自社のサービスを宣伝し、公式ホームページやECサイトに誘導するメールマガジンは、売り上げアップの施策として多くの企業で活用されています。
メルマガから直接サービスの購入につなげることが出来ればベストですが、いきなりサービスの説明をしても押し売り感が強く、なかなか制約させることはできません。
そこで、多くの企業では以下のようにメルマガの目的を細分化し配信を行っています。
- キャンペーン・セールの告知
- ファンの育成
- 顧客の教育
メルマガの配信をしているが、売り上げに繋がらない……と感じている方は、もしかしたら上記のような点を意識せずに配信をしているのではないでしょうか。
この記事でご紹介しているような顧客へのアプローチの方法や、ファンの育成方法をマスターし、売り上げに貢献できるメルマガの配信を目指しましょう。
メルマガで成果が出ないのはなぜか
メルマガの例文をご紹介する前に、メルマガの配信はしているものの集客媒体としての成果が感じられない方は以下のような配信をしていないかチェックしておきましょう。
- 文章のみのメルマガを配信している
- 受信者の選択をしていない
- メルマガの配信に関わるデータを取得していない
上記の項目に当てはまる方は、コンテンツや配信方法の見直しが必要かもしれません。
それぞれについてもう少し詳しく解説をしておきます。
文章のみのメルマガを配信している
文章のみのメールは「テキストメール」と呼ばれており、ガラケーのユーザーが多かった時代に主流だった形式です。
しかし、スマホのユーザーが増加するにつれて、テキストメールによるメルマガ配信を見ることはかなり少なくなりました。
なぜなら、ガラケーと比較して画像や動画から情報を得やすくなったスマホユーザーが増えたことで、文字だけの集客媒体に良い印象を持つ人が少なくなったからです。
今回の記事で解説しているメルマガの例も、全て画像やボタンを使い、自社のサービス・商品を魅力的に紹介しているものです。
このような配信形式は「HTMLメール」と呼ばれており、メルマガに注力しているほとんどの企業がこの形式で配信をしています。
2014年に「HubSpot」が行った「HTMLメールとテキストメールでどちらを好むか」という調査では44才以下の7〜8割がHTMLメールを好むという結果が出たそうです。
HTMLメールの配信は技術的なリソースが必要とされていましたが、現在はHTMLメールを簡単に作成できるツールが提供されています。
ツールの紹介は後半で行っているので、ぜひ最後までご覧ください。
受信者の選択をしていない
メルマガは希望者に対して配信される集客媒体ですが、必ずしも受信希望者の全員に向けて配信しなければならないわけではありません。
もし、自分に関係のないキャンペーンが記載されたメルマガや、興味関心が少ない情報が記載されたメルマガばかり受信していたら、と想像してみましょう。
そのメールを開封しないどころか、購読を停止してしまう読者が増加してしまう可能性も十分に考えられるのではないでしょうか。
メルマガを集客に結びつけている企業では、受信者をカテゴリー別に分類し、そのカテゴリーごとに異なるメルマガを送り分けています。
そうすることで「女性の読者に特化したコンテンツ」「対象者を絞ったキャンペーン告知」のように、読者にとって必要な情報が記載されたメルマガを配信する事ができるのです。
メルマガに関するデータを取得していない
メルマガは配信をして終わりの集客媒体ではありません。
配信したメルマガのデータを把握し、コンテンツの改善を繰り返していくことで、どんな情報がユーザーにとって有益なのか、どんなコンテンツが喜ばれているのかが分かるようになります。
メルマガ集客で必要と言われているデータは以下のようなものになります。
- 到達率(配信したメールのうち相手のメールボックスに到達した割合)
- 開封率(配信したメールのうち開封されたメールの割合)
- クリック率(配信したメールに添付したURLがクリックされた割合)
これらのデータを把握することで、自社のメルマガに対する読者の反応が数値として分かるようになります。
