大量のメール配信を行う際には、一斉送信に特化した「メール配信システム」の利用が必須になります。
しかしながら、メール配信システムによって、大量配信を処理する能力に違いがあるので、スペックの低いシステムではメール配信完了までに時間がかかり、大切なメールが時間通りに届かない、エラーが発生しメールが送れないといった問題が発生します。
本記事では、メールの大量送信をする際に知っておきたいリスクと、大量配信におすすめのメール配信システムについて解説します。
メール配信システムとは?
まず初めにメール配信システムとはどのようなものか簡単に解説します。
メール配信システムは、GmailやOutlookをはじめとした一般的なメーラーとは違い、大量のメールの一斉送信を安全かつ確実に行うことに特化した専門ツールです。
100件を超えるような一斉送信を頻繁に行うようなメール配信を行なっている方は導入の検討をおすすめします。
【初心者向け】メール配信システムとは?安全かつ確実なメール配信を行うための必須ツールについて解説します
大量配信が可能
先述の通り、メール配信システムは大量配信に特化したシステムです。
大量のメールを確実に届けることは技術的に難易度が高いことなのです。送信先のキャリアやプロバイダ毎に適切な形で送信する必要があり、一般的なメーラーにはそうした対策はなされていません。
メールの到達率を高く保つためには、最適化された配信基盤を用意しなければなりません。そうした基盤がすでに整っているのがメール配信システムです。ただし無料のメール配信システムなどでは大量メール配信に対応できませんので注意しましょう。
メールの到達率が下がる原因については以下の記事で詳しく解説しているのでご参考ください。
メールの到達率が低い時の原因と対策。到達率を上げるために信頼できるメール配信システムを使おう
メール業務を効率化できる
メール配信システムは、大量送信を可能にしてくれることはもちろん、メール配信業務を効率的にしてくれる機能が備わっています。
- 特定の条件に合った相手のみにメールを自動的に送る機能
- 顧客リストの登録・自動解除機能
- おしゃれなHTMLメールを簡単に作成できるエディタ
- 配信結果の分析機能
もし、メルマガ配信やステップメールなどを使ってメールマーケティングを行いたいと考えているならば、顧客リストの登録、自動解除機能は非常に便利です。また、配信結果の分析はマーケティングを行う上では重要な判断材料になるはずです。
また、連絡用として使いたいという場合にも「営業部のみにメールを送る」「特定地域のみにメールを送る」といった機能があればメール配信にかける時間をかなり短縮することができます。
BCCによる大量配信によるリスク
一斉送信を「BCCを使って行っている」という方も多いのではないかと思います。ただ、大量送信をBCCで行うと配信速度が遅くなるうえ、以下のようなリスクがあることを知っておきましょう。
情報漏洩のリスク
BCCを使った一斉送信でよく起きるのが「誤送信による情報漏洩」です。
BCCを使って送るべきところをTOやCCをを使って送ってしまったがために、個人情報が流出してしまったというトラブルが頻繁に起こっており、総務省が運営する「国民のための情報セキュリティサイト」からも、注意喚起がなされています。
大量送信ができない
一般的なメーラーでは、そもそも送信数に上限が設定されており、大量送信ができないようになっています。
例えば、Gmailでは「1通のメールを500件以上の宛先に送信」もしくは「1日に500通以上を超えるメールを送信」すると送信上限に達し、最大で24時間メールの送受信を行うことができなくなります。
レンタルサーバーのメール機能を使っている場合も、メールの送信数には上限が設定されていることが多いので予め確認しておきましょう。うっかり大量のメールを一斉送信してしまい、重要なメールを受信できない、送信できないと言った事態にならないよう注意が必要です。
BCCを使った一斉送信のリスクについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
メール配信システムとbccの違いは?メーラーのbccを使う前に知っておきたい4つの事
大量配信におすすめのメール配信システム
それでは大量配信におすすめのメール配信システムを紹介していきます。
大量配信を行いたい場合には各サービスの「配信速度」に注目するのがおすすめです。自身がどれくらいの量のメールを送りたいかによって適切なサービスは変わってきます。
コストをかけてでも本格的な大量配信がしたい方、そこまでコストはかけれないという方別におすすめのサービスを紹介しているのでぜひご参考ください。
blastmail(ブラストメール)
blastmail(ブラストメール)は14年連続顧客導入数、シェアNo. 1の人気メール配信システムです。誰でも簡単に使えるシンプルな操作性と圧倒的なコスパの良さがシェアの高さを物語っています。
全国の様々な企業から官公庁まで12,000件以上の契約者数があることからも、セキュリティの高さや安全性が伺えます。
blastmailの配信速度は「毎時280万通」と大量配信を行う上で十分なスペックです。配信エンジンが優れているので、低価格でありながら安定した配信性能を持つメール配信システムです。
初期費用は10,000円固定(一年契約で半額)、最安プランだと登録アドレス件数5,000件のプランが月額4,000円〜利用することができます。
