メルマガの配信をしている方は、以下のような課題を感じたことはないでしょうか。
- メルマガの件名(タイトル)が決まらない
- 読者のニーズに応えるメルマガを作れている自信がない
- コンバージョンや資料請求に繋がらない
メルマガの配信で集客効果を出すには、上記のような課題を改善し続ける根気が必要ですが、読者の反応を可視化することができなければ改善も難しいものです。
読者の反応を把握し、メルマガの集客効果をアップさせるための施策として「ABテスト」が挙げられます。
この記事では、メルマガ集客をしている方に知っておいていただきたい、ABテストの概要や実際の使用方法について解説をしています。
また、なぜABテストを実施する必要があるのか、実際にABテストを行う際はどのような点に注目して実施すべきなのか、といった部分についても解説しています。
集客効果のあるメルマガを配信するためにもぜひご覧ください。
メルマガ配信時に利用されるABテストとは?
ABテストとは、メルマガだけでなくランディングページ(LP)や広告のクリエイティブ改善にも使われている手法です。
具体的には、パターンの違うコンテンツを用意し、同一条件でコンテンツを配信・表示させ、どちらのコンテンツが優れているのかを科学的に検証する方法です。
検証の方法や結果については統計学に基づいて有意差が明確にし、結果が誤差の範囲なのか有意差が出ているのかを確認します。
もう少し噛み砕いて解説しましょう。
上の画像のようにA・Bの2種類のメルマガを用意し、読者の反応をチェックします。
読者の反応として、数値化される項目は以下のようなものです。
- 開封率(どちらのコンテンツの方が開封されたか)
- クリック率(どちらのコンテンツのURLの方がクリックされたか)
- コンバージョン率(どちらのコンテンツの方がサービスが成約したか)
ABテストをする際は、配信対象(配信グループ)や配信日時は同一のものにしてメルマガを配信するのが一般的です。
配信グループが変わると、受信者の興味関心などの属性も変わってしまうため、コンテンツのデザインや件名に注目した検証としては充分な効果を得られません。
上記のような条件を揃えてABテストを実施することで、純粋にコンテンツに対する読者の反応を把握することができ、どちらの方が効果が高いのかが明確になります。
しかし、同じ配信グループに対して全く別のサービス・商品の販促を行い、配信グループごとの興味関心をチェックするという目的でABテストを行う場合もあります。
大前提としてABテストはHTML形式のメールでなければ実施することができません。
HTMLとはウェブ上の言語のことで、HTMLを使ったメールは「HTMLメール」と呼ばれています。
HTMLメールと比較される形式のメールとして挙げられるのが「テキストメール」で、両者を比較した際の違いは以下の通りです。
- ABテストのような配信したメールに関するデータを取得できる
- コンテンツ内に画像やボタンを配置できる
- 文字のサイズや色を変更できる
HTMLメールによるメルマガ配信は上記のようなメリットが得られるため、HTML形式でメルマガを配信する集客が主流になっています。
HTMLメールの作成は、IT関係の知識や技術が必要になりますが、ほとんどの企業では「メール配信システム」を利用してHTML形式のメルマガを作成・配信しリソースを削減しています。
メール配信システムに関する解説は、本記事の後半でも行っているので、ぜひ最後までご覧ください。
ABテストの目的
メルマガの配信におけるABテストの目的は、メルマガの効果検証や改善です。
メルマガでABテストを行う目的は、基本的に以下のコンテンツそれぞれの最適化です。
- 件名
- 配信時間
- 配信日時
- ファーストビュー
- メルマガの本文
- メルマガのCTA
上記の要件について仮説を持って2つのコンテンツを作成・配信し、読者の反応を確かめます。
ただし、複数の用件に対してABテストを実施してしまうと、得られた結果がどの要因によって影響を受けたのかが分からなくなってしまうので注意が必要です。
ABテストを実施する際は、上記の項目から1つに絞り効果検証を行うようにしてください。
つまり、ABテストで1度に検証できる範囲は限られており、何を最適化させたいかによって行うテスト内容は異なってくるでしょう。
ABテストをする際の注意点
メルマガに関わらずABテストは、必ず仮説を立てた上で実施するようにしましょう。
AとBの違いが漠然としていると、テストの結果が出た時に次のコンテンツに活用することが難しくなってしまい、実施するメリットが充分に得られません。
メルマガでABテストを行う際に検証するポイント
ここからは、実際にメルマガでABテストをする際に、検証をすべきポイントについて解説をします。
コンテンツの集客力アップのために、どの部分を変更してメルマガの配信をするか把握しておきましょう。
件名
メルマガの件名は開封率に大きく関わっています。
従来のメルマガで使用しているような件名でコンテンツAを配信し、コンテンツBでは以下のような点を意識して件名をつけてみましょう。
- ターゲットが明確か
- 内容やベネフィットが一目でわかるようになっているか
上記を抑えた件名をつけることで、メルマガの開封率アップが期待できます。
例えば、以下の2つの件名を比べたときに、どちらの方が開封率が高くなるでしょうか。
- 本日まで夏物セール実施中!
