社会人としての基本的なマナーとして、メールの送信時には相手の立場や心情に配慮することが求められます。
しかし、社外へのメール対応は慣れない場面で、失敗してしまうことも少なくありません。その中でも、「夜分遅くに失礼します」は、特に難しい表現の一つです。
この表現を使う場合には、相手に対して失礼な態度を取ることがないように正しい使い方とマナーを把握することが必要になってきます。
本記事では、メールで失敗しないための、夜分遅くに失礼しますの正しい使い方とマナーについて解説します。
完全コピペOKな例文もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
「夜分遅くに失礼します」は何時からが使うのが適切?
メールのマナーとして、一般的には相手に迷惑をかけないようにするために、夜遅くなどの特定の時間帯を避ける必要があります。
急ぎの要件など、どうしても連絡が必要な場合は「夜分遅くに失礼します」という一言を添えてメールを送りましょう。
また、「夜分遅くに失礼します」を使うべき、具体的な時間帯に関しては厳密な決まりはありませんが、一般的には「夜分」は22時以降と言って差し支えないでしょう。
しかしながら、相手の勤務時間やライフスタイルによって配慮が必要となってきます。相手が休んでいると周知されているのに、その時間帯にメールを送ることは失礼にあたります。
22時以降よりも早い時刻でも、退勤していている可能性がある場合は「勤務時間外に大変申し訳ありません」など、配慮した言葉使いにしましょう。
夜分遅くに送るメールの注意点
基本的に夜分遅くに送るメールは、相手への配慮を欠いてしまっています。そのため、できる限り緊急性が高い内容以外は送らない方が望ましいです。
それでも夜分遅くに相手へのメールを送る場合は、相手への配慮と適切なコミュニケーションを心がけましょう。
以下に、夜分遅くに送るメールの際に留意すべき点を詳しく説明します。
メールの重要度を明確に伝える
夜分遅くに送るメールが緊急である場合でも、相手にその重要性を明確に伝えることが大切です。件名や本文の最初に「緊急」といったキーワードを使用し、相手が素早く対応できるようにしましょう。
また、なぜ夜分遅くにメールを送ったのかの理由を明記するようにしてください。できるだけポジティブな理由を添えることで相手の心象もよくなります。
- 〇〇様にはいち早くお伝えしたく
- 貴社にとって、とても重要な内容ですので
- 失礼とは理解しつつも、どうしてもお伝えすべきと考え など
上記内容では相手にメリットを伝えたりポジティブな表現を利用しています。夜分のメールは相手にネガティブな印象を与える可能性があるからこそ相手に配慮をしたメールを送るようにしましょう。
メールの長さと内容を考慮する
夜分遅くに送るメールはできるだけ簡潔にまとめ、必要な情報のみを伝えるようにしましょう。
冗長な説明や長文のメールは相手に不快感を与えてしまうだけでなく、睡眠やリラックス時間を妨げる可能性があるため、メールの長さや内容にも注意が必要です。
- 相手への尊重と配慮
- 効率的なコミュニケーション
- 受信者の心理状態
上記3点を考慮し、夜分にメールを送る場合は、短く、分かりやすく、そして必要最小限の情報を伝えることが重要です。
また、可能であれば、夜間に送信しなければならない緊急の情報だけを送信し、その他の情報は翌日に送ったほうがよいでしょう。
返信を強制しない
夜分遅くに送ったメールに対する返信を強制することは避けましょう。
相手は休息を取っている可能性があり、メールの確認や返信が困難な場合もあります。必要な場合は、返信の期待日時を明示せず、相手に適切な対応を任せることが望ましいです。
また、社内のメールや部下へのメールであっても注意が必要です。近年は「働き方改革」の一環として、業務時間外の連絡は制限すべきという考え方が多くの企業で推進されています。
状況によっては、パワハラと捉えられてしまう可能性もあります。そのため、夜分遅くにメールを送る際も、返信を強制することは避けるべきです。
「夜分遅くに失礼します」の言い換え例
夜分遅くに失礼しますは様々な言葉で言い換えることができます。状況や相手によって利用する言葉を使い分けましょう。
以下は言い換えの例文になります。
- 夜遅くになってしまいましたが、お手数をおかけします。
- この時間帯にご連絡差し上げてしまい、申し訳ありません。
- お忙しい中、夜分の連絡となり恐縮です
- 夜分遅くに失礼いたします
これらは「夜分遅くに失礼します」の意味を保ちつつ、異なる表現で相手への配慮と謙虚さを示す言い回しです。
上司・クライアントなど相手の立場や状況によって、異なる表現が可能です。大切なのは、相手に不快感を与えずに、丁寧なコミュニケーションを心掛けることです。
コピペで使える「夜分遅くに失礼します」の例文
「夜分遅くに」と言う言葉を使った例文を2つご紹介します。ポイントは、夜分遅くに連絡をした理由を記載することと要件を簡潔にをまとめることです。
それでは実際に例文で確認していきましょう。
「夜分遅くに失礼します」の例文1
翌日またはすぐに対応してほしい内容の場合、夜遅くにメールを送ることもあります。
その場合、以下のように謝罪と理由をまとめるようにしましょう。
