「注文メールが届いていないとクレームが入った」
「メールアドレスは間違いないのにメールが送信エラーで返ってきた」
「メルマガの到達率があまりにも低い」
上記のようなことで困っている方のために、本記事ではメールが届かない原因とその対策について、受信者と送信者それぞれの立場から詳しく解説します。
特に送信者側においては、ビジネスメールだけでなく、メルマガのような大量配信が届かない場合の対策についても解説しています。ぜひ参考にしてください。
メールが届かない原因とは
メールアドレスの入力を間違えている、受信設定やセキュリティ対策が不適切など、メールが届かない原因は様々です。ここからはメールが届かない原因について、受信者と送信者のふたつに分けて解説していきます。
受信者側の原因
- 電波状況が悪い
- 実は迷惑メールボックスに届いている
- 受信ボックスもしくはストレージが満杯で、それ以上メールが受け付けられなくなっている
- メールアドレスの入力ミス
- メールの受信設定でブロックされている
目的のメールが受信ボックスに届かない原因としては、上記が挙げられます。それぞれ対策を取ることで解決可能ですが、メールサーバーに障害が起きているなど、送信者側に原因が起きている場合は受信者で対応できません。
送信者側に原因がある場合、時間経過を待つか、送信者に問い合わせるなどする必要があります。なお、各原因の中でも「実は迷惑メールボックスに届いている」というのは、意外によくあるパターンです。
送信者側の原因
- メールアドレスの入力ミス
- 添付ファイルのサイズが大きすぎる
- メールサーバーに障害が起きている
- メール内容が不適切なためブロックされている
- 到達率対策が不十分である(送信ドメイン認証やエラーリストの削除など)
- 自社のIPアドレスやメールアドレスがブラックリスト登録されている
- メーラーを使って大量送信している
ユーザーにメールが届かない場合、送信者側の原因としては上記が挙げられます。ファイルが重すぎてエラーで返ってくるといのは、ビジネスメールあるあるですね。
また、メルマガのような大量配信において注意しておきたいのは、到達率対策の点です。大量配信をGmailやOutlookのような一般的に用いられているメーラーで行うと、メールが著しく届きにくくなります。
このあとメールが届かない際の対策について詳しく解説しますが、ビジネスメールに加えて大量配信が届かない場合の対策についても触れていくので、ぜひ参考にしてください。
受信者編:メールが届かないときの6つの対策
メールが届かないときに受信者がとれる対策は、下記の6つです。
- 電波状態を確認する
- 迷惑メールボックスに届いていないか確認する
- 受信ボックス(ストレージ)が満杯になっている
- メールアドレスの入力ミスは無いか
- メールの受信設定をチェックする
- 時間経過を待つ
1. 電波状態を確認する
まずはメールを見ようとしている端末の電波状況を確認しましょう。もしかすると、現在いる場所が圏外か、端末の回線設定などの原因で端末が電波を受け取っておらず、それが原因でメールが届いていない可能性があります。
2. 迷惑メールボックスに届いていないか確認する
意外によくあるのが、目的のメールが迷惑メールボックスに届いているケースです。実は届いているが、すみずみまで確認しきれていなかった、ということですね。
迷惑メールボックスの確認漏れを予防するには、「届かない」と思ったら迷惑メールボックスを確認するクセをつけるのが手っ取り早く、おすすめです。目的のメールが迷惑メールボックスに届くことを防止するには、以下のような方法があります。
- 送信元のメールアドレスをセーフ(受信許可)リストに入れる
- メーラーの操作画面上から「迷惑メールではない」報告を行う
3. 受信ボックス(ストレージ)が満杯になっている
メーラーの受信ボックスにメールが一定数たまったり、メールの保存に使っているクラウドストレージが満杯だったりすと、それ以上メールの受信ができなくなってしまいます。
例えばGmailはGoogle ドライブの容量を使ってメールを保存するため、メールだけでなく、画像や音楽といったファイルの数・サイズもGmailの保存容量に影響します。
そのため受信ボックスの容量が原因で届かないと思われる場合は、不要なメールや画像を削除してみましょう。
