MailChimpは世界中で人気のメール配信システムです。国内外で計1300万を超える企業がMailChimpを導入しており、主に米国で根強い支持と絶大な認知度を誇ります。
そんなMailChimpは無料でも使うことができますが、どこまでが無料なのか、有料なら何ができてどれくらいの料金がかかるのか、案内が英語のため分かりづらく感じられる方も多いのではないでしょうか。
こちらの記事では、MailChimpの料金とプランごとの機能について詳しくまとめています。
MailChimpの料金は?
MailChimpの料金プランは「Free」「Essentials」「Standard」「Premium」の4つのプランに分かれています。
また、料金は登録できるアドレス件数によって変わります。上記の料金プラン確認ページでは500件のアドレスを登録できる最低料金の価格が表示されています。「How many contacts do you have?」のプルダウンからアドレス件数ごとの料金を確認することができます。
「Freeプラン」は2,000件まで、75,000件以上は「Standard」または「Premium」、130,000件以上となると「Premium」のプランしか対応できない点には注意が必要です。
プラン | 価格 | 配信メール数 | カスタマージャーニー | サポート | ポイント |
Free | 0円 | 10,000通まで | 使用不可 | 30日間のみ | LP作成やHTMLメール作成が可能 |
Essentials | 1,150円〜 | アドレス件数の10倍まで | 基本的機能 | ライブチャット、メールでのサポート | ABテスト |
Standard | 1,750円〜 | アドレス件数の12倍まで | 基本的機能 | ライブチャット、メールでのサポート | 動的コンテンツ、送信時間最適化 |
Premium | 34,500円〜 | アドレス件数の15倍まで | 高度な機能 | ライブチャット、メール、電話でのサポート | 多変量テスト、無制限のアカウント・アクセス権付与 |
1ヶ月に送ることのできるメールの上限は無料プランでは10,000通となっていますが、有料プランでは選択した登録アドレス件数の〇倍までという形になっています。
それぞれの料金ごとのプランについて詳しく解説していきます。
MailChimpの料金「Freeプラン」
まずは無料で使える「Freeプラン」から解説していきます。登録できるアドレス件数は2,000件、1ヶ月あたりの送信できるメールの上限は10,000通と小規模な配信であれば十分対応することができるでしょう。
基本的なセグメント配信や顧客管理はできるので最低限のメルマガ運用は行えるかと思います。海外サービスではありますが、永年無料で使えるメール配信システムとしては他と比較すると非常に優れています。
サポートや管理画面は全て英語なので、そういった部分の抵抗が無く、メール配信システムがどんなものか試してみたい、または配信規模が小さい場合には無料プランもおすすめです。
また、LP(ランディングページ)の作成エディタを無料で使うこともできるので、メルマガとLPを組み合わせたいという人にも合ったサービスかと思います。
MailChimpの料金「Essentialsプラン」
有料プランの中で最安で使えるのが「Essentialsプラン」です。
無料プランと比較して増える特徴的な機能はこちらです。
- メール中のMail Chimpロゴの削除
- ステップメール機能
- ABテスト
- メール、ライブチャットによるサポート
- 3つのアカウントで使用可能
無料プランでは当然ですが、メール中にロゴが入ってしまったりステップメールができなかったりと機能制限があります。
Essentialsプランでは100種類以上のメールテンプレートがあり、ABテスト機能もあります。3つのアカウントで使用できるようにもなるので、より本格的な運用ができるようになるでしょう。
ただ、次に解説する上位プランのStandardプランから機能がぐっと増えるので、有料プランを使うのであれば中途半端であることも確かです。配信可能メール上限も登録できるアドレス件数の10倍となっています。頻繁にメール配信を行うことが予想されるのであれば、その辺りにも注意が必要です。
MailChimpの料金「Standardプラン」
MailChimpの基本機能がしっかりと使えるStandardプランですが、先ほど紹介したEssentialsプランと比較して使えるようになった特筆すべきポイントをまとめてみました。
- 送信時間最適化
- より詳細な行動分析
- テンプレートのカスタム
- SNS投稿のスケジューリング
- Dynamic Contentが利用できる
- 高度なカスタマージャーニー機能が利用できる
Standardプランではよりマーケティングに役立つ機能が追加されます。送信時間の最適化やDynamic Contentは自動で読者の反応が良いメール配信時間やコンテンツ内容を分析してくれる機能で、効率的なメール配信の手助けをしてくれるでしょう。
カスタマージャーニー機能とは、一連のマーケティング活動を自動化できる機能で、工夫次第でかなり応用の効いた作業の自動化ができるようになります。
例えば「フォームからのメルマガ登録→顧客リストに登録→thank youメールの送信→反応有りの場合は販促メール、無しの場合は1週間後にメール→…」といったようなマーケティングの流れを自分で作成することができるのです。
上記画像の通り、Standardプランから「Multiple Starting Points(複数の起点作成)」「Branching Points(分岐点の作成)」「Pre-Built Journeys(テンプレートの利用)」が可能になります。
