メールを複数人に送る場合、宛名の書き方に細心の注意を払う必要があります。社外向けのメールを書く場合は、特に注意が必要です。
しかし、ビジネスメールの宛名の書き方にはさまざまなマナーがあるため、重要なポイントを理解していなければ、いざその機会が訪れたときに迷ってしまうでしょう。
そこで今回は、複数人に送るメールを書くときのマナーについて解説します。例文も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
ビジネスメールの基本的な宛名の書き方
まずはビジネスメールの基本的な宛名の書き方についておさらいしておきましょう。宛名を書く際は、以下の点に注意する必要があります。
- 会社名、部署名、役職名、氏名、敬称の順番で正式名称を書く
このとき、役職と敬称を重ねないよう注意しましょう。
例えば、「人事部 鈴木部長様」はNGです。 - 社内メールの場合は「課(部)+役職+氏名+敬称(様)」と書くのが一般的
例えば「営業2課 山田さん」や「人事部 部長 田中様」などと書きます。 - 社外メールでは「会社名+部署名+役職+氏名+敬称(様)」が一般的
例えば、「○○株式会社 営業部 課長 山田太郎様」や「■■合同会社 人事部 部長 田中花子様」などと書きます。
宛名は相手に対する敬意や信頼を表す重要な要素ですので、正確に書くように心がけましょう。
メールの宛先が複数の場合の『宛名』の書き方
宛先が複数ある場合の宛名の書き方について、基礎的な考え方について解説します。のちほど社内・社外で分けて、例文も紹介します。
役職が高い順に連名で書く
メールの宛先が複数の場合は、役職が高い順に連名で書くことが大原則です。
例えば、相手先の社内で部長と課長にメールを送る場合は、以下のように書きます。
○○株式会社 総務部
部長 △△様
課長 ××様
また、一般的には宛先が3名程度までは縦に、4名以上になる場合は横に並べて記述します。順番は役職の高い順に並べるのがマナーです。
【3名の場合】
○○株式会社 総務部
部長 △△様
課長 ××様
係長 ◇◇様
役職が分からない場合
メールを受信する側にあたる人物の役職が分からない場合もあるかもしれません。その場合は、まず以下のような方法で調査しましょう。
- 事前に調べる
- 相手の会社や部署のホームページや名刺などを参考にする
- 相手からのメールや電話で教えてもらう
- 他の人に聞く
どうしても分からない場合は、敬称だけをつけて書くことも可能です。
例えば、以下のように書きます。
○○株式会社
△△様
××様
◇◇様
○○株式会社 △△様
●●株式会社 ××様
★★株式会社 ◇◇様
なお、このとき業務や案件の関連度順に明記することが基本です。その判断も難しい場合は、名前を50音順に並べたうえで、末尾に「(50音順)」などと明記するようにしましょう。
ちなみに、「○○株式会社 各位」と書くこともできますが、「各位」は所属先の皆様という意味があるため、宛先としたい人数が少ない場合は避けたほうがよいでしょう。
To/Cc/Bccを使用した場合の宛名の書き方
メールの宛先には、To、Cc、Bccの3種類があります。それぞれの意味と使い方は以下のとおりです。
- To
「宛先」を意味し、そのメールのメインの宛先となる。メールの内容に対して返信やアクションが必要な人を設定する - Cc
カーボンコピー(Carbon Copy)の略。「共有」を意味し、メールの内容を知っておいてほしい人や関係者に設定する。Ccに設定された人は、Toと分けて宛名を書くことが多い - Bcc
ブラインドカーボンコピー(Blind Carbon Copy)の略。メールの内容を知らせたいが、他の受信者にはメールを送信したことを秘密にしたい人に設定する。例えば送信メールの内容確認のために、あらかじめ自分のメールアドレスをBccに設定すると、受信者には自分のメールアドレスに送ったことは表示されないが、自分にはメールが届く仕組み。
Bccに設定された人は、他の受信者には表示されない。よって、Bccは宛名には絶対に書かないこと
To/Cc/Bccの使い分け事例
事例として、以下のような社外宛のメールを考えてみましょう。
To:株式会社○○ 総務部 部長 佐藤様
Cc:株式会社○○ 総務部 山本様 人事部 田中様
Bcc: 部長 吉田さん(自社の上司)
件名:明日の会議について
本文:
株式会社○○
総務部 部長
佐藤様
(Cc:○○株式会社 総務部 山本様、人事部 田中様)
このメールでは、Toに社外の佐藤さんを設定しています。Toが付いているため、佐藤さんはメールの内容に対して返信やアクションが必要な人です。
Ccには、メールの内容を知っておいてもらう目的で、プロジェクトのメンバーや関係者を設定します。なお、宛先にCcがある場合は、例のようにCcも宛名に記載するようにしましょう。
Bccには、主に上司などを設定します。彼らは会議に参加しない人やプロジェクトに直接関わらない人です。メールの内容を知らせたい人や秘密にしたい人を含みます。Bccに設定した宛名は本文に記載しないようにしましょう。
部署単位など大人数に送る場合
部署単位など大人数に送る場合は「各位」を使用するのが基本です。
