メール配信システムってどんな仕組み?メーラとの違いは?

メールの一斉送信をする際に便利な「メール配信システム」を知っていますか?

スマホの普及により、LINEやSNSアプリを使いのコミュニケーションをする頻度が格段に増えメールを利用する頻度は減っていると思われがちですが、それはあくまでもプライベートの話。

一般社団法人日本ビジネスメール協会が行った『ビジネスメール実態調査2020』によると、ビジネスシーンでのコミュニケーション手段は99.1%の方がメールと回答しています。

社内の簡単な情報共有であれば、SNSやチャットサービスを利用している企業も多いですが、社外へ向けた一斉送信はメールを利用するのが一般的なのがわかります。

しかし一方で、メールの一斉送信には、情報漏洩というリスクがつきまといます。

多くの企業は、自社による情報漏洩を避けるために様々な工夫を凝らしていますが、その中の1つがメール配信システムの利用です。

この記事で詳しく解説している「メール配信システム」は、メーラーを使った一斉送信と比較して、以下のようなメリットをもたらせてくれるツールです。

  • セキュリティ対策ができる
  • 到達率のアップ
  • 集客・マーケティングの効率化

情報漏洩への対策だけでなく、集客にも応用することができるメール配信システムの仕組みとはどんなものなのでしょう。

詳しく解説していきたいと思います。

目次

メール配信システムの仕組み

まずは、メール配信システムの基本的な仕組みについて解説しましょう。

メール配信システムには「オンプレミス型」と「クラウド型」があります。

それぞれについて詳しく解説します。

オンプレミス型

オンプレミス型のメール配信システムは、利用者がサーバーなどのメール配信環境を用意して利用する形態です。

後述するクラウド型とは違い、社内でデータの管理を行うためセキュリティが高くなります。

また自社開発の場合は拡張性の高さもメリットの一つです。

機能追加や改修要望に対して柔軟に対応することもできます。

しかし、メール配信システムの構築は単にサーバーやソフトウェアを導入するだけでは不十分で、配信先のキャリアに届きやすいようなチューニングが必須となります。

いくら配信できる環境ができても、相手先に全く届かないシステムならコストをかけた意味がないですよね。

仮にサーバーやアプリケーションを構築できたとしても、メール配信に対する知見が必要になり、全く新しく自社で配信基盤を構築するハードルは高いと言えます。

そのため、新しくメール配信システムを利用する企業は、これらのデメリットを克服しているクラウド型を選ぶケースが多いです。

以下のような条件を持っている企業は、オンプレミス型のメール配信システムが向いているかもしれません。

  • 高セキュアな要件が求められる
  • エンジニアリソースが豊富
  • 導入までに数ヶ月の時間がかかっても良い
  • 予算に余裕がある

メール配信システムだけでなく、様々なITサービスに当てはまることですが、利用者の環境に合わせてカスタマイズできるサービスは、導入に時間とコストがかかります。

そのため、オンプレミス型のメール配信システムようなツールは、予算や導入期限に余裕がある企業で採用される場合が多いです。

クラウド型

クラウド型のメール配信システムは、インターネットを経由して利用するツールです。

先ほどご紹介した、オンプレミス型のメール配信システムのデメリットを補うような仕組みで「手軽さ」と「コストの低さ」が特徴です。

感覚としては、スマホでアプリを利用するのと同じで、ネット環境とPCさえあればどこでも利用することができます。

GoogleやAppleなど、日本人にもユーザーが多いサービスでも、クラウドシステムを利用するケースが増えたので、馴染みのあるサービスの形態といえるでしょう。

1つのデータに複数のデバイスからアクセスすることが簡単なのは、メリットでもありますが、一方で外部からの侵入を許してしまう可能性もあり、クラウドシステムの懸念材料とされていました。

しかし、最近ではクラウドシステムの運営側が、高セキュアな通信やデータ管理を提供しており、安全面でのリスクはグッと軽減されました。

メール配信サービスのセキュリティ対策の仕組み

ここからは、メール配信サービスを使った際に得られるメリットとしてご紹介した、以下の点について、さらに詳しく解説しましょう。

  • セキュリティ対策
  • 到達率のアップ
  • 集客・マーケティングの効率化

まずは、メーラーを使った一斉送信と比較して、セキュリティが高くなる仕組みから解説します。

メーラーを使った一斉送信で、最もリスクとなるのが、「BCC」に設定してメールを配信すべきところを、誤って「TO」に設定しまう、アドレスの設定ミスによる誤送信です。

