近年、費用対効果が高いマーケティング施策として注目されているのが「メルマガ」です。
メルマガやメールと聞くとどこか古いツールのように感じますが、実はそんなことは一切ありません。むしろ、チャットやLINEのような気軽なコミュニケーションツールが増えてきたこともあり、ビジネス用の連絡手段としてメルマガが見直されています。
特にBtoBのビジネスにおいてはまだまだメールを使った連絡が主流です。一般社団法人日本ビジネスメール協会が2022年に実施した調査によると、メール利用において1日平均は送信「16.27通」、受信「66.87通」だと言われています。
そこで今回は、メールを活用して成果を上げるのに必須なメールマーケティング、その基礎となるメルマガの作り方を初心者でもわかりやすいように丁寧に解説します。
本記事を読むことで誰でも70点以上のメルマガが作れるようになるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
メルマガの作り方の基本
メルマガの作り方を紹介する前に、改めてメルマガの基本的な知識を解説します。
メルマガのメリット・デメリットの他に、メルマガ配信の目的など。この部分を理解しておかないと良いメルマガを作ることは不可能と言っても過言ではありません。
それではさっそく解説していきましょう。
メルマガとは
メルマガとは、企業やWeb、ECサイトの運営者などから購読を希望するユーザーに対して定期的に一斉配信されるメールのことです。
発信側が知らせたい情報を任意で配信出来るという特徴があり、配信する時間やタイミングなども自由に選択することが出来ます。配信はメールソフトや専用のメール配信システムで行い、ユーザーのスマホやパソコンに届きます。
例えば、あるレストランが新メニューやキャンペーン情報を顧客に定期的に知らせるためにメルマガを利用しているとします。このメルマガにより、顧客は常に最新情報を入手でき、レストランは顧客の来店を促すことができます。
このように、メルマガは情報の発信や顧客との関係構築に有効なだけでなく、その運用方法によってはビジネスの成果に直結してくるため非常に重要なツールと言えるでしょう。
メルマガのメリットとデメリット
メルマガのメリットは様々あります。特に以下の5点はメルマガが多くの企業から利用されている要因となります。
- タイムリーな情報提供が可能
- 顧客との直接的なコミュニケーションがとれる
- 効果測定が簡単にできPDCAを回して成果を上げやすい
- 費用対効果が安く誰でも始めやすい
- 初心者でも一定の効果が得られる
一方で、デメリットも存在します。
配信リストの管理、スパムメールとの差別化、内容作成の手間など。ただし、これらのデメリットはメール配信システムなどの専用ツールを使うことで解消できます。
関連記事:メール配信システムとは?システム導入するなら必須の機能をまとめました
メルマガの効果的な運用を実現するためには、そのメリットを最大限に活用しつつ、デメリットを適切に管理することが重要です。
メルマガ配信の目的を明確にする
メルマガを「なんとなく」で始めてしまっている人は意外と多いです。「みんながやっているから」「マーケティングのコンサル会社に勧められたから」など。
メルマガ配信の目的は具体的に以下のようなものが挙げられます。
- 顧客とのエンゲージメントを高める
- 見込み顧客を商談や売上につなげる
- 営業を効率化しリソース不足を解消
など。昔は一斉連絡や通知目的で使われることも多かったメルマガですが、昨今では広告や宣伝目的で使われるケースが多くなっています。
また、営業やマーケティングにおいては短期的に成果を求めるのではなく、中長期的に顧客との関係性を築くことが成功の秘訣と言えるでしょう。
メルマガの配信ターゲットを決める
メルマガ配信において、ターゲットの明確化は不可欠です。
適切なターゲットを設定することで、メッセージが届くべき読者に確実に届くようになり、効果的なコミュニケーションが可能となります。
例えば、あるアパレルブランドが新商品の発売情報を伝えるメルマガを配信する場合、そのブランドのターゲットとなる年齢層、性別、趣味・興味などを考慮した上で配信リストを作成します。そうすることで、新商品に対する関心が高いであろう読者にメールが届くようになり、開封率やクリック率が向上します。
ただし、ターゲットを細かく絞りすぎるとリスト不足や配信の手間が肥大化してしまいます。最初は潜在顧客と顕在顧客の大きく2つに分類するのが良いでしょう。
まだ商品やサービスを購入していないが、今後購入する可能性が少しでもある人のこと。潜在顧客に対して、商品やサービスの魅力や他サービスと比較した時のメリットなどを伝えることで、購買意欲を高めることができます。
既に商品やサービスを購入したことがある人のこと。または、購入の見込みが高い人のこと。顕在顧客に対して、商品やサービスの詳細情報やキャンペーン情報を提供することで購買を促進できます。