例えば、次のように書きます。
「○○株式会社 総務部 各位」
複数の企業に送る場合
複数の企業に送る場合は、以下のようにそれぞれ1行に収める形で記載するのが一般的です。
○○株式会社 総務部 部長 △△様、○○様
××株式会社 経理部 課長 ◎◎様
このとき、関連度の高い企業から順番に書くのがマナーです。
送付先の企業が、それぞれ面識がない場合は、送付先企業の宛先をBccにすることで個人情報の流出を避けましょう。そのとき宛名は「取引先各位」「関係者各位」と記すのがマナーです。
【例文】社内向けの複数人に送るメールの宛名
ここからは、実際の例文をもとに詳しく解説していきます。
Toが複数人の場合の例文
社内向けのメールを複数の受信者に送付する際の原則は「部署名の後に役職順に名前を記載すること」です。どのような敬称や役職名を使用するかは、社内の規則に従います。
同じ役職の複数の人がいる場合は、メールの内容に関係が深い順に名前を記載するのがマナーです。
以下に、よくあるケースで事例を紹介します。
営業部
▲▲課長
●●さん
営業部
▲▲部長
●●さん
営業部
▲▲主任
●●主任
(メールの内容に関係がある順)
営業部
A社サポート担当 各位
ちなみに、Toに複数の受信者が含まれる場合、本文で誰にどのような行動を依頼するのかを明確に記述するようにしましょう。
ToとCcが複数人の場合の例
社内向けのメールでCcに複数の受信者が含まれる場合、Ccも役職順になるように記載することがマナーです。Ccが多数の場合は「Cc:」の後に「各位」と記載しましょう。
以下ではToとCcを含めた、いくつかの宛名の例をご紹介します。
営業部 ▲▲部長、開発部 ○○部長
(Cc:営業部 ●●課長、開発部 ◆◆様、□□様)
営業部 ▲▲部長、○○課長
(Cc:●●さん、◆◆さん、□□さん)
営業部 ▲▲部長、人事部 ○○部長
(Cc:◆◆プロジェクト関係者各位)
【例文】社外向けの複数人に送るメールの宛名
社外向けのメールを送るときの宛名の書き方は、社内のものに比べ、さらに注意深く対処しなくてはいけません。ここでは、社外向けの複数人に送るメールの例文をご紹介します。
Toが複数人の場合の例
社外向けの複数人に送るメールでToが複数人の場合、宛名の例文は以下のとおりです。
株式会社○○
代表取締役 山田太郎様
営業部 課長 鈴木一郎様
株式会社○○
営業部 課長 鈴木一郎様
株式会社■■
営業部 課長 杉本史郎様
株式会社■■
総務部 部長 佐藤花子様
人事部 課長 田中二郎様
ToとCcが複数人の場合の例
社外向けのメールでCcに複数の受信者が含まれる場合も、Ccを役職順になるように記載することがマナーです。社外向けの複数人に送るメールで、ToとCcが複数人いる場合の宛名は以下のようになります。
○○株式会社
営業部 ▲▲部長、開発部 ○○部長
(Cc:営業部 ●●課長、◆◆様、開発部 □□様)
○○株式会社
営業部 ▲▲様、○○様
(Cc:営業部 ●●様、◆◆様、□□様)
○○株式会社
営業部 ▲▲部長、人事部 ○○部長
(Cc:◆◆プロジェクト関係者各位)
社外宛メールで社内の関係者をCcに入れる場合
社外の方がToに複数人いる場合は「○○様、××様」と敬称をつけて列挙します。社内の方がCcに複数人いる場合は「弊社 ○○、××」といった書き方が一般的です。
社外と社内の方が混在する場合は「○○様、××様、弊社△△、□□」といった形で区別します。社外向けの複数人に送るメールで、社内の関係者をCcに入れる場合の宛名の例文は以下のとおりです。
○○株式会社
営業部 山田様、佐藤様
(Cc: 弊社 鈴木、田中)
株式会社○○
営業部 部長 鈴木一郎様
(Cc: 営業部 課長 山田太郎様、弊社 鈴木、田中)
一斉送信する場合はメール配信システムを使う
ビジネスシーンではメールを一斉配信するケースが多々あります。例えば、異動や退職のとき、年賀の挨拶のときなど。
上述したように、Bccでのメール送信には個人情報漏洩などのリスクがあります。このような場合はBccを使うのではなくメール配信システムを活用しましょう。
メール配信システムとは
メール配信システムとは大量のメールアドレス宛に一斉にメールを配信できるシステムのことです。
メールの大量配信は一般的にスパムメールに似た行為のため、迷惑メールフォルダに入ってしまったり、文字通りメールが届かない可能性があります。
メール配信システムにはこれらを回避するための技術が使われており、安心安全に大量のメールを届けることができます。その特性から、メルマガ配信や社内向けの一斉メール等に活用されています。
また、サービスによっては宛名の差し込みが可能ですので、一斉送信であっても一人ひとり宛名を書いてメールを送信することができます。
おすすめのメール配信システムは以下の記事でも詳しく解説されています。各サービスをしっかりと比較して選びたい方は参考にしてください。
関連記事:おすすめメール配信システム比較20選!図解とランキング形式で解説
シェア1位のメール配信システム「ブラストメール」の活用
メール一斉送信・メルマガ配信に最もおすすめのメール配信システムはブラストメールです。ブラストメールは14年連続顧客導入シェア1位のメール配信システムとなります。
