近年ではビジネスチャット・グループウェア・社内ポータルなど、社内での情報共有やコミュニケーションに便利なツールが多数登場しています。メールは利用される頻度が下がってきているように思われていますが、メールでなければ対応できないシーンやニーズも多く存在するため、現在でもビジネスメールを活用していくことは必須です。
しかし、ビジネスメールの運用において、効率性・利便性・確実性などの課題を抱えている方もいるのではないでしょうか。
当記事では、社内メール管理の不行き届きにより生じる問題・メール管理の方法とポイント・メール件数削減に効果的なおすすめのツールについて解説していきます。
社内で利用するビジネスメールの管理に課題を抱えている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
社内メール管理が行き届いていないとこんな問題が
社内メール管理が行き届いていないと、さまざまな問題を招く要因となります。ここでは、管理の不行き届きにより生じる主な問題について解説します。
対応漏れ
対応漏れとは、顧客対応・社内問い合わせ対応・業務連絡など、メールを返信する必要があるにもかかわらず対応が漏れてしまうことを言います。
メール管理が行き届いていないと、メールボックス内にさまざまなメールが混在してしまい、必要なメールが埋もれてしまったり探し出すのが難しくなってしまったりするため注意が必要です。
返信の必要がある重要なメールを見落とさないためにも、適切なメール管理を行いメールボックス内の整理をしておくことが重要となります。
二重対応
二重対応とは、同じメールに重複して対応を行ってしまうことです。対応が漏れてしまうよりはダメージは少ない傾向にありますが、返信を受けた相手に管理が杜撰な印象を与えたり、単純に無駄なメールを書く時間をロスしてしまったりといったリスクが生じます。
メール管理が適切に行われていないと、返信済みのメールと未対応のメールが混在してしまうため、こういった状況が二重対応の原因となります。
返信を済ませたメールはフォルダやアーカイブへ移動させるなど、対応ステータスが明確になるようなメール管理を行うことが重要です。
業務効率の低下
メールの管理が十分に行き届いていない場合は、対応漏れや二重対応が生じやすくなるだけでなく、メールのチェックや返信の効率も悪くなります。
メールボックスが乱雑となることにより、埋もれているメールを探したり返信の有無を判断したりといったことに余計な時間と手間がかかるようになるためです。メールを主体とした業務を行っているのであれば、連絡をスムーズに行えないことにより仕事の効率も非常に悪くなってしまうでしょう。
このようにメール管理の不行き届きはミスを招くだけでなく効率性の低下も招くため、常にメール管理は適切に行っておく必要があります。
メール管理の方法・ポイント
メール管理のノウハウはある程度確立されており、さまざまな方法を駆使することで社内メール管理を最適化することが可能です。
ここでは、代表的なメール管理の方法とそのポイントについて解説します。
フォルダ分けを設定する
メール管理の最も基本となるテクニックが、フォルダ分けを行いメールの整理をするという方法です。フォルダ分けには、大きく分けて以下3種類の方法があります。
- 差出人別で分類
取引先・顧客・上司・部署・チームなど、差出人別で分類する方法。差出人毎にまとめてメールをチェックできるため、特定の差出人とのやり取りが多い場合におすすめ。 - 対応状況で分類
未対応・対応中・対応済・確認中・対応不要といったメール対応のステータスごとに分類する方法。メールを移動させる手間は増えますが、的確なメール対応を行うことができる。 - 案件ごとに分類
プロジェクト別にメールを分類する方法。同一プロジェクトのメールを集約できるため、複数のプロジェクトを同時に抱えている場合や進捗状況を把握したい場合におすすめ。 - ジャンルごとに分類
業務連絡・顧客対応・ツールの通知・メールマガジン・社内報など、ジャンルごとに分類する方法。さまざまな種類のメールを管理している場合の整理分類におすすめ。
取り扱っているメールの状況に応じてどのようなフォルダ分けを行うのかが、フォルダ設定によるメール管理のポイントです。
有害なメールはブロックする
業務にメールを使用していると、徐々に必要なメールに交じって以下のような有害なメールが交じるようになってきます。
- 広告メール
- スパムメール
- 詐欺メール
- ウイルスメール
このようなメールは文字通り有害でしかなく、特に業務用のメールアドレスの場合は件数が増えてくるとメールボックスを占有してメール処理を行う際に非常に邪魔な存在となります。