また、受信ボックス満杯による問題を予防するには、定期的に不要なメールやファイルを削除するか、メーラーの設定で古いメールを自動で削除する設定を入れるのがおすすめです。
4メールアドレスの入力ミスは無いか
何らかのWebサービスに会員登録したが自動返信が来ない、といったケースでは、受信者はメールアドレスの入力ミスを疑ってみましょう。要するに再びメールアドレスの入力手順を行うということです。
何度繰り返しても解決しない場合、メールアドレスを間違って覚えている、もしくはWebサービス側で何らかの障害が起きている可能性があります。なお、後者の場合は時間経過で解決する場合があります。
5. メールの受信設定をチェックする
メーラーによってはセキュリティ機能が厳密なため、悪意のないメールでもブロックされてしまう場合があります。
たとえばキャリアドメインのメールアドレス(docomo.ne.jp、softbank.ne.jp など)の初期設定では、GmailやYahoo! メールなどのフリーメールを完全にブロックするようになっています。
この場合、キャリアメールの設定画面で、受け取りたいメールの送信元を受信許可リストに登録することで解決可能です。
また、フィッシング詐欺の防止として「URL付きメールの受信拒否設定」がメーラーでONになっていると、大半のメルマガを受信できません。この場合もメーラーの設定を変更してやることで解決できます。
メールアドレスの入力ミスやストレージの容量チェックなど、すぐに確認できる項目を一通り試しても解決しなければ、メーラーの受信設定をチェックしてみましょう。
6. 時間経過を待つ
ここまで紹介した対策をすべて試しても解決されなかった場合、時間経過を待ってみましょう。メールサーバーの混雑具合によっては、最大で1時間ほど受信が遅れるケースもあります。
送信元のトラブルが原因だった場合は待てば解決されることがほとんどですが、1時間以上経ってもメールが届かなければ送信元に問い合わせてみましょう。
送信者編:メールが届かないときの8つの対策
メールが届かないときに受信者がとれる対策は、下記の8つです。
- メールアドレスの入力ミスは無いか
- 添付ファイルは大きすぎないか
- メールサーバーに障害が起きていないか
- メールの内容は適切か
- セキュリティ対策をチェックする
- エラーアドレスを読者リストから取り除く
- ブラックリストの解除申請を行う
- メール配信システムを使う
1. メールアドレスの入力ミスは無いか
送信したメールがエラーで返ってきた場合、まずはメールアドレスの入力ミスを疑ってみましょう。入力ミスがなければ、そもそも受信者側が間違ってメールアドレスを伝えている可能性があります。可能であれば、その旨をメール以外の手段で確認しましょう。
2.添付ファイルは大きすぎないか
PDFや動画といったサイズの大きいファイルをメールに添付すると、メールサーバーが処理できず、送信に失敗することがあります。
オンラインストレージを利用せずファイルを送信したい場合は、ファイルをZIP形式などに圧縮するか、ファイルを送信可能なサイズごとに分けて複数回メール送信するかで対処できます。
オンラインストレージを利用しても構わない場合は、「firestorage」や「Google ドライブ」といったサービスを利用するのがおすすめです。オンラインストレージを利用すれば、メールの本文中にアップロード先のURLを記載するだけファイルが共有できます。
3. メールサーバーに障害が起きていないか
メールサーバーが混雑している、緊急メンテナンス中などの理由でメールが届かない場合もあります。サーバーの公式サイトを見てみたり、業者に問い合わせるなどしてサーバーに障害が起きていないかチェックしてみましょう。
もし実際にサーバーに障害が起きていた場合、時間経過を待つほかありません。
4. メールの内容は適切か
以上までは特定のメールを届けるための対策でしが、ここからはメール配信全体の到達率を改善するための対策について紹介していきます。メルマガやステップメールが届かず悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
さて、メール配信が届かない原因のひとつとして、「メールの内容が不適切」ということが挙げられます。
不適切な内容のメールとは?
