ビジネスの現場では感謝の気持ちを伝える機会が多くありますが、特にメールでお礼を表現するのは口頭で感謝を伝えるよりも難しく感じる方も多くいるのではないでしょうか。
「お礼メール」は、ビジネスの場で感謝の気持ちを伝えるための最適な手段の一つですが、ビジネスにおけるお礼メールの書き方は、一定のマナーや注意点があります。
そこで今回は、お礼メールの書き方のポイントと、様々なシーンで使えるメールの例文を紹介します。
無難なメールを送るだけでなく、スムーズに感謝の気持ちを伝えられ、その後のビジネスの発展にも繋がる可能性もあるので、ぜひ参考にしてください。
お礼メールのマナー・ポイント
訪問や商談の時間をいただいた際やサービスを契約してもらったときなど、様々なシーンでお礼メールを送ることがあります。
お礼メールを送る際には、以下の5つのポイントを確認するようにしましょう。
お礼メールは早めに送る
お礼メールはできるだけ早く送りましょう。
その日の午前の出来事に関する場合は当日の夕方までに、午後や夜の出来事であれば翌日の午前中までに送るのがベストです。
お礼の効果を最大限に引き出すためには、相手側にその出来事の余韻が残っているうちに送ることが重要です。
例えば、訪問のお礼を送る際には、帰社後すぐにお礼メールを送るべきです。お礼メールのスピードが早いと、相手は「この人は何でも早く対応してくれる」と感じ、成約率も上がるでしょう。
また、お礼だけでなく商談の内容をまとめた議事録や、次回のアクションなどを簡潔にまとめて送ると相手から喜ばれます。
メールの件名は簡潔にする
メールの受信相手が一目で内容を理解できるような簡潔な件名を心掛けましょう。
初めて会う相手やまだ関係性が構築されていない相手には、「昨日の◯◯の御礼/株式会社◯◯」のように、自分の会社名や名前を一緒に書くと良いでしょう。そうすることで、相手が何の用件か、誰からのメールかをすぐに理解でき、見落としを防ぐことができます。
一般的な「先日はありがとうございました」という件名よりも、具体的な日付や出来事を含めることで、相手に内容を明確に伝えることができます。
定型文をそのまま使わない
お礼メールはスピードを重視する一方で、定型文を使いすぎるのは避けるべきです。
相手に特別な思いを伝えるためには、自分の感想や思い出に残ったエピソードを盛り込むようにしましょう。相手があなたのために書かれたメールであると感じるようにするのがポイントです。
他の人が使う定型文とは異なり、自分だけが具体的なエピソードに触れていれば、より感謝を伝えやすくなります。
少し手間がかかるかもしれませんが、この差が後々の大きな違いを生むことを忘れずに実践してください。
「取り急ぎ」は使わない
「取り急ぎ、お礼まで」というフレーズはビジネスメールでもよく見かけますが、感謝の気持ちを伝えるお礼メールでは避けるべきです。
「取り急ぎ」という表現は、文字どおり「急いで」という意味を持ち、場合によっては失礼に感じられる恐れがあります。
自分が使う言葉の意味まで理解してから使う言葉を選択しましょう。お礼メールは感謝の気持ちを丁寧に伝えるために、適切な言葉選びが必要になってきます。
内容は具体的に書く
「ありがとうございました」の一言だけではなく、具体的に感謝の内容や打ち合わせの内容のまとめなどを伝えるようにしましょう。
何に対してのお礼なのか分かるよう、具体的に伝えると感謝が伝わりやすいです。
お力添えによって、無事〇〇できることになった、など印象に残るようなメールにすることが重要です。
お礼メールの締めに使えるフレーズ
お礼メールの締めのフレーズは、感謝の気持ちの度合いによって使い分けることができます。例えば、軽いお礼や親しい関係の相手には、「まずはお礼まで」といった軽い表現で締めくくれます。
さらに、深い感謝の意を伝える場合は、以下のような丁寧な表現を使って感謝の気持ちを伝えることができます。
- 厚く御礼申し上げます
- 心より感謝申し上げます
- ご厚情を賜り、誠にありがとうございます
- この度は心よりお礼申し上げます
また、返信不要の場合は、締めの言葉で返信が不要なことを知らせておくと親切です。
無理に「返信不要」という言葉を入れる必要はなく、その意図を含んだ言葉で締めくくれば相手に伝わります。
- 以上、何か質問がございましたらお知らせください。
