本記事では、複数の宛先にメールを一斉送信する「同報メール」の概要と、送信時の注意点について解説します。同報メールは送り方を間違えると、大きなトラブルにつながる可能性もあるため、特に送信時の注意点についてはきちんと把握しておいてください。
それでは、同報メールについて解説します。
同報メールとは?
同報メールとは、複数のメールアドレスに対して同一の内容を一斉配信するメールのことです。例としては取引先・顧客に向けた重要なお知らせや社内報、そしてメルマガなどが挙げられます。
同報メールのもっとも簡単な送り方は、GmailやOutlookといったメールソフトで、CCもしくはBCC送信を使うことです。BCCに設定されたメールアドレスは他の受信者から見えなくなるため、「CCは内部向けで、BCCは外部向け」といった使い分けが基本となります。
ただし、メルマガのような一度に1,000通を超えるような大量配信が定期的に行われる状況では、メールサービスではなくメール配信システムを使います。なぜなら、GmailやOutlookのようなメールサービスは本来、大量配信を処理できる仕組みではないためです。
メール配信システムを使わずにメルマガを行うと、1時間もの配信遅延や、自社のメールアドレスがブラックリストに登録されるといった問題につながるため、十分注意しましょう。
同報メールと「メーリングリスト」の違い
同報メールと似ているメール配信に「メーリングリスト」がありますが、実は微妙に異なります。メーリングリストとは複数のメールアドレスがひとつにまとめられた宛先のことで、LINEでいう「グループ」のようなものにあたります。
たとえば、あるメールを宛先A・B・Cの3つに送りたい場合、同報メールではCC・BCC欄にA・B・Cのメールアドレスを一つひとつ入力していきます。
一方メーリングリストであれば、A・B・Cのメールアドレスが登録されたメーリングリスト「D」のみを宛先欄に入力すれば完結する、という仕組みです。
こうして比べると得られる結果自体は同じなのですが、送信作業はメーリングリストの方が多少、簡略化されますね。
一応、大きく異なる点がひとつあります。それは同報メールの場合、受信者が返信を行うと送信者一名だけに送られるのに対し、メーリングリストの場合はメーリングリストに登録されているメールアドレスすべてに返信される点です。
つまり、もし多数の返信が想定される一斉配信を送る場合は、メーリングリストより同報メールの方が適切ということです。
同報メール送信時における注意点
同報メールを送信する際は、重大な事故につながらないよう、以下のような点に十分注意しておきましょう。
- TO・CC・BCCの使い分けやコピペミスに十分気をつける
- メールアドレスの誤入力に気をつける
- 本文の内容は複数人で精査する
- 一度に大量配信するとスパム判定される可能性がある
ここからは各注意点について詳しく解説します。
TO・CC・BCCの使い分けやコピペミスに十分気をつける
メール送信には宛先の設定方法が3つあり、それぞれの使い分けは下記の通りです。
- TO
主な送信相手や、返信を依頼したいメールアドレスを設定する - CC
返信は不要だが内容は共有したい、送信した事実を伝えたいメールアドレスを設定する - BCC
他の宛先情報を見せたくないメールアドレスを設定する。ただし、TOに設定されたメールアドレスは見えてしまうので要注意
すでに解説したとおり、同報メールでは基本的にCCかBCCにメールアドレスを設定しましょう。
また、本来BCCに設定すべきメールアドレスを間違ってTOやCCに設定すると、大規模な情報漏洩につながってしまいます。メールアドレスのコピペ作業時はミスのないよう十分注意し、必要に応じてダブルチェックを実施して、情報漏洩の予防に努めてください。
メールアドレスの誤入力に気をつける
メールアドレスの誤入力があると、同報メールを必要としている人にメールが届かず、場合によっては重大なトラブルにつながる可能性があります。
入力ミスを防ぐため、手入力ではなくコピペで貼り付ける、コピペ元となるメールアドレス一覧で検索をかけてドメインのスペルミスをチェックするなどして防ぎましょう。
本文の内容は複数人で精査する
同報メールを送信する際は必ず複数人で内容を精査し、本文に機密情報が含まれていないか、重要な情報(スケジュールなど)に間違いはないかといったことを入念にチェックしましょう。
個人間のやり取りと違い、同報メールは複数の宛先にメールを配信します。そのため、上記のようなミスによる悪響の度合いが、個人間の場合と比較して何倍にも大きくなるのです。
一度に大量配信するとスパム判定される可能性がある
何千件ものメールアドレスに対して一度に同報メールを送ると、送信元のメールアドレスやIPアドレスがスパム判定され、同報メールが届きにくくなる可能性があります。
完全に同時である必要がないのであれば時間や日にちをずらして複数回に分けて配信する、または同報メールではなくメーリングリストを利用するなど、一斉配信工夫しましょう。
より適切な同報メールの送り方とは?
同報メールを送る際は、BCCの設定ミスや宛先の件数に配慮する必要がありますが、人の手で作業する以上、ヒューマンエラーの可能性をゼロにすることは不可能です。
情報漏洩リスクを排除したり、大量配信を効率よく処理したければ、メール配信システムを使って同報メールを送るようにしましょう。
メール配信システムとは、その名の通りメール配信に特化したツールのことで、大量のメール配信を効率よく届けることが可能です。メール配信システムについてや、おすすめサービスについては以下の記事で詳しく解説しているため、あわせて参考にしてください。
《2021年》定番のメール配信システムおすすめ16選!無料から有料まで徹底比較しました
まとめ:安全に同報メールを送るならメール配信システムを使おう
同報メールはいわゆる「一斉送信」のことで、複数のメールアドレスに対して同一の内容を伝えるメール配信を指します。また、基本的には「TO」ではなく、「CC」か「BCC」のどちらを利用して送信します。
同報メールは一度に複数の宛先に配信するため、本文に機密情報が含まれていないか、内容のミスはないかといったことを、通常のメールよりも入念にチェックしましょう。
特に注意すべきはBCCの設定ミスです。なぜなら本来BCCに設定すべきメールアドレスをCCやTOに設定しまうと、情報漏洩につながってしまいます。
同報メールには様々な注意点がありますが、メール配信システムを利用することで安全に同報メールを送ることが可能です。メルマガのような定期的に大量の同報メールを送信している場合は、ぜひメール配信システムを使いましょう。