このようなミスは、手作業でアドレスを設定して行うことが原因で発生しています。

一方でメール配信システムを使った一斉送信は、リスト配信によって行われます。

「株式会社〜 〇〇プロジェクトチーム」や「人事部〇〇課」のように分類をしておくことで、意図しないアドレスに向けて送信するリスクも軽減させることができるでしょう。

「メーラーでも配信リストを作ることはできるんじゃ……」と思うかもしれませんが、メール配信システムのリスト配信には以下のような特徴があります。

  • 自動的にBCCに設定される
  • 無効なアドレスを自動削除する

設定したメールアドレスは自動的にBCCに設定されるので、誤ってTOやCCに設定してしまい、アドレスを流出してしまうリスクは無くなります。

また、無効なアドレスを自動削除してくれる点もメーラーにはないメリットでしょう。

メール配信システムを使った一斉送信では到達率が高くなる

次は、メールの一斉送信業務の効率に大きく関わる「到達率」が高い仕組みについて解説します。

「到達率」とは、配信したメールが正常に相手の受信ボックスに届いた割合のことで、{1-(エラーが戻って来たメールの数 / 配信したメールの数)}×100で求めることができます。

つまり、配信したメールの中に、メールアドレスが無効のものや、迷惑メールに分類されてしまったメールがあると、到達率が下がるのです。

メーラーはメール配信システムとは違い、無効なメールアドレスをリストから削除する機能はありません。

無効なメールアドレスに向けてメールの配信を続けていると、ブラックリストに登録される可能性もあります。

もし、ブラックリストに登録されてしまうと、一斉送信どころか通常のメール配信にも影響が出てしまいます

メール配信システムを使い、リストをクリーンな状態に保つことで、到達率を維持・増加させることができます。

また、メール配信システムには、DKIM署名という迷惑メール対策を施しているものもあります。

DKIM署名は、メーラーにはもちろん、メール配信システムにも実装されていないものがあります。

メール配信システムを利用する場合は、迷惑メール対策がしっかりなされているものを選ぶようにしましょう。

集客・マーケティングを効率化できる仕組み

メール配信システムは、業務の情報共有だけでなく、マーケティングに活用することもできます。

最後に、メール配信システムを集客やマーケティングに応用する機能に関して解説します。

メールを使った集客には、メールマガジンやメールマーケティングなどがあります。

これらの集客をする上で必要とされている機能には、このようなものがあります。

  • リスト配信
  • 予約配信
  • ターゲット配信
  • 効果測定

リスト配信と言っても、メーラーのようなものではなく、配信リストの情報をもとに設定した方にのみメールを配信する「ターゲット配信」機能があるものです。

ターゲット配信とは、配信リストの中でも「都内在住」や「女性限定」のように、ターゲットを設定した上でメールを配信できる機能です。

ターゲットを絞った配信をすることで、よりパーソナライズ化された情報を配信できるようになり、結果として集客効果をアップさせることができるでしょう。

また、メール配信システムには「効果測定」と呼ばれる機能もあり、メールを使った集客を成功させる仕組みとして活用されています。

効果測定とは、配信したメールの到達率や開封率、クリック率などを可視化する機能です。

効果測定機能がないと、配信したメルマガがどれだけ相手に開封されたのか、添付したURLがどれだけクリックされたのかを把握することができません。

メール集客に限らず、集客の施策は改善を繰り返して結果を出していくものです。

メルマガも配信をしたままの放置はせずに、メール配信システムの機能を使ってマーケティングに活かしましょう。

どんなメール配信システムを選べばいい?

メール配信システムの仕組みを解説してきました。

しかし「実際自社で採用するならどのサービスがいいの?」と感じている方も多いのではないでしょうか。

たくさんのメール配信システムがある中で、解説して来たようなメリットを得るために最低限必要な機能をチェックリストにしてまとめました。

メールは、連絡・集客に関わらず、相手のメールボックスに到達しなければ意味がありません。

業務に支障が出ないように、迷惑メール対策などの、到達率を下げない仕組みがあるメール配信システムを選びましょう。

また、集客でメール配信システムを使うのであれば、予約配信やターゲット配信、効果測定機能が必要です。

メール配信サービスの多くは、無料の体験期間を設けているものが多いので、そちらを利用し、想定している用途に便利な機能が備わっているか確認してみても良いでしょう。

まとめ

メール配信サービスには、セキュリティを高める仕組みだけでなく、集客やマーケティングに便利な機能を提供しているものもあります。

自社の想定している業務にあったサービスを見つけ、ビジネスに役立てましょう。

クラウド型のメール配信システムを採用すれば、オンプレミス型よりもリーズナブルに利用することができることも忘れてはいけません。

以下の記事では、メール配信システムの機能や価格を比較し、ランキング形式でおすすめのサービスをご紹介しています。

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この記事を書いた人

Email Rising編集部です。Email Risingではメール配信システムやメールマーケティングについてのお役立ち情報を発信しています

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