メルマガのコンテンツ作成方法
それではここからは実際にメルマガのコンテンツ作成方法をお伝えしていきます。
誰でも実践しやすい内容となっているので「メルマガのネタが無くて困っている」「どんな内容を配信すれば良いかわからない」とお悩みの方はぜひ参考にしてください。
ブログや営業資料を細分化する
ブログや営業資料は、既に存在する情報を再利用して効率的にメルマガのコンテンツを作成するためのネタとなり、この方法が最も簡単です。
例えば、ブログ記事やコラムを更新した際にメルマガで紹介する場合、1記事に対して1メルマガ配信することが多いです。しかし、1記事に対してコンテンツが1つでないといけない訳ではありません。
実際は1記事を3コンテンツでも4コンテンツでも細分化して良いですし、そうすることでメルマガ作成の効率は圧倒的に上がります。以下のような資料は細分化が可能です
- 営業資料
- 製品資料
- 会社案内
- ブログ記事
- コラム
- 導入事例 など
このように、既存のブログ記事や営業資料を再利用することで、効率的に質の高いメルマガコンテンツを作成することができるのです。
過去配信したメルマガを再利用する
過去に配信したメルマガを再利用することでコンテンツ作成の負荷を軽減することができます。
同じ内容のメルマガを配信することに抵抗や罪悪感を感じるかもしれませんが、まったくもって問題ありません。
メルマガの平均的な開封率は20%ほどです。つまり80%の人はあなたの過去のメルマガを読んでいません。内容はそのままで、メルマガのタイトルだけ変更するなど、工夫はしつつ再利用をしてみましょう。
たとえば、14年連続顧客導入シェア1位のブラストメールでは配信から3ヶ月に同じ内容で3回メルマガを配信しても開封率や反応率は大きく変わらなかったようです。
過去に配信したメルマガを再利用することは、新規コンテンツの作成にかかる時間と労力を大幅に節約する効率的な手法と言えるでしょう。
調査データやプレスリリースの活用する
調査データやプレスリリースは、最新の情報や信頼性の高いデータを提供することで、メルマガのコンテンツの価値を高める有効な手段です。活用しやすいデータは以下の3つ。
- 調査サイト
- プレスリリース
- 同業界のメディア
調査サイトであれば「e-Stat」「調査のチカラ」、プレスリリースであれば「PR TIMES」「@Press」などが使いやすく利用しやすいデータや豊富です。ぜひ活用してみてください。
このような調査データやプレスリリースを活用することで、読者に対して信頼性の高い情報を提供し、メルマガの価値を上げることができます。ただし、データなどを使う場合は引用元を明記するようにしましょう。
キーワードから読者のニーズを確認する
キーワードの種類やボリュームなどを確認することで、読者が興味を持っているであろうテーマを把握し、そのテーマに沿ったコンテンツを作成することが可能となります。
上記のサイトを使うことで関連キーワードや検索回数が多いキーワードなどを抽出することができます。
少し中級者から上級者向けですが、キーワードのニーズを確認することは、読者の関心を反映した効果的なメルマガコンテンツを作成するための重要な手段ですのでぜひ実践してみてください。
メルマガ代行のサービスを活用する
メルマガ作成や配信は手間と時間がかかります。そのため、メルマガ代行サービスを活用するのもひとつの手です。
メルマガ代行を活用することで、手間なく品質の高いメルマガを継続して配信することが可能です。ただし、業者の選定などには十分に必要となります。代行を依頼するときは以下の3点に注意しましょう。
- 個人情報の取扱いに注意する
- ディレクションなどの業務は発生する
- 自社運用と比べるとコストが割高になる
おすすめの代行サービスは「メルサポ」です。メルサポは煩雑になりがちなメルマガを月額4万円でまるっとお任せできるオールインワンメールマーケティングサービスになります。
メルマガ配信の全業務を任せることができるので「リソースがない」とお悩みの方にぴったりのサービスです。
メルマガの配信準備
メルマガを配信する前に知っておくべきことがいくつかあります。本パートでメルマガを実際に作成して配信する前の準備で必要なことをご紹介します。
メール配信に関する法律を把握する
法律違反による罰則や信頼失墜を防ぐためには、メール配信に関する法律、特にスパムメールに関連する法規制を理解し、遵守することが重要です。
必ず知っておいて欲しいのが以下の2つです。
- 特定電子メール法
- 個人情報保護法
具体的には、適切な配信リストの管理、プライバシーポリシーの公開、適切なオプトアウト(退会)手続きの設定など。詳しい内容は下記記事を参考にすると良いでしょう。
「特定電子メール法」とは?違法にならないためのポイントを理解しましょう!