後ほど紹介する「Cuenote FC」で登録アドレス件数5,000件のプランの導入となると、月額費用10,000円と初期費用50,000円が必要ですが、blastmailは同件数を月額4,000円、初期費用10,000円で利用することができます。
ちなみに、配信速度280万通/毎時というのは、メール配信システムとしては問題なく使える平均的な数値です。
毎時1,000万通を超えるような配信速度を誇るメール配信システムもありますが、あくまでも最高数値である点に注意が必要です。配信遅延を防ぎ、確実にメールを届けるためには配信システムの「安定性」の方がむしろ重要になってきます。
利用者の口コミを調査しても、blastmailは配信基盤の安定性が高いので、配信が遅れる、配信完了まで時間がかかるといったものは見られませんでした。blastmailはコスト的にも導入しやすく、安定した配信機能を持つおすすめのサービスです。
配信速度 | 280万通/時 |
料金 | 月額4,000円〜 ※初期費用10,000円 (一年契約で初期費用半額) |
アドレス上限 | 5,000件〜 |
こんな人におすすめ | コスパの良いシステムを探している |
MailPublisher(メールパブリッシャー)
Mail Publisher(メールパブリッシャー)とはエンバーポイントホールディングス株式会社が提供するメール配信システムです。
毎時間4,100万通のメール配信速度はメール配信業界でも圧倒的な数値です。(一般的なメール配信システムでは200万通〜500万通ほど)
大量のメールも素早く送ることができるので、メール配信システムの導入目的が「とにかく大量配信を円滑に行いたい」「数万単位の配信を頻繁に行う」というものであれば選択肢の一つとなるでしょう。
その他、大量配信だけでなく、メール配信業務を円滑にするための基本的な機能も揃っています。
ただしその分、料金は割高になっています。最低料金である「Lightプラン」でも月額25,000円〜で、配信数に上限も設定されています。上限を超える配信を行う場合には別途追加料金が発生するので注意が必要です。
料金形態は他にも用意されていますが、詳細は問い合わせが必要となります。
配信速度 | 4,100万通/時 |
料金 | 月額25,000円〜 |
配信上限 | 20,000通〜 |
こんな人におすすめ | とにかく高速配信機能が欲しい |
Cuenote FC(キューノートエフシー)
Cuenote FC(キューノートエフシー)も業界トップクラスの配信速度(1,000万通/時)と安定した到達率を誇る、大量配信におすすめのメール配信システムです。
メール配信システムの基本的な機能はもちろんのこと、他のサービスにはあまり見られない「アンケート機能」や「プレゼント当選者の抽出機能」もあり、メールマーケティングを行う上で必要な機能はばっちり揃っています。
ただし、こちらも他のメール配信システムと比較すると、配信速度が速く、機能が揃っている反面、初期費用30,000円〜、月額料金5,000円〜と料金は割高になっています。
月間の配信上限はありませんが、登録可能なアドレス件数ごとに料金が変わる仕組みです。
配信速度 | 1,000万通/時 |
料金 | 月額5,000円〜 ※初期費用30,000円〜 |
アドレス上限 | 2,000件〜 |
こんな人におすすめ | 高速配信したい 本格的なメールマーケティングを行いたい |
WiLL Mail(ウィルメール)
WiLLMail(ウィルメール)も先ほど紹介したblastmailと同様にコストパフォーマンスに優れたメール配信システムです。blastmailと比べると配信速度が劣りますが(100万通/毎時)従量課金性と定量課金性の二つのプランを毎月切り替えながら使えることが特徴的なシステムです。
最安のプランだと、初期費用0円、月額4,000円〜利用することができます。最低契約期間は一ヶ月なので、イベントシーズンや特定の月だけ大量配信を行うために利用するという活用方法も可能です。
月毎にプランの変更ができるので、配信が少ない時は従量課金性、多い時は定量課金性と切り替えながら使うことができます。メールマーケティングに必要なターゲットメールやステップメールを利用するためには月額10,000円〜のプレミアムプランを利用する必要があるので注意が必要です。
配信速度 | 100万通/時 |
料金 | 月額4,000円〜 |
配信上限 | 10,000通〜 |
こんな人におすすめ | 大量配信する時期が限定的 コストをかけず利用したい |
まとめ
以上、大量配信をする際の注意点と、大量配信におすすめのメール配信システムについて解説しました。
大量配信を行いたいのであれば、一斉送信機能に特化した「メール配信システム」の利用が必須です。
メール配信システムを利用すれば、大量のメールの一斉送信はもちろん、メール業務を効率化する機能が揃っています。
また、メール配信システムを検討する際には、配信スピードにも着目してみましょう。膨大な量のメールを素早く配信するには配信速度も重要です。
しかし、高性能なメール配信システムはその分、コストも割高になってきます。一度に送るメールは数百件程度、と言う場合にはコストを抑えてメール配信システムの運用を行うこともできます。
ぜひ、紹介したメール配信システムを参考に、利用目的に合わせた適切なシステムを選んでみてくださいね。