ターゲット配信機能とは?使い方や成功事例をまとめてご紹介します!

メール集客をしている方は「ターゲット配信」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

ターゲット配信とは、メルマガ集客などの際に「男性のみ」や「都内在住者のみ」のようなターゲットを設定し配信する集客の方法です。

また、メール配信システムの機能としても提供されており「セグメント配信」とも呼ばれています。

ターゲット配信は、メルマガを受信希望者全員に送信するのではなく、受信者を任意の条件でグループ分けし、特定のグループのみの送信や、グループごとにメールを送り分けることができる機能です

メール配信システムを利用している方にとっては定番の機能とも言えるでしょう。

しかし、これからメール集客を行おうと考えている方にとっては、ターゲット配信を使った集客の流れや、実際の集客方法のイメージがつきにくいかもしれません。

この記事では、ターゲット配信を使った集客の流れだけでなく、実際にメール配信システムを使ってターゲット配信をした企業の事例などを解説しています。

目次

ターゲット配信を使った集客

ターゲット配信を利用した場合の集客の流れを解説します。

先述の通り、ターゲット配信はメール配信システムでは定番の機能ですが、GmailやOutlookなどの無料のメーラー・ウェブメールでも行うことができます。

ただし、メール配信システムの利用時と比較すると、以下のような手間がかかることを覚えておきましょう。

メール配信システム無料メーラーなど
配信リストの作成登録した情報から自動で配信リストを抽出全て手作業で抽出しリスト作成
宛先の設定自動でBCCに設定手動でBCCに設定
配信数上限無制限(プランごとに異なる場合もある)1日2000通(Gmail)

メール配信システムと言っても、提供している企業ごとに機能の差はあるので、上の表ではメール配信システムの1つである「ブラストメール」を参考にしています。

Gmailの場合は、1日あたりの配信上限が2,000通となっていますが、そもそも2,000人分のアドレスの管理やリストの作成にはかなりの労力が必要です。

宛先の設定ミスによる情報漏洩も問題になっている近年では、メール配信システムを利用したターゲット配信をおすすめします。

したがって、ここからはメール配信システムの利用を前提に、ターゲット配信機能を使った集客の流れを解説します。

目的を明確にする

まずはターゲットを絞りメールを配信する目的を明確にしましょう

配信したメールを受け取った方に「どんな行動を起こして欲しいのか」を想定しておくのが集客の基本でもあります。

セミナーへの参加、資料請求、サービスの利用などのゴールを明確にすることで、ターゲットの設定やコンテンツの作成がより具体的になるでしょう。

ターゲットを設定する

次に、実際にターゲットを設定します。

目的オンライン料理教室への参加中小企業向け補助金セミナーへの参加育毛サプリの販売
ターゲット20〜40代の既婚者中小企業の経理担当者20〜50代の男性

上記のように、設定した目的に沿ってターゲットを設定しましょう。

ターゲットを絞らずにメールを配信すると、場合によっては受信者に関係のないコンテンツを相手に送信しなければならなくなります。

その結果、受信者から、自分に有益ではない内容のメルマガと判断されてしまう可能性があります。

例えば20代の女性に限定したクーポンを添えたメルマガを、男性の受信者にも送信している場合などが、上記のようなケースに当てはまります。

集客効果が高いメルマガは、受け取った相手に当事者意識を持たせることができるコンテンツに仕上がっています。

文章や画像などを使って訴求する努力は必要ですが、解説した例のようにコンテンツの訴求内容と関係がない方に送っていても、期待しているような効果は得られないでしょう。

ブラストメールのように、リストからの自動抽出により配信グループを設定してくれる場合は、メールアドレスの登録時に相手の情報を記載するだけでターゲット配信ができます。

上記の画面はブラストメールの無料お試し期間(7日)を利用した際に使った管理画面です。

リストの登録から配信までの流れとしては、以下の通りになります。

  • 空メール登録(居住区や性別、既婚などの情報を入力してもらう)
  • メールのリストに反映
  • ターゲット配信時に条件を設定
  • コンテンツの作成・配信

先に設定した目的に合わせて、できるだけ具体的にターゲットを絞り込みましょう。

コンテンツの作成・配信

目的・ターゲットを設定した後は、実際にコンテンツを作成します。

より多くのターゲットに響くコンテンツを作るために、以下のようなマーケティングの法則を意識すると良いかもしれません。

  • 希少性の法則:例)〇〇地域にお住まいの方限定!、このメールを受け取った方限定!
  • AISASの法則:Attention(注意)→Interest(興味、関心)→Sarch(検索)→Action(行動・購入)→Shere(情報共有)という消費者のパターン