これらのデータを取得するには「効果測定」と呼ばれる機能を利用し、メルマガを配信する必要があります。
効果測定を行う方法については、HTMLメールの作成ツールと同様に後半で解説しています。
もし、メルマガの配信をしているが集客結果に結びついていない、と感じているのであれば解説してきたような点を意識して次の例文解説を読んでみてください。
メルマガの例文紹介
ここからは、企業が配信しているメルマガの例文をご紹介していきます。
John Masters organics
化粧品やヘアケア商品などを提供している「John Masters organics」は、商品のイメージ画像をファーストビューに使いメルマガの配信をしています。
画像にURLが添付してあるため、画像を見て「もっと詳しく知りたい」と思った読者がすぐに専用のページを確認することができます。
John Masters organicsのメルマガは価格や、購入方法に関する情報はあまり記載されていません。
メルマガを通して、商品の成分や使い方を読者に知ってもらう事が1番の目的という意識なのでしょう。
そのため、サービス・商品の押し売りをするのではなく、読者に自社のサービスをより深く分かってもらうという、教育的な意味合いが強いメルマガとして参考になります。
自社のメルマガに登録している読者は、自社のサービスに興味がある方がほとんどですが、実際に提供しているサービス・商品の詳細まで把握している方は多くないかもしれません。
そのため、同業他社のサービス・商品と比較して何が違うのか、という点をメルマガでわかりやすく読者に伝える必要があります。
上記の点を意識したメルマガを継続して配信することで、他社との違いが読者の中でも明確になり、徐々に自社のファンとして商品・サービスの購入に踏み切るようになります。
またJohn master organicsのような化粧品を取り扱う企業や、アパレルブランド、飲食店といった業種でメルマガを配信する場合は、添付するイメージ画像が非常に大事な役割を持ちます。
どれだけ良い商品を提供していても、魅力的に感じられない画像を使っていては、お客様は商品の詳細について知ろうという気にはなりません。
お客様ができるだけ自社の商品に興味・関心を寄せられるようなイメージ画像を使い、メルマガを配信しましょう。
Amazonプライム
大手ECサイトのAmazonが展開する「アマゾンAudible」のメルマガです。
John masuter organicsとは違い、冒頭部分の「30日間無料」という文字が目を引くデザインになっています。
提供しているサービスはスマホを使った本の朗読ですが、サービスの使い方や詳細に関する記載はほとんどありません。
2つのメルマガを比較すると、前者は「読者の教育・ファンの育成」を、後者は「キャンペーンの告知」を目的にしている事がよくわかります。
アマゾンAudibleのようにキャンペーンやセールでプライスダウンをしているのであれば、以下のような言葉を使って読者が一目でわかるように工夫しましょう。
- 【初回限定!40%OFF】
- 【このメールが届いた方限定】1,000円OFFクーポン
また、これらの記載は本文だけでなく件名にも記載しておくのが鉄則です。
そうすることで、メルマガを通して一番伝えたい内容が読者にもわかりやすくなり、メールが開封される可能性が高くなります。
また、画像ではわかりませんが、ご紹介しているメルマガでは件名の部分にそれぞれの登録者名が差し込まれるように工夫されています。
そのため、受信ボックスから確認できる件名では【〇〇様 30日間無料で対象の本を「聴き放題」してみませんか?】と表示されます。
メルマガの配信は希望者全てに行われますが、その中でもコンテンツをパーソナライズ(個別)化し、配信することで読者に特別感を感じさせる事ができます。
上記のような方法は「宛名差し込み」と呼ばれる機能を使って、各受信者の名前を表示していますが、それ以外にも以下のような文言を使うことで、特別感・お得感を演出できるでしょう。
- メールが届いた方限定!