もし誤って開封してしまうと使用されているメールアドレスであると認識されて一気に有害メールが増えたり、ウイルス感染や詐欺の被害に遭ったりする可能性もあります。
そのため、上記のような有害メールはこまめにブロックを行い、メールボックスを常にクリーンな状態に保つこともメール管理においては重要です。
メールチェック時間を決めておく
業務に占めるメールチェックの頻度は高く、日本ビジネスメール協会によるとメールのチェックやメールを読む時間を合算すると、相当な時間をメールに奪われていることがわかります。
■仕事でメールを確認する頻度
- 1日10回以上:51.16%
- 1日4~9回:35.51%
■メールを読むのにかかる時間
- 66分/日(1分.19秒/通)
■メールを書くのにかかる時間
- 82分57秒/日(5分54秒/通)
1日のうち何度もメールチェックや送受信を行っていると、都度メールに意識が向けられて業務効率や生産性が低下してしまいます。そのため、メールチェックの時間は固定化してまとめてチェックや送受信を行うことが効率的なメール管理を行うための重要なポイントとなります。
未読メールを0にする
メール管理においては、未読のメールをゼロにすることも重要な考え方となります。
全てのメールに一度目を通すことで、タスクの優先順位付け・メールの必要や不必要・メール整理の方法などを思考することができるため、その後のメール管理の方向性を見いだすことが可能となります。また、未読メールを残さないことで情報の伝達漏れやタスクの漏れを防ぐことにも繋がります。
必要のないメールは削除したり、業務への関連度の低いメールはフォルダ分けを行ったりするなどの対策を行うことはメール管理の基本です。当然、メールを読まずに的確な判断を行うことは困難です。原則として常に未読メールがゼロの状態を目指してメールの管理・運用を行っていきましょう。
アーカイブを活用する
メール管理においては、返信を行って終わりではなく、後で見直す可能性のあるメールや記録を残しておく必要のあるメールも多く含まれます。このようなメールは、アーカイブ機能を利用して保管しておくことも、効率的なメール管理を行うための重要なポイントです。
アーカイブとは、受信トレイにメールを表示させずにメールのデータを保管しておく機能のことです。同機能を活用することで、データ自体を保持しながら受信トレイの整理整頓を行うことができます。
不要なメールは削除する
メールボックスには、有害メール以外にも以下のような不要なメールが徐々に蓄積されてきます。
- 解約したサービスのインフォメーション
- 読まなくなったメールマガジン
- 雑談等の業務と関係のないメール
- 社内のイベント等の案内メール
このようなメールも、件数が増えてくると徐々にメールボックスを占有して業務効率を下げる原因となるため、メールの削除を行っておきましょう。
インフォメーションやメールマガジンは削除しても再び新しいメールが送付されてくるため、削除前にメールの受信を解除するかブロックをしておくことが重要です。
すぐに返信する
受信したメールのなかで返信を行う必要があるものは、メールチェックの過程で見つけ次第すぐに返信することも、効率的なメール管理を行ううえでの重要なポイントです。
理由としては、返信を後回しにするとメールボックスを完全に整理できず、返信が必要なメールとそうではないメールの判別が難しくなるためです。重要なメールが埋もれてしまい、返信漏れが生じてしまうリスクもあります。
そのため、返信が必要であるメールはなるべく即座に返信を行い、どうしてもその場で返信することが難しい場合には目印を付けたり、返信の期限を設けたりしておくようにしましょう。
受け取った添付ファイルはすぐに保存する
業務で活用するメールには、画像・文書・資料等のファイルを添付するケースが非常に多くあります。受け取った添付ファイルを毎回メールボックスから検索するのは手間と時間がかかるため、受け取った時点ですぐに保存しておくことが効率的な管理を行うためのポイント。
添付ファイルを保存する専用のフォルダの作成を行い、種類別に整理しておくと、必要なファイルをいつでも素早く取り出すことができるためおすすめです。
わかりやすい件名にする
メールの件名は、メールを活用した業務やメール管理の効率性に大きく影響する重要な要素です。
メールに分かりやすい件名が付与されていることで、メールの受け手はそのメールがどのようなメールであるのかを瞬時に判断することが可能となり、素早く的確に処理することが可能となるためです。