せっかくターゲットを設定したのであれば、ターゲットの心に響く見出しを考えて配信しましょう。

この際も、ターゲットに対して具体的な言葉を使ってアプローチをすることを心がけるのが、質の良いコンテンツづくりにつながります。

例えば、「都内在住の方限定」よりも「都内在住30歳未満の男性限定キャンペーン」の方が、受信者に自分のこととして捉えていただけるコンテンツになるでしょう。

また、AISISの法則という、ウェブ集客時の消費者の行動パターンを意識したコンテンツ作りも集客には有効です。

AISASの法則を意識したコンテンツの例を考えてみましょう。

  • 注意:経営者は要チェック!中小企業の60%が利用している「補助金」
  • 興味・関心:知らないと損をするかもしれない「中小企業の経営者限定助金セミナー」を開催します
  • 検索:「〇〇(補助金名やURL)」を調べてみてください。最大で80万円分の補助金が下りた事例も……!
  • 行動・購入:セミナーの詳細や参加希望については、以下のURLから!

このように、事例などをまとめつつ、具体的に注意喚起や訴求を行いましょう。

コンテンツの反省・改善

メール集客に欠かせないのが、効果測定機能によるコンテンツの反省や改善です。

効果測定機能とは配信したメールの到達率や開封率、クリック率を測定する機能で、メール配信システムを利用することで利用できます。

効果測定をしないと、メールの集客効果が分からないばかりか、正常に読者の元にメールが届いたのかすら分からない状態になります。

ターゲット配信を使った集客をする際は、効果測定機能も提供しているメール配信システムを選ぶようにしましょう。

ターゲット配信をするメリット

ここからはターゲット配信機能を使い集客をした際のメリットに関して解説します。

具体性が高いコンテンツで集客ができる

ターゲットを限定せずに配信するメルマガでは「女性限定」や「都内の企業限定」と言ったメルマガの配信をすることで、読者離れを起こしてしまう可能性があります。

読者離れを防ぐには、読者が有益な情報と感じるようなコンテンツを作成する必要があります。

しかし、上記のようにコンテンツのターゲットを具体的に絞り、その方にとって有益な情報を提供すると、どうしても受信者の中に配信されてくるメルマガが不要に感じてしまう方が発生してしまうものです。

そのため、読者を限定しその方にとって有用な情報を届けるには、ターゲット配信機能を利用することが、読者離れを防ぐ手段の一つとなっています。

ターゲット配信機能を使うことで、一定の条件に該当する方にのみメルマガ配信をすることができるので、配信ごとにメルマガが不要と思われる方を除外した配信が可能になります。

また近年は、ターゲット配信と合わせて、HTMLメールという画像を使ったメール集客が主流になっています。

テキストメールとは違い、サービス・商品の画像を本文内で展開したHTMLメールを配信すすことで、受信者の購買意欲を刺激することができるでしょう。

HTMLメールは、作成にIT関連の知識が必要なことから、ハードルの高いコンテンツとされていました。

しかし、ブラストメールをはじめHTMLメールを簡単に作れるエディタを提供しているメール配信システムを利用することで、知識や経験に関係なくHTMLメールを使った集客ができるようになります。

参考画像のようなメルマガは、HTMLメールエディタを使うことで簡単に作成できるようになります。

参考画像は、雑貨販売をしている企業のHTMLメールですが、エディタ機能を提供しているメール配信ソフトのホームページでは業種ごとにHTMLメールのサンプルを紹介している場合もあります。

そちらも参考に、自身の業種では、どのようなHTMLメールが配信されているのかチェックしてみましょう。

メールの開封率・クリック率のアップが期待できる

多くの方に向けたコンテンツではなく、ターゲットを設定し、その方に響きやすいコンテンツを作成することで、メールの開封率やクリック率のアップが見込めます。

例えば、同じ商品を取り扱っているメールでも、以下の件名を比較するとどちらの方がより読者の興味を引けるかは一目瞭然でしょう。

  • 都内5店舗経営の有名シェフを講師にお招きして、料理教室を開催します!
  • 【働く主婦様へ】都内5店舗経営の有名シェフによる、10分5品クッキング教室を開催します!

上記の例では「20〜50歳の働いている既婚者の女性」というターゲットを想定して配信しています。

「働く主婦様へ」や「10分5品クッキング」というワードを入れてターゲット配信をすることで、働きつつも家族に手作りの料理を食べさせたい女性に響きやすい件名に仕上がっています。

また、住んでいるエリアも設定することで、より具体的なターゲット設定ができるでしょう。

しかしターゲット配信をしない場合は、例のような件名をつけたところで、主婦ではない方や、料理教室を開催するエリアから外れている人にとっては興味・関心がわかないメールになってしまいます。

ターゲット配信をするデメリット

ターゲット配信をすることで、考えられるデメリットに関して解説します。

コストがかかる

無料のメーラーでも配信リストを細かく整備することで、ターゲット配信をすることは可能ですが、セキュリティや送信上限のことを考えると、メール配信システムの利用がオススメです。