配信リストを集める
メルマガの効果を最大化するためには良質な配信リストを集めることは欠かせません。リストの熱め方は下記のような方法があります。
- Webサイト内にメルマガ登録フォームを作る
- ホワイトペーパーを作成して公開する
- Facebook広告を活用する
- 営業部門の名刺を集める
- ウェビナーを開催する
- 展示会に参加する など
良質なリストを大量に集めるのが理想ですが、リストの質と量はトレードオフの関係にあります。自社のリスト状況を鑑みてどちらを重視するか決めてリストを集めるようにしましょう。
また、配信リストの質と量は、メルマガ施策の成功可否に直結するため、効果的な手法を用い継続的に取り組むことが重要です。
配信手法を決める
メルマガには「テキストメール」と「HTMLメール」の2つの配信手法があります。
テキストだけでなく画像やリンク・ボタンなどを含むメール形式のこと。最大の特徴はメール受信者に対して文章だけでなく、ビジュアルで訴えるメッセージングが可能であること。視覚的に訴えることで受信者が情報を理解しやすく、行動に移しやすいというメリットがあります。
上述したように最近では広告や販促目的のメルマガ配信が増えています。その場合はHTMLメールが必須と言っても過言ではありません。
また、メールの開封率を計測するためにはHTMLメールで配信する必要があるのでメールマーケティングを実践したい場合はHTMLメールで配信するようにしましょう。もちろん、HTMLメールを使ってテキストメール風に送ることも可能です。
また、HTMLメールを配信する場合はテンプレートを活用することで高いクオリティを保ったまま、効率的にメルマガの作成ができます。下記記事で詳しく解説していますのであわせてご確認ください。
関連記事:【無料で使える】HTMLメールのテンプレートおすすめ10選
配信ツールを選定する
品質の高いメルマガを作ったとしても配信をスムーズに行えなければ意味がありません。そのため、信頼性、使いやすさ、機能性を兼ね備えたメール配信システムの選定が重要です。
ツールによっては最初からHTMLメールのテンプレートを搭載しているものもあります。
最初はテンプレートを活用してメルマガを作成することをおすすめします。メルマガの作成に慣れてきたら自由にメールを作成し、より自社にあったコンテンツを読者に提供できるよう配信しましょう。
また、以下の記事ではおすすめのメール配信システムを詳しく紹介していますので参考にしてください。
メルマガ配信の具体的な手順
ここからは実際にメルマガを配信する際の手順を紹介します。かなり細かい部分にも踏み込んでいるため、以下5つのパートに分けて解説します。
- メルマガ配信リストを確認する
- メルマガのタイトルを決める
- メルマガの本文を執筆する
- テスト配信で内容をチェック
- 効果測定を行い配信後はPDCAを回す
メルマガ配信リストを確認する
メルマガ配信前には、配信リストの整備が必要です。メールアドレスの有効性や、オプトイン・オプトアウトの状況を正確に把握しましょう。
前述の配信準備のパートでもお伝えしたように、自社で適切な方法で獲得したリストであれば配信しても問題ありません。
もし「いつ誰が獲得したリストかわからない」など自信が無い場合は配信しないほうが良いでしょう。ブラックリストに登録されてしまうなどの危険性があります。
ブラックリストに登録されてしまうと、メールが届かなくなるなどのリスクもあるので注意が必要です。
関連記事:メール配信のブラックリストとは?解除申請と登録の回避方法を解説
メルマガのタイトルを決める
