機能を使って作成します。なお、Gmailのリッチテキストエディタはパソコンでのみ使用可能です。
1.リッチテキストモードへ切り替えを行う
「メールの新規作成画面」の右下にある「縦3点リーダー」のボタンをクリックすると、「プレーンテキストモード」から「リッチテキストモード」に切り替えができます。
2.メールを作成する
リッチテキストモードに切り替えた状態でメールを作成します。
この際、各種操作ボタンをクリックすることで、文字を装飾したり画像を挿入したりすることが可能です。Gmailのリッチテキストエディタでは次の装飾ができます。
- フォント、フォントサイズ
- 太字、斜体、下線、
- フォントカラー、フォント背景カラー
- 文字の配置
- 番号付きリスト、箇条書きリスト
- インデント減、インデント増
- 引用
- 取り消し線
Gmailのリッチテキストエディタは、基本的には文字の装飾がメインです。他にも写真やファイルの挿入もできます。
Outlookの場合
Outlookでリッチテキストメールを作成する場合は、以下の手順で行います。
1.テキスト形式を確認する
まずは、「新しいメール」作成画面を開き「書式設定」をクリックしましょう。
2.形式を選択する
表示されたメニューの中から「メッセージ形式」を選択します。
その後、「テキスト」「リッチテキスト」「HTML」の3種類の書式が表示されるため、「リッチテキスト」を選択しましょう。
3.メールを作成する
リッチテキスト形式に切り替えたら、メッセージを作成します。画面にあるツールバーにある各種操作ボタンを押すと、さまざまな文字の装飾や画像を挿入できます。
Yahoo!メールの場合
Yahoo!メールでリッチテキストメールを作成する場合は、以下の手順で行います。
1.テキスト形式を確認する
メール作成画面で、件名の右下にある「テキスト形式欄」に、「テキストメール」か「リッチテキスト」のどちらが表示されているか確認しましょう。
2.リッチテキスト形式に切り替える
テキスト形式欄が「テキストメール」になっている場合は、「リッチテキスト」をクリックし切り替えます。
3.メールを作成する
リッチテキスト形式に切り替えたら、メールを作成します。ツールバーにある各種操作ボタンを押せば、以下のような装飾を変更することが可能です。
- フォント(形式・サイズ)
- 太字、斜体、下線、打ち消し線
- テキストの色
- マーカー
- 左寄せ、中央、右寄せ
- インデント減、増
- リスト(数字付き、ドット付き)
- ハイパーリンクの作成
- 絵文字
なお、Yahoo!メールでリッチテキスト形式のメールを送る場合、受信先のメール環境が「Yahoo!メール」や「HTMLメール」に対応していればそのまま表示されます。
一方、受信先のメール環境がHTMLメールに対応していない場合、表示は文字データのみです。この際、添付のHTMLファイルを開くことによって、HTMLメールを表示できる可能性があります。
HTMLメールの作成・配信におすすめのメール配信システム
上記で紹介したGmailなどは大量のメールの一斉送信やメルマガ配信には向いていません。大量の配信する場合は、メール配信システムを使うのがおすすめです。
レスポンシブHTMLメールは、メールでのマーケティングにおいては効果の高い手法といえます。とはいえ、自力で作成するには知識や経験が必要であり、手間もかかるため効率的に進められる方は少ないかもしれません。
メール配信システムを活用することで、知識や経験が少なくHTMLやCSSに詳しくない方でも、本格的なレスポンシブHTMLメールをスムーズに作成できるようになります。
メール配信システムとは
メール配信システムとは大量のメールアドレス宛に一斉にメールを配信できるシステムのことです。
メールの大量配信は一般的にスパムメールに似た行為のため、迷惑メールフォルダに入ってしまったり、文字通りメールが届かない可能性があります。メール配信システムにはこれらを回避するための技術が使われており、安心安全に大量のメールを届けることができます。その特性から、メルマガ配信や社内向けの一斉メール等に活用されています。
また、メール配信システムを導入すれば、メール配信の効果測定が行えたりセグメント配信が行えたりと、HTMLメールにとどまらないメリットを得られます。
シェア1位のメール配信システム「ブラストメール」
ブラストメールは14年連続顧客導入シェア1位のメール配信システムです。
ブラストメールの特徴は、シンプルな操作性と、コストパフォーマンスの高さです。様々な業種や官公庁の導入もあり、定番のメール配信システムと言えるでしょう。
・HTMLメール作成エディタはドラッグアンドドロップで簡単
・シンプルで簡単なサービスなので誰でも始めやすい
・テンプレートは30種以上と豊富
その他にもセグメント(ターゲット)配信や効果測定、HTMLメールエディタなど、基本的な機能は全て揃っており、最も安いプランであれば月額4,000円以下で導入できます。
シンプルかつ安いので、簡単かつ迅速にHTMLメールを配信したい方におすすめです。無料トライアルも可能となっているので、まずは試してみてはいかがでしょうか。
関連記事:【3分で分かる!】ブラストメールとは?ブラストメールのトライアル期間を使って徹底レビュー!
まとめ
表現力豊かなメール作成が可能なリッチテキスト形式は、ユーザーの注目を集め、情報を受け取ってもらうために効果的といえます。リッチテキスト形式はHTML形式の一種ですが、HTML形式に比べ文字化けやレイアウト崩れがしづらく、操作も簡単です。テキストの色やフォントといった文字装飾がメインなら、リッチテキスト形式でのメール作成をおすすめします。
今回紹介した3つのメッセージ形式は、それぞれ特徴が異なるため、目的に適した形式を選んでメールを作成しましょう。