- 【〇〇】県在住者限定
- 〜女性限定〜
対象者を絞ったキャンペーンをする際は、このような記載がオススメです。
ただし「〇〇県在住」や「女性(男性)限定」といったキャンペーンの告知メルマガは、基本的には対象者のみに配信するように注意しなければなりません。
なぜなら対象者を限定したメルマガは、キャンペーンに該当しない方にとっては不要な情報であり、このような配信が多くなると購読を停止する読者が増加する恐れがあるからです。
そのため、メルマガを配信する際は、コンテンツだけでなく配信する相手もある程度は精査して行う必要があります。
購読停止やメルマガの開封率に関する悩みを抱えている場合は、その点を注意して配信しましょう。
メルマガの例文を参考にメルマガを作成してみよう
ここからは解説してきたメルマガを参考に、実際にHTML形式でメルマガを作成し皆様にご紹介します。
アマゾンAudibleと同様にキャンペーンの告知を目的としたメルマガになっています。
業種としてはホテル業のメルマガなので、実際の商品の画像と言うよりは、サービスを利用したときのイメージが膨らむような画像を多く利用しています。
ファーストビューで具体的な金額の提示がされており、普段の利用時と比較してどのくらいお得になっているのかが一目でわかるのもアマゾンのメルマガと同じです。
メルマガを煩雑にしないためにも、テキストとして記載されている情報は最低限になっています。
プランの詳細などは公式HPで説明をし、メルマガではサービスの金額や雰囲気を読者に知ってもらえるようなコンテンツに仕上げました。
冒頭で解説したように、押し売りをするのではなく「この金額でこんなプランをご用意しました!」という紹介をするイメージを持つと分かりやすいのではないでしょうか。
メルマガはメールから直接サービス・商品の購入が決定する媒体ではありません。
そのため、公式HPやECサイトのような次のステップにできるだけ多くの読者を誘導するような工夫が必要になります。
次の項からは、これまで解説してきたものを踏まえて、自社でメルマガを作成する際に実践していただきたいポイントについて解説をしていきます。
メルマガ例文から学ぶ「読まれるメルマガ」の解説
自社のサービス・商品の魅力を十分に伝え、多くの読者の興味・関心を引くことができるメルマガを作成するにはどのような点に注意すればいいのでしょうか。
ここからは、ただ配信するだけのメルマガではなく、読者に読まれるメルマガを配信するための工夫について解説をしていきます。
HTMLメール形式にする
先述の通り、メルマガ配信の主流はテキストメールではなくHTMLメールに移り変わっています。
テキストの部分を画像に置き換えることで、受信者が文字を読むのではなく視覚的にサービスの情報を受け取ることができるようになります。
HTMLメールを使ったメルマガの配信は作成にスキルが必要なことから、メール集客の中でもハードルが高い印象を持っている方が多いかもしれません。
しかし「メール配信システム」と呼ばれるメール集客に必要なツールを提供しているサービスを利用することで、スキルがなくても直感的にHTMLメールを作成できるようになります。
HTMLメールを作成するツールは「HTMLメールエディタ」と呼ばれており、主に有料のメール配信システムで提供されています。
以下の記事では、HTMLメールの作成方法について記載してあります。
メール集客の常識!HTMLメールの作成はメール配信システムで簡単に
HTMLメールを使って、読者に対して視覚的なアプローチができるメルマガ集客を行いましょう。
レスポンシブデザインを採用する
この記事で解説しているメルマガは、レスポンシブデザインという制作手法を採用して配信をしています。
メールにおけるレスポンシブデザインとは、デバイスの画面サイズに応じて最適なレイアウトで画像を表示する技術を指しています。
メールを受信する媒体にはスマホだけでなく、PCやタブレットなども挙げられます。
HTMLメールに配置した画像やボタンを、スマホの画面サイズにのみ合わせてしまうと、画面の大きいPCやタブレットではかなり小さく表示されてしまいます。
デザインが崩れて読みづらくなったメルマガの配信は、読者の離脱やクリック率の低下の原因に繋がりかねません。
画像はHTMLメールの命とも言える要素なので、集客効果を下げないためにもレスポンシブデザインを採用した上でメルマガの配信をしたいものです。