メール配信システムの中には、無料でターゲット配信を提供しているシステムもあります。

株式会社オレンジスピリッツが提供する「オレンジメール」は、ターゲット配信をはじめとする集客に役立つ機能を無料で利用することができます。

しかし、無料プランの使用時は1日の送信上限が100件とされており、集客での利用を考えると少し心細い感じもします。

無料のメール配信システムは以下の記事でも詳しく解説をしていますが、有料のものと比較すると機能やセキュリティ面では見劣りします。

そのため、基本的にはターゲット配信をして集客をする場合は、有料のメール配信システムの利用を検討する必要があります。

その際にかかるコストは提供している企業によって異なっているため、一概には言えませんが、ターゲット配信機能を提供しているメール配信システムのコストをまとめてみました。

送信上限無制限(登録アドレス数5,000件)1万通/月〜4万通/月〜1万通/月〜

ブラストメールオートビズSendGrid(有料プラン)WILLMail
初期費用10,000円(1年契約で半額)11,000円無料無料
利用料金4,000円〜3,520円〜1,900円〜10,000円〜

メール配信システムを利用して、ターゲット配信機能を利用する際の参考にしてください。

配信数の母数が少なくなる

ターゲット配信機能は配信リストの中でも、条件に当てはまる人にのみメールを配信します。

そのため、毎回リスト全員の送信する場合と比較して、配信先の母数が少なくなってしまいます

メール集客は、より多くの方に自社のコンテンツを届けることが一つの課題でもあります。

同じコンテンツを配信するのであれば、10人に送るよりも、100人に送った方が集客効果を期待することができるでしょう。

ただし、これまでに解説してきた通りターゲット配信は母数を絞ることで、読者離れを防ぎつつ、開封率・クリック率をアップさせ、目的を達成させる集客でもあります。

集客をする上で、母数が多いことに越したことはありませんが、ターゲット配信の場合は、必ずしも母数の減少がコンバージョンに直結するわけではないとも言えるでしょう。

ターゲット配信機能を使った集客の事例

ここからは、実際にターゲット配信機能を使い集客を成功させた事例をいくつかご紹介します。

サッポロビール(株)

大手ビールメーカーである「サッポロビール」はWebサイトの会員向けの企画で、地域限定ビールやキャンペーン企画を、該当する地域に居住する会員にターゲットを絞り配信しています。

ターゲット配信をする以前は、会員全員に向けてメルマガを配信していたそうですが、地域限定のキャンペーンは該当しない方にとっては不要な情報です。

メルマガの配信希望者を細かく分類し、ターゲット配信を実施したことで、マーケティングがしやすくなったそうです。

先述の通り、メルマガ受信者の母数は集客をする上で大事なポイントですが、サッポロビールのように、ターゲットを限定して配信をすることで、受信者に必要とされるメルマガを配信することができるでしょう。

株式会社サンエイ

交通広告の企画や印刷を行う「株式会社サンエイ」は、営業メンバーによるテレアポなどをして集客をしていたそうですが、集客数が頭打ちになりメール集客を始めたそうです。

集客地域や企業の規模、業種などに注目しターゲット配信をするグループを設定した上で、メールを配信したところ、受信者からの反応を得ることができたそうです。

テレアポや訪問による営業は、営業マンの力量に左右される方法なので、安定して新規を獲得することが難しい集客と言えるでしょう。

一方、ターゲット配信を使ったメルマガ集客は、同じ課題・問題に悩んでいる受信者に対してまとめてコンテンツを配信する集客方法です。

そのため、担当者ごとの差ができにくく、かつ時間的なコストも抑えることができるため、同様の課題を抱えている企業では、現状を克服するための手段として検討してみましょう。

まとめ

メルマガ集客などで使われるターゲット配信機能は、配信リストに設定した条件に合わせて、配信したい方にのみコンテンツを配信する集客方法です。

GmailやOutlookのような無料のメーラー・ウェブメールでも、配信リストを整備することでターゲット配信をする事はできますが、以下の理由からメール配信システムによる配信をオススメします。

  • 宛先の誤設定による情報漏洩の可能性がある
  • 空メール登録などができないため、かなりの手間がかかる

メール配信システムが提供するターゲット配信機能を使うことで、HTMLメールエディタや効果測定などの集客に役立つ機能も利用することができます。

ターゲットを限定し、自社のサービスが響く悩みを抱えている受信者にのみコンテンツを届けることができるのが、他の集客方法と比較した際のメルマガ集客の強みでもあります。

ターゲット配信を利用し、専門性のあるコンテンツを受信者に届けましょう。

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この記事を書いた人

Email Rising編集部です。Email Risingではメール配信システムやメールマーケティングについてのお役立ち情報を発信しています

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