具体的には、以下の要素を網羅した件名を付与しておくことがポイントです。
- いつのメールであるのか
- どのような要件であるのか
- どのような概要であるのか
件名に関するルールを設け全員に徹底させることで、メール業務やメール管理に従事するメンバー全員がスムーズにメールを処理することができます。
テンプレートを用意しておく
先にご紹介した通り、ビジネスメールを活用している企業では、日々多くの時間をメール業務に費やしている傾向にあります。なかでも多くの時間を要するのは、チェックする時間でも読む時間でもなく、メールを書く時間です。そのため、できるだけ少ない時間と負荷でメールを書くことができるように、テンプレートを用意しておくことも重要なポイントです。
使用頻度の高い文面のテンプレートを複数用意しておくことで、メールを書く効率を大幅に向上させることができます。
メールを社内共有する
顧客対応・社内問い合わせ対応にメールを活用している場合は、メールを社内共有することも効率的なメール管理を行うためのポイントです。
共有メールアドレス・メーリングリスト等を設け、該当するメンバーでメールを共有しておくことで、問い合わせの内容を共有してチームで対応を行うことが可能となります。
対応状況を正確に把握して、二重対応や対応漏れを防ぎたい場合は、専用のメール管理システムを導入することでより効率的な管理が可能となるためおすすめです。
社内メールの数を減らす
社内でやりとりされるメールには、業務連絡や顧客対応に関するもののほか、社内問い合わせメールなど、さまざまな種類のメールが含まれています。
無意識にメールでのやりとりを多用していると、どんどんメールの種類や量が増えてしまうものです。この場合、業務プロセス・業務フロー・情報伝達方法を工夫して、できるだけ社内メールの全体量を減らす工夫を行うことが重要です。
意識的にメールの種類や数を減らすことで、メールボックスが整理され効率的なメール管理を行うことが可能となります。
メールアプリ別おすすめ管理機能
現在多くのシェアを持つメールアプリでは、デフォルトでメール管理機能が備わっており、これらの機能を上手く活用していくことが、スムーズなメール管理を実現するためのポイントです。
ここでは、おすすめのメール管理機能をアプリ別にご紹介します。
Gmailのおすすめメール管理機能
GoogleのクラウドメールサービスであるGmailは、機能性や利便性に優れていることから、ビジネス目的の利用においても高いシェアを誇っています。メール管理におすすめの機能について以下にご紹介します。
- ラベル機能
メールにラベルを付与してカテゴリ別で分類できる機能。ラベルの名称だけでなくカラーも変更することができるため、非常に分かりやすくメールを分類できることが特徴。 - フィルタ機能
あらかじめメールの振り分け先となるラベルを指定しておくことで、受信したメールを自動で振り分ける機能。メール管理の効率性を向上させることが可能。 - アーカイブ機能
受信フォルダのメールを別の場所へ保管しておく機能。メール一覧を整理したい場合や、後で読み返すメールをまとめて保管しておきたい場合におすすめ。 - スター機能
重要度の高いメールや確認頻度が高いメールに星型のマークを付与できる機能。一覧表示された際に目立たせることができるため、メールの確認漏れを防いだり効率的に整理したい場合に便利。
Outlookのおすすめメール管理機能
Outlookは、Microsoftが提供するメールソフトウェアです。高機能でOfficeツールとセットで販売されていることから、多くの企業で活用されています。Outlookでメール管理を行うのにおすすめの機能について以下にご紹介します。
- 自動振り分け機能
あらかじめメール振り分けのルールの設定を行っておくことで、受信したメールを自動でフォルダに振り分けることが可能。メール管理の効率化や負担の軽減におすすめ。 - フラグ機能
重要度の高いメール・確認が必須のメール等にフラグを付けることができる機能。目印として利用するだけでなく、期限を設定してタスク管理を行ったり、フィルタ機能で絞り込みを行ったりといった活用も可能。 - 古いアイテムの整理機能
指定した期限を経過したメールを自動的にアーカイブしたり削除したりできる機能。メール管理の効率化やメールボックスの容量を開放するのに便利。
メール管理にはメール共有システムがおすすめ
この記事ではメール管理について様々な手法やポイントをお伝えしました。その中でも最も効率的で安全な方法がメール共有システムの活用です。
メール共有システムとは?