複数の分岐を用意できるということはマーケティングにそれだけ多くの策を用意できるということです。また、数多く用意されているカスタマージャーニーのフォーマットをそのまま使えるようになるので、1から作るのが難しいという方でも気軽に利用できるようになります。
このように、より専門的なメールマーケティングができるようになるのがStandardプランです。管理画面が全て英語というハードルはありますが、MailChimpは日本での利用者が多くシンプルなインターフェースなので調べながら利用すれば慣れるのは早いと思われます。
MAツールとしても利用ができるプランですが、専門性が高いので使いこなすには時間がかかります。多くのメールを迅速かつ確実に届けたいという目的でメール配信システムを選んでいるのであれば利用する必要は無いかと思います。
MailChimpの料金「Premiumプラン」
企業向けになるのが「Premiumプラン」です。Premiumプランで増える特徴的な機能は以下のようなものがあります。
- 多変量テスト
- 電話サポート
- 無制限のアカウント権付与
- 比較報告
Premiumプランから、電話でのサポートやメールの効果を比較したレポート、無制限のアカウント付与と、より本格的で多人数での利用を想定した機能が付いてきます。
多変量テストとは、複数の組み合わせ(ヘッダー、フッター画像など)の中でどのパターンが一番効果が出るのかを測るテストです。ABテストと異なるのは、パターンの効果的な「組み合わせ」を割り出すことができるという点です。
アカウント数やサポートの手厚さからより細かなメールマーケティングができるプランです。Premiumプランの最低価格は34,500円ですが、そのコストであればStandardプランでアドレス件数50,000件まで対応することができます。
配信数や管理する人数の兼ね合いをみて適切なプランを選択するのがポイントです。
都度払い制度もあり
MailChimpの基本料金プランは先ほど紹介した4つのプランですが、月額制ではなく従量課金制でも利用できます。
「Pay As You Go(使った分だけ)」というプランが存在します。上記はその料金ページです(日本語翻訳しています)
1クレジットで1通のメールが送ることができますが、最低プランである5000クレジットで24,000円程度と少々割高です。メール配信の機能としてはEssentialsプランと同等のものが使えるようです。
毎月のメール配信は無いが特定の時期にだけ配信が必要だったり、イベント毎がある場合には都度利用も視野に入れても良いかもしれません。
MailChimpの適切な料金プランの選び方
以上を踏まえて、MailChimpの適切なプランの選び方のポイントを最後に解説します。
料金体系や機能が様々ありますので、ぜひ自分にあったプラン選びの参考にしてくださいね。
顧客件数で選ぶ
冒頭で解説したように各プランで登録できる件数と1ヶ月あたりに送信できる上限が決まっています。
- Freeプラン→2,000件まで(10,000通)
- Essentialsプラン→50,000件まで(登録可能件数の10倍)
- Standardプラン→100,000件まで(登録可能件数の12倍)
- Premiumプラン→130,000件以上〜(登録可能件数の15倍)
まずは、自身の顧客件数と1ヶ月に送りたい上限の送信数をしっかりと把握しておきましょう。また料金は、同じプランでも登録できる件数によって金額が変わります。
高機能でメールマーケティングも可能なMailChimpですが、顧客件数あたりの価格で見るとコスパは悪くなります。
例えば、国内でのメール配信業界シェアNo.1のブラストメールでは、登録可能アドレス件数5,000件、配信上限無しで4,000円から使うことができます。(MailChimpのスタンダードプランだと8,650円)
マーケティング機能で選ぶ
Standardプラン以上になると、メールマーケティングの手助けをしてくれる機能を多く使うことができます。
前提として英語による管理画面やサポートに抵抗が無い、その上でステップメールの自動化や、メールの構成による効果分析など高度な機能を使用したいという方はStandardプラン以上をおすすめします。
メール配信システムがどのようなものなのか体験してみたい、とりあえずメール配信ができれば良いというのであればFreeプランでも十分です。Essentialsプランは正直なところ、価格、搭載機能ともに中途半端な立ち位置になるので、有料プランにするならStandardプラン以上が良いのではないでしょうか。
メール配信の専門家としては「どうせ導入するならいろいろなことができる高機能なものにしておこう」という考え方はあまりおすすめではありません。
特に初心者の方の場合「機能がありすぎて結局使いこなせない」「導入してみたもののメール配信機能しか使っていない」ということが多くあります。
「こういったマーケティングを行いたい、そのためにこの機能を使用したい」という明確なビジョンが無い限りはシンプルで使いやすいメール配信システムを選ぶことをおすすめします。
ましてやMaiChimpはサポート、管理画面ともに全て英語なので何かトラブルがあった場合に面倒なので注意が必要です。
まとめ
MailChimpは高機能で、価格も比較的安価でコストパフォーマンスの高いメール配信システムです。英語というハードルさえクリアできれば選択肢の一つとして考えている人も多いのではないでしょうか。
ただし、メール配信システムを初めて導入しようと考えており、特に高度なマーケテイング活動をシステムを通して行うことをイメージできていないのであれば、サポートが充実しており使う機能に対して費用が合っているシステムをおすすめします。
こちらの記事では、有料から無料で使える定番のメール配信システムをまとめています。ぜひご自身に適切なメール配信選びの参考にしてみてくださいね。
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