- 【本日最終日】最大20%OFF!ウェブ会員限定サマーセール開催中!
初めのものと比較して2番目の件名では「ウェブ会員限定」「20%」などの具体的なターゲット・ベネフィットを提示しています。
件名をつける際は、受信者がメルマガに興味を持つような内容を考えましょう。
差出人
差出人とは、メールの送信者として受信者のメールボックスに表示される名前です。
件名と同様で開封率に影響がある部分です。
差出人はメールアドレスと一緒に表示されるので「株式会社〇〇<aaa@aa.com>」のようなビジュアルになります。
メルマガ集客に力を入れている企業では、差出人は会社名ではなく個人名が先に記載されるように工夫をしています。
- 株式会社〇〇<aaa@aa.com>
- 佐藤 ◇◇(株式会社〇〇)<aaa@aa.com>
メルマガを受信している方の中には、差出人がショップや企業名になっているだけで読まずに放置してしまう方もいるそうです。
社名や店舗名を意識させてしまうと、過度な広告感を受信者に感じさせてしまう場合もあるようなので、担当者名などを使用したコンテンツを用意しABテストを実施しましょう。
ファーストビューの内容
メルマガのファーストビューはクリック率に影響します。
読者がメルマガを開封した際に表示される部分なので、興味・関心を引き立てることができるような画像を用意しましょう。
メルマガによってはファーストビューに設定した画像にURLを設定し、読者の興味が薄れないうちにURLをクリックさせる場合もあります。
以下の記事では、人気なメルマガのデザイン紹介として、メルマガのファーストビューを閲覧できるサイトなどを紹介しています。
メルマガデザインの参考に使える!おしゃれなメルマガギャラリーサイト
真似することができそうなデザインを参考にしつつ、従来のメルマガと比較して効果検証をしてみましょう。
デザイン
訴求部分のクリック率は、ファーストビューも含めたメルマガ全体のデザインに影響されます。
「デザイン」と言っても検証できる点はたくさんあるので、以下のポイントを意識して一つずつABテストを使った検証を行いましょう。
- ボタンや画像などのURLのデザイン・位置
- 全体の雰囲気
- メルマガのボリューム
- 使用するフォントや色の数
メルマガのデザイン例として紹介されているようなコンテンツは、全てHTMLメールによるものです。
テキストメールとは違い、必ずしも訴求内容を文章で表現する必要がない一方で、画像やボタンを配置しすぎてしまうと雑多な印象を読者に与えてしまう恐れもあります。
先述した、ABテストの実施を含むメルマガ集客に利用されているメール配信システムでは、メルマガのテンプレートを提供しているものもあります。
すでに完成しているデザインなどを参考に、解説した点を意識してコンテンツを改善しましょう。
メルマガ配信でABテストを実施するメリット
ここからは、メルマガを使った集客でABテストを実施するメリットを解説します。
集客効果を数値化することができる
冒頭でも挙げていますが、メルマガのような集客媒体はABテストなどで読者の反応を数値化しなければ、コンテンツを改善することができません。
ABテストを行い、開封率やクリック率といった数値を把握することで、配信しているコンテンツが本当に集客効果を発揮できているのかが分かるようになります。
また、ABテストで得られた結果は、コンテンツを改善するための材料になります。
ABテストの実施と、その結果を次のコンテンツに反映させる作業を繰り返すことで、メルマガの開封率やクリック率の改善するための糸口が掴めるはずです。
手軽に実施することができる
メルマガのABテストは費用も人的コストも少なく、手軽に始められることができるというメリットもあります。
メルマガの配信をしている方であればご存知かと思いますが、冒頭でご紹介したメール配信システムの中には、ABテストを実施することができるツールを提供しているものがあります。
メール配信システムの利用にかかるコストは、機能や配信規模により異なりますが、月額4,000円〜10,000円程度で利用することができます。
ちなみにメール配信システムを利用したメルマガ集客は、ABテストを実施できるだけでなく、コンテンツのクオリティやセキュリティに関してもメリットがあります。
メルマガ集客をしてらっしゃる方の中には、GmailやOutlookといった無料利用が可能なサービスから配信をしている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、無料のメーラーからの配信では、ABテストが実施できないだけでなく、送信制限やセキュリティの観点からもオススメできません。