メールの開封率に大きな影響を与える要素の一つがタイトルです。メール受信者の関心を引き、開封へと導く魅力的なタイトルを考えることが重要です。開封率を上げるコツは以下のようなものがあります。
- 具体的な数字を入れる
- 希少性や限定感を出す
- とにかく具体的にする など
どんなに有益なメルマガを作っても開封されなければ意味がありません。自社のターゲットにとって魅力的なタイトルを考え開封率を上げれるよう工夫をしましょう。
また、メルマガの開封率の目安は20%です。もちろん、配信リストによって開封率は変わってきますが、まずは20%以上を目指して様々なタイトルを試してみましょう。
おすすめ資料(無料):魅力が伝わる「メルマガタイトル」の付け方
メルマガの本文を執筆する
メルマガの本文は、読者に価値を提供し、アクションを促すためのものです。コンテンツの構成、文章の構造、言葉遣いなど、細部まで気を配った執筆が求められます。
メルマガの本文を書く際はPREP法を意識すると良いでしょう。
わかりやすい説明の構成を作るためのモデルで、プレゼンテーションや上司への報告、文書作成など、あらゆるビジネスシーンで使える汎用性の高いフレームワークとして活用されています。
PREP法は結論から伝える文章構成で、伝えたい内容について、以下の順番で文章を作成します。
この構成に沿ってメルマガを作成するだけで、誰でも70点以上の文章が作成できます。文章はたくさん書くことで上達しますから、まずはPREP法を意識してたくさんメルマガを書いてみましょう。
テスト配信で内容をチェック
メルマガを実際に配信する前に、テスト配信を行って内容をチェックしましょう。誤字脱字やリンク切れなどの問題を未然に防ぐことができます。
例えば、自分のメールアドレスに対してテスト配信を行い、受信したメールのレイアウトやリンク、文章内容などを確認します。
特にメルマガ内に会社名や氏名を差し込む場合は注意しましょう。設定を誤って配信してしまうと個人情報漏洩の危険性があります。
効果測定を行い配信後はPDCAを回す
メルマガ配信の効果測定とPDCAサイクルの適用は、成功するメルマガ運用に不可欠なプロセスです。配信後の分析によって得られるデータは、次回の配信計画や改善策を立案する上で有益な情報を提供します。
そのためには以下の情報を取得するとよいでしょう。
- 到達率
- 開封率
- クリック率
- 反応率
- 解除率
この中でも特に改善しやすいのが、開封率とクリック率です。配信結果を元に開封率とクリック率のPDCAサイクルを回すことで立派なメールマーケティングになります。
メルマガの作り方まとめ
ここまで、メルマガの基本情報からメルマガの作り方についてまで詳しく紹介してきました。
- 明確な目的の設定
- ターゲットの選定
- コンテンツの作成方法
- 配信準備
- 具体的な配信手順
- 配信後のフォローアップ など
メルマガを作るためにはたくさんのプロセスが必要となります。一見複雑に見えますが、それぞれのステップを理解し、具体的な実行に移すことで、企業は有効な顧客コミュニケーションを実現できます。
その結果、メルマガは企業のビジネス戦略を強化し、成長を促進する重要なツールとなります。これら各ステップを効果的に進めることができると、ビジネスの成長を後押しする強力なツールとなります。
また、今回ご紹介したメルマガ配信を実現するためにはメール配信システムの利用が不可欠になります。たとえば、開封率やクリック率の計測など。
メール配信システムを活用することでメルマガ配信の最適化や効率化を実現していきましょう。おすすめのシステムは以下の記事で解説していますので参考にしてください。