件名: 明日の打ち合わせについて
お疲れ様です。
夜分遅くのご連絡となり、大変申し訳ありません。
明日の打ち合わせに関して、スケジュールの変更が生じたため、ご連絡を差し上げました。
新しい日程は明日の15時からの予定です。急な変更となりましたが、ご参加いただけるかどうか、ご確認いただけますでしょうか。
お忙しい中、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。返信をお待ちしております。
夜分のご連絡となりましたこと、改めてお詫び申し上げます。
何卒よろしくお願いいたします。
まず、夜遅くにビジネスの連絡をすることを謝罪することが重要です。
その後、大事な企画書について短く報告し、なぜ夜遅くに連絡したのかを急を要する内容であると説明するのも大切です。
もっと丁寧な文章を作りたい場合は、「重ね重ねになりますが」や「何度も申し訳ありませんが」といった言葉を使って、本文末尾に夜遅く連絡したことを再度お詫びすると良いでしょう。
「夜分遅くに失礼します」の例文2
件名:【〇月〇日締切】必要書類の提出のお願い
お世話になっております。経理部の〇〇と申します。
夜分遅くに失礼いたします。
決算の期日が近づいてきたため、お手数をおかけいたしますが、各部署の必要書類の提出をお願いします。
添付ファイルにて提出書類をご確認ください。〇月〇日が〆切となっておりますため、夜分遅くの送付となりましたことをご了承ください。
また、期日以内に提出が難しい場合は、期日前にできるだけお早めにご連絡いただけますと幸いです。ご不明な点やご質問がございましたら、お気軽にお知らせください。
何卒よろしくお願いします。
件名だけで内容が分かるようにすると、メールを開く前に内容を確認することができます。
夜分遅くにメールを送った理由や相手へのお願いを丁寧にまとめることが大切です。夜分にメールを送る場合は、それ相応の緊急性のある理由と丁寧なお詫びを述べるようにしましょう。
緊急性のない場合は予約メールを設定する
夜分遅くにメールを送るのはマナー的に避けるべきです。緊急性がない内容の場合はメールの時間指定機能を利用し、夜分遅くに送るのではなく、翌日以降に予約メールとして送りましょう。
メーラーの「メール時間指定機能」を活用
「Gmail」や「Outlook」などのメーラーにはメールの送信時間を指定できる機能があります。
「ビジネスメール実態調査2021」によると、仕事で利用しているメールソフトは「Outlook」(55.19%)が半数を超え、「Gmail」(39.22%)、「iPhone(iPad)のメールソフト」(9.03%)、「Thunderbird」(8.44%)、「サイボウズ Office」(5.13%)という結果が出ており、「Outlook」と「Gmail」の使用率が非常に高いことが分かります。
これらのフリーメールには様々なメリットがあります。
- メールアドレスの取得も利用も無料
- インターネットに接続できる環境ならどこからでもアクセス可能
- サービスによってはアプリが提供されている
その他、フリーメールに関しては以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
本当に使いやすいおすすめのメールソフト7選!【フリーメール】
メール配信システムの「送信予約」を活用
メール配信システムを使い、配信日時を指定しておけば、設定された時間に自動でメールを送信することができます。メーラーとの違いは、大量のメールを一斉配信しても問題ないという点です。
上記で紹介したメーラーでのBCCを使った一斉配信には、個人情報漏洩などのリスクがあります。
その他にも、BCCによる一斉配信は以下のようなリスクが存在します。
- ブラックリストに載ってしまう
- メール送信上限数と配信遅延
- メールの効果を検証しにくい
- 受信者が悪い印象を抱く可能性がある
そこでおすすめしたいのが、14年連続シェアNo.1のメール配信システム「ブラストメール」です。
送信予約の機能があるだけでなく、迷惑メールに判断されないような技術的な対策がされており、多くの企業から支持を得ています。
一斉送信のメルマガなどを予約配信したい場合は、まずブラストメールのトライアルを試してみるとよいでしょう。
まとめ
「夜分遅くに」送るメールは基本的には推奨されません。ビジネスの話は終業までにできるだけ伝えるように心がけてください。相手への配慮を欠くと信頼を失ってしまう可能性があります。
ただし、重要な連絡や緊急の案件は早急に相手に連絡しなければなりません。その場合は、遅い時間の連絡について謝罪と理由を添え、短く具体的な文章で用件を伝えましょう。
相手を配慮したメールは、今後の仕事をする上で重要ですので、例文や言い換えを利用して、丁寧なメールを送りましょう。
また、上述したようにメルマガのような一斉配信メールを夜分に作成した場合は、予約配信機能を利用して翌日以降の日中に配信しましょう。
そもそも夜分のメールは読まれにくい傾向がありますし、相手への迷惑にもなりかねません。
おすすめのメール配信システムは以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。