メール共有システムは、メールや問い合わせに複数人で対応する際の効率を上げる目的で作られた、メール共有に焦点を当てたシステムです。
このシステムを利用することで、誰がどのような対応をしているのかをシステム上で管理できるため、多人数での作業における対応の漏れや重複する対応などの問題を事前に防止することが可能です。
複数人でメール管理・問い合わせ管理をする場合に欠かせないシステムと言えるでしょう。
おすすめのメール共有システム「メールディーラー」
ビジネス上で最も使われているコミュニケーションツールの1つがメールです。
チャットツールやSNSが台頭してきた昨今でも、まだまだメールは使われ続けています。ただし、メールをチームや複数人で管理していると以下のような問題が発生します。
- メールの返信漏れが発生している
- メールの二重対応が発生している
- 必要なメールがなかなか見つからない
また、アカウントの共同利用をしていなかったとしても個人でメールアドレスを保有しており、顧客とのやりとりを個人アドレスだけで行っている場合は、急な欠勤や長期休暇の際に顧客対応ができなくなってしまいます。
そこでおすすめしたいのが、複数人でのメール管理に特化したメール共有システム「メールディーラー」です。
チーム全員のメールを対応状態やどのメールに誰が対応しているのかリアルタイムで共有できるだけでなく、セキュリティ対策機能も充実しており、誤送信防止チェックや添付ファイルURL化、送信キャンセルなど多岐にわたる機能が揃っています。
複数人でのメール管理や問い合わせ対応でお困りの方におすすめです。
問い合わせを減らすためにできること
ここまではメールや問い合わせの管理についての方法やポイントを紹介してきました。
しかし、これはあくまで問い合わせが来たときの対応になるため対処療法となり根本的な課題を解決できない場合もあります。
一斉メール配信で能動的に情報提供を行う
問い合わせを減らすためには日頃からの情報提供や顧客とのコミュニケーションが重要となります。その最も効率的な方法が「一斉メール配信」で能動的に情報提供を行うことです。
自社が保有しているリストに対して定期的な情報提供を行うことでお問い合わせを未然に減らすことができますし、上手く訴求ができればクロスセルやアップセルにもつながります。
また、このようなメールの一斉送信にはメール配信システムが必須となりますので以下で紹介します。
メール配信システムとは
メール配信システムとは大量のメールアドレス宛に一斉にメールを配信できるシステムのことです。
メールの大量配信は一般的にスパムメールに似た行為のため、迷惑メールフォルダに入ってしまったり、文字通りメールが届かない可能性があります。
メール配信システムにはこれらを回避するための技術が使われており、安心安全に大量のメールを届けることができます。その特性から、メルマガ配信や社内向けの一斉メール等に活用されています。
また、サービスによっては宛名の差し込みが可能ですので、一斉送信であっても一人ひとり宛名を書いてメールを送信することができます。
おすすめのメール配信システム「ブラストメール」
メール一斉送信・メルマガ配信に最もおすすめのメール配信システムはブラストメールです。ブラストメールは14年連続顧客導入シェア1位のメール配信システムとなります。
ブラストメールの特徴は、シンプルな操作性と、コストパフォーマンスの高さです。様々な業種や官公庁の導入もあり、定番のメール配信システムと言えるでしょう。
宛名の差し込み機能はもちろん、セグメント(ターゲット)配信や効果測定、HTMLメールエディタなど、基本的な機能は全て揃っており、最も安いプランであれば月額4,000円以下で導入できます。
シンプルかつ安いので、初めてメール配信システムを使ってみたい方にもおすすめです。無料トライアルも可能となっているので、まずは試してみてはいかがでしょうか。
関連記事:【3分で分かる!】ブラストメールとは?ブラストメールのトライアル期間を使って徹底レビュー
まとめ
社内でのビジネスメール管理に伴う問題から、メール管理の方法とポイント、社内メール件数削減におすすめのメール共有システム、メール配信ツールについて解説してきました。
さまざまな情報共有ツールやコミュニケーションツールが普及してきた現代においても、メールはいまだ重要度の高いビジネスツールのひとつです。メール管理の不行き届きによりミスや効率の低下といった課題が生じているのであれば、現在のメール管理方法の見直しを行って改善を図るべきでしょう。メール管理の方法を改善することで、メールによるコミュニケーションだけでなく業務全体の効率化や生産性向上にも繋がります。
現在社内メールの管理について課題を抱えている方は、ぜひ当記事も参考にして管理方法の見直しに取り組んでみて下さい。