ブラストメールの特徴は、シンプルな操作性と、コストパフォーマンスの高さです。様々な業種や官公庁の導入もあり、定番のメール配信システムと言えるでしょう。
宛名の差し込み機能はもちろん、セグメント(ターゲット)配信や効果測定、HTMLメールエディタなど、基本的な機能は全て揃っており、最も安いプランであれば月額4,000円以下で導入できます。
シンプルかつ安いので、初めてメール配信システムを使ってみたい方にもおすすめです。無料トライアルも可能となっているので、まずは試してみてはいかがでしょうか。
関連記事:【3分で分かる!】ブラストメールとは?ブラストメールのトライアル期間を使って徹底レビュー
SMTPリレーサービス「ブラストエンジン(blastengine)」の活用
ブラストエンジン(blastengine)は簡単にメールの大規模高速配信が可能なSMTPリレーサーバーを提供していますが、同時にメールサーバーを必要としない、APIでのメール送信の仕組みも提供しています。
サーバーの運用やメンテナンスはblastengineで行うため、常に高いIPレピュテーションを保って安全にメールを送ることができます。
以下のような課題がある場合はブラストエンジンの利用を検討するとよいでしょう。
- 自社のIPアドレスやドメインがブラックリストに登録されてメールが届かない
- 国内キャリアへのメールが届かず対応方法もわからない
- 自社でメールサーバを管理・運用したくない
また、導入社数24,000社、14年連続顧客導入数No.1の姉妹製品blastmailの技術力で構築した配信基盤で、各メールプロバイダ、携帯キャリアドメインへの最適化と大規模ネットワークを経由してメール配信を行い、日本国内への圧倒的な到達率を実現しています。
それでいて、月額3,000円から利用ができるためコストパフォーマンスも高く、メールだけでなく日本語での電話サポートにも対応しています。
メールアドレスの入力のみですぐにトライアルを始めることができますので、是非試してみてください。
関連記事:blastengine(ブラストエンジン)とは?API・SMTP特化のエンジニア向けメール配信サービスを解説
複数人でメール管理をする場合
本記事では主に複数人宛にメールを送信するときの宛名の書き方やおすすめのシステムを紹介してきました。ここでは反対に、複数人でメール管理する方法をご紹介します。
メール共有システムの活用
メール共有システムは、メールや問い合わせに複数人で対応する際の効率を上げる目的で作られた、メール共有に焦点を当てたシステムです。
このシステムを利用することで、誰がどのような対応をしているのかをシステム上で管理できるため、多人数での作業における対応の漏れや重複する対応などの問題を事前に防止することが可能です。
複数人でメール管理・問い合わせ管理をする場合に欠かせないシステムと言えるでしょう。
14年連続売上シェアNo.1「メールディーラー」の活用
ビジネス上で最も使われているコミュニケーションツールの1つがメールです。
チャットツールやSNSが台頭してきた昨今でも、まだまだメールは使われ続けています。ただし、メールをチームや複数人で管理していると以下のような問題が発生します。
- メールの返信漏れが発生している
- メールの二重対応が発生している
- 必要なメールがなかなか見つからない
また、アカウントの共同利用をしていなかったとしても個人でメールアドレスを保有しており、顧客とのやりとりを個人アドレスだけで行っている場合は、急な欠勤や長期休暇の際に顧客対応ができなくなってしまいます。
そこでおすすめしたいのが、複数人でのメール管理に特化したメール共有システム「メールディーラー」です。
チーム全員のメールを対応状態やどのメールに誰が対応しているのかリアルタイムで共有できるだけでなく、セキュリティ対策機能も充実しており、誤送信防止チェックや添付ファイルURL化、送信キャンセルなど多岐にわたる機能が揃っています。
複数人でのメール管理や問い合わせ対応でお困りの方におすすめです。
まとめ
本記事では、複数人に送るメールの宛名の書き方について解説しました。
ビジネスメールでは宛名を会社名、部署名、役職名、氏名、敬称の順に記述し、役職と敬称を重ねないように気を付けなくてはいけません。
社内メールでは「課(部)+役職+氏名+敬称(様)」が一般的で、社外メールでは「会社名+部署名+役職+氏名+敬称(様)」が使われます。
複数人に送る場合は「各位」を使用し、役職が高い順に連名で記述するのがマナーです。
役職が分からない場合は、敬称だけをつけて書くこともできます。またTo、Cc、Bccの使い方にも注意が必要で、役職順に記述することもマナーです。
ビジネスメールの宛名は相手に対する尊重と信頼を表す大切な要素であり、正確に書くことが重要です。本記事を参考に、相手に失礼のない宛名の記載ができるようにしましょう。
また、複数人でのメール管理を行う場合はメール共有システムの利用が必須と言っても過言ではありません。以下の記事ではおすすめのメール共有システムを比較して詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。