- では、またこちらから連絡致します。
関連記事:ビジネスメールで使えるの締めの言葉9選【ケース別で紹介】
感謝を伝えるお礼メールの基本フレーズ集
「ありがとうございます」や「感謝いたします」を使うのもいいですが、感謝のフレーズを少し変えることによって、より感謝を伝えることもできます。
そこで、ビジネスの場面で感謝を伝える際に使える基本フレーズと例文を紹介します。
上司や取引先に感謝を伝える
- 厚く御礼申し上げます
- 心より感謝申し上げます
- ご厚情を賜り、誠にありがとうございます
- この度は心よりお礼申し上げます
- 深謝いたします
- 大変嬉しく思います
感謝を伝える際に「厚く」「心より」などで強調することによって感謝の気持ちを伝えることができます。
いつものお礼を伝える
- 日頃からありがとうございます
- 平素よりお引き立てを賜り、厚くお礼申し上げます
- 拝謝申し上げます
- 長らくのご愛顧、誠にありがとうございます
長く付き合いがあったり、お世話になっている場合には「日頃」「平素」などを活用しましょう。
また、「拝謝申し上げます」「ご愛顧」などより丁寧に感謝を伝えることができます。
謝罪を入れたお礼
- 〜にもかかわらず、寛容な言葉をいただき感謝申し上げます。
- ご配慮いただき誠にありがとうございます。
ビジネスでは、お礼同様に謝罪をメールで伝えることもあります。相手から暖かい言葉をもらった際には「寛容な」「寛大な」というフレーズが活用できます。
相手から了承いただいた場合には「ご配慮いただき」といったフレーズでお礼を伝えることができます。
コピペで使えるお礼メールの例文
お礼メールの例文を紹介していきます。ケース別に例文を記載していますので、該当する項目の文章をぜひ参考にしてみてください。
いずれもコピペで使える例文となっています。用途に合わせて、アレンジなどをお試しください。
訪問のお礼メール文例
件名:先日の打ち合わせの御礼
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。
株式会社◯◯の〇〇です。
昨日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
提案させていただきました◯◯について、詳しくお話をお伺いすることができ大変参考になりました。◯◯様よりお聞きしたご要望やご意見をまとめた上で、改めて本企画を進めて参りたいと思います。
もし、追加のご要望やご質問などがございましたら、私までご連絡いただけましたらすぐに対応いたしますので、遠慮なくご連絡くださいませ。
それでは、今後ともよろしくお願い申し上げます。
会食のお礼メール文例
件名:会食の御礼
株式会社◯◯
◯◯様
いつもお世話になっております。
株式会社◯◯の〇〇です。
昨日は会食の席にご招待いただき、誠にありがとうございました。
あのような格式高いお店で、おいしい食事をいただきながら、素敵な時間をご一緒させていただき大変うれしく思います。
貴社の現状や◯◯様の会社に対する思いなど貴重なお話を拝聴でき、大変勉強になりました。
今後とも、変わらぬお付き合いをどうぞよろしくお願いいたします。
営業後のお礼メール文例
件名:ご訪問の御礼/株式会社〇〇 〇〇
株式会社◯◯
〇〇部 ◯◯様
お世話になっております。
株式会社◯◯の◯◯です。
本日は突然の訪問にも関わらず、ご対応いただき誠にありがとうございました。
◯◯様からご指摘いただいた件ですが、上長と相談いたしまして来週の◯◯曜日までにご回答させていただきます。
これから、◯◯様のお力になれるよう全力で努めてまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
まとめ
ビジネスメールのマナーやお礼メールの例文を紹介しました。
文例を知ったら、自分の言葉で書くことが大切です。具体的なエピソードを交えて書くと、気持ちがより伝わります。
お礼メールの基本は、早く送ることと相手に感謝の気持ちが伝わるように定型文にならないように具体的に書くことです。
手間がかかるかもしれませんが、相手に合わせて具体的にお礼メールを書くことはビジネスを円滑に進めるための大切な要素です。
この記事で紹介したポイントを踏まえ、相手に感謝が伝わるお礼メールを心掛けましょう。