受信する媒体ごとにメールのデザインを変える、と聞くと高度な技術が必要なのでは……と考えてしまうかもしれません。
しかし、配信するメルマガにレスポンシブデザインを施すのは意外にも簡単で「HTMLメールエディタでメールを作成する」だけです。
レスポンシブデザインはCSS(カスケーディング・スタイルシート)と呼ばれる、ウェブコンテンツの構成に関する言語を書き換えることでも対応させることができます。
しかしCSSの記載は、HTMLメールを自作する場合と同様に、IT関係の専門的な知識が必要になるため、全く経験がない方が作業をするのは現実的とは言えないでしょう。
集客効果をアップさせるだけでなく、作業効率をアップさせるためにもHTMLメールエディタを使い、レスポンシブデザインを採用したHTMLメールを配信しましょう。
効果測定を行う
効果測定とは、配信したメールに関する以下のデータを収集するツールです。
- 到達率(配信したメールが受信ボックスに届いた割合)
- 開封率(配信したメールが開封された割合)
- クリック率(配信したメールに添付したURLがクリックされた割合)
これらのデータを把握することで、配信したメルマガに対する読者の反応を知ることができるようになります。
- メールボックスへの到達プロセスに問題はないか
- どんなタイトル(件名)が開封されやすいのか
- クリックされやすい画像や配置
効果測定で得られた数値をもとに、上記のようなポイントを改善していくことで、読者のニーズが分かるようになり、集客効果がでやすいメルマガが作成できるようになるでしょう。
ターゲットを限定したメルマガ配信を意識する
先述の通り、性別や居住地を絞ったキャンペーンなどは、対象となる方にのみ配信すべきコンテンツです。
そこで、メルマガの配信をしている企業では、メール配信システムが提供している「ターゲット配信」という機能を使ってメルマガを送り分けています。
メルマガの送り分けならExcelなどの配信リストを使ってもできるのでは?と考える方もいるのかもしれません。
しかし、メール配信システムが提供するターゲット配信を利用し、受信者を選別する手法には以下のようなメリットがあります。
- アドレスの誤設定による情報漏洩を防止できる
- 設定した条件別に宛先を自動でリストに追加してくれる
画像のような使い方をすることで、集客だけでなく社内の連絡用にも活用することができます。
ターゲット配信や効果測定、HTMLメールエディタなどを提供しているメール配信システムの1つに「ブラストメール」があります。
ブラストメールは無料体験期間も実施しており、その期間を使って各機能の使用感をレビューした記事もあるので、こちらもぜひご参考ください。
【3分でわかる!】ブラストメールとは?ブラストメールのトライアル期間を使って徹底レビュー!
まとめ
メルマガによる集客は以下のような目的を持って取り組みましょう。
- キャンペーン・セールの告知
- ファンの育成
- 顧客の教育
キャンペーンの告知などでは金額の記載が必須ですが、ファンの育成や教育を目的としたメルマガでは必ずしも記載しなければならない訳ではありません。
製品・サービスの用途や成分、他者との比較などを記載し、メルマガを通して自社のサービスの魅力を伝えられるようにしましょう。
また、最近のメルマガはテキストメールではなくHTML形式を採用し、画像やボタンを配置して集客効果を高めています。
HTMLメールはメール配信システムが提供している「HTMLメールエディタ」を利用することで、誰でも簡単に作成することができます。
メール配信システムの利用は、エディタだけでなく「効果測定」や「ターゲット配信」といったメルマガ配信で便利な機能を使うことができるという点でもオススメです。
また、レスポンシブデザインを施したメルマガも簡単に作成することができるので、メルマガの配信をしている企業がほとんどです。
メール配信システムの中には、ご紹介したブラストメール以外にも無料体験期間を設定しているものがあります。
以下のランキング記事を参考に、自社の目的や予算に合うメール配信システムを精査し、集客効果の高いメルマガを配信してみてはいかがでしょうか。
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