メルマガの集客効果を上げることはもちろん、お客様の個人情報を保護するという観点からもメール配信システムの利用を検討しましょう。
以下の記事では、オススメのメール配信システムをランキング形式でご紹介しています。
《2022年》定番のメール配信システムオススメ30選!無料から有料まで徹底比較しました
各メール配信システムの機能を表にしてまとめているので、ABテストを提供しているシステムも把握することができます。ぜひご参考ください。
メルマガ配信でABテストをするデメリット
メルマガ配信でABテストをするデメリットとして挙げられるのは、ABテストをすることにより金銭的なコストがかかる点です。
ABテストを実施するには、先述したメール配信システムを利用する必要があります。
ABテストをはじめ、メルマガ配信に便利なツールを使用することができるメール配信システムですが、できるだけコストが低い方が嬉しいのが正直なところでしょう。
メール配信システムにかかるコストを少しでも抑えるポイントは、自社のメルマガ集客に不要な機能を提供していないサービスを選ぶことです。
メール配信システムのコストは、配信件数や提供している機能によって変化します。
そのため、本当に利用するツールだけを提供しているメール配信システムを利用することがコストカットにもつながります。
ABテスト以外の機能でも読者の反応をチェックできる
メール配信システムが提供するツールの中には、ABテスト以外にも読者の反応を数値化することができる「効果測定」というものがあります。
効果測定は、HTML形式で配信されたメールの「到達率」「開封率」「クリック率」を数値化するツールです。
ABテストのように同時にコンテンツを比較・検証することはできませんが、同様の数値を把握することができるでしょう。
同条件でコンテンツを比較することができる、という点ではABテストがオススメです。
しかし、SaaSサービスを解説している「アイミツ」を参考にすると、効果測定を提供しているメール配信システムの方が、平均的に利用単価は安くなる傾向があるようです。
ABテストを提供しているメール配信システム | 効果測定を提供しているメール配信システム | |
サービスの平均単価(月額) | 約3,163円 | 約2,716円 |
メール配信システム | Mailchimp CuenoteFC オレンジメール など | blastmail WillMail さぶみっと!メール配信 める配くん など |
サービスの平均単価は、参考サイトの上位6つのメール配信システムの金額から算出しています。
先述の通り、メール配信システムのコストは配信規模や提供しているツールによって異なります。
メール配信システムをはじめ集客に必要なツールを選ぶ際は、集客効果はもちろんですがコスト面も比較対象として視野に入れなければなりません。
ABテストを提供しているメール配信システムが予算オーバーの場合などは、効果測定機能を提供しているメール配信システムも検討しましょう。
まとめ
メルマガ集客を行う上で、読者の反応を数値化し把握することは、コンテンツを改善し集客力をアップさせる上で必須の工程です。
ABテストは、仮説をもとにAとBのコンテンツを同一条件で配信し、仮説が正しかったのかを検証することでコンテンツの改善を計ります。
ABテストで数値化されるのは以下の3つです。
- 開封率
- クリック率
- コンバージョン率
これらの項目の数値をアップさせるために、件名やファーストビューの内容といった部分的な要素だけでなく、メルマガ全体のデザインなども視野に入れて検証をしましょう。
ABテストを行うには、HTMLメールを使用しなければならないため、メール配信システムを利用しての実施が現実的でしょう。
メール配信システムの利用にはコストがかかりますが、サービスを精査することで、コストを少しでも抑えてABテストを実施できるでしょう。
メール配信システムを検討する際は以下のポイントに注目してください。
- 使用する見込みのないツールを提供していないか
- 類似したメール配信システムでコストが低いものはないか
- トライアル期間があるか
メール配信システムの多くは、トライアル期間としてサービスを無料体験できる期間を設けています。
実際に導入する前に、使用感をチェックするという意味でもトライアルを申し込みましょう。
また、ABテストと同様に読者の反応を数値化することができるツールとして「効果測定」を提供しているメール配信システムもあります。
本記事でもご紹介しているメール配信システムランキングを参考に、自社のコンテンツの集客力をあげるパートナーを選別してみてください。