- 「簡単にお金を稼ぐ方法」「バカ、アホ」「3日以内にお金を振り込め」など射幸心をあおる、暴言が含まれる、受信者を脅迫するような内容
- 購読解除が面倒な仕組み、もしくは購読解除自体できないようになっており、迷惑メール報告されやすい内容
こうしたメールはISP(インターネットサービスプロバイダー)のフィルターを通過できない可能性が高まり、結果的にメール配信の到達率を著しく下げます。
「自社は真っ当なメール配信を行っている」ということであれば、購読解除の導線をチェックしてみましょう。たとえば購読解除申請を行うのにマイページへのログインが必要な仕様だと、ワンボタンで済む迷惑メール報告に流れやすくなります。
5. セキュリティ対策をチェックする
メール配信に技術的なセキュリティ対策を施すと、ISPのフィルタリングを通過しやすくなります(到達率の向上)。具体的なセキュリティ対策としては、以下の4点が挙げられます。
メール配信のセキュリティ対策
- SPF:送信ドメイン認証の一種
- DKIM:送信ドメイン認証の一種
- DMARC:送信ドメイン認証の一種
- StartTLS:メール配信における通信を暗号化するプロトコル
これらの対策はどれかひとつだけでなく、可能であればすべて実施しましょう。各セキュリティ対策を実施する知見が自社に無ければ、メール配信システムを導入して解決するのもひとつ手段です。
メール配信システムはその名の通り、メール配信を確実に届けることに特化したツールです。デフォルトでStartTLS通信が行えたり、ITの専門知識がなくても各送信ドメイン認証が実施できるなど、セキュアなメール配信が簡単に行えます。
参考記事:メール配信システムとは?システム導入するなら必須の機能をまとめました
6. エラーアドレスを読者リストから取り除く
存在しないメールアドレス(エラーリスト)にメールを配信し続けると、ISPに自社のメールアドレスがスパム判定され、メールが届きにくくなります。
こうしたことを防ぐためには、定期的に購読者リストからエラーリスト取り除くようにしたり、ダブルオプトインや空メール登録などといった、誤入力での読者登録を根本から防ぐ仕組みを取り入れましょう。
ただし、いずれも人力で行うのは困難なため、メール配信システムなどの専門のツールを導入して実施するのがおすすめです。
ツールを使えば購読者リストを自動でクリーニングしてくれますし、ダブルオプトインや空メール登録などの仕組みも簡単に取り入れられます。
7. ブラックリストの解除申請を行う
メールが届くかどうかに関係する要素として、「DNS-Based List(DNSBL)」というデータベースがあります。DNSBLとは、IPアドレスやメールアドレスのドメイン名に関する情報を集め、それに基づきIPアドレスやメールアドレスを評価・管理するリストのことです。
自社のメールアドレスや、メール配信に利用しているサーバーのIPアドレスがDNSBLのブラックリストに登録されると、メールがまったく届かなくなってしまいます。
メールが届かない原因としてブラックリスト登録が疑われる場合、下記サイトで自社のIPアドレスやメールアドレスが実際にブラックリストに入っているかチェックしましょう。
参考サイト:ネットワークチェックツール
もし登録が確認できたなら、DNSBLの管理団体(SPAMHAUS など)に対してブラックリストの解除申請を行いましょう。なお、解除申請時はIPアドレスを伝えるだけで十分な場合もあれば、解除申請の理由を詳細に聞かれる場合もあります。
8. メール配信システムを使う
メールをより確実に届けるにはメール配信システムを使うのがおすすめです。
メール配信システムには大量のメール配信を高速に処理する技術が備わっており、メーラーよりも正確な時間にメールを届けられます。そのため「メールが遅すぎる」のような顧客からのクレームも解消できるでしょう。
逆にメーラーを使わずにメルマガのような大量の一斉配信を行うと、大幅な配信遅延が起きたり、ISPのフィルタリングに引っかかりやすくなったりします。
目安として、一度の配信が1,000通を超える場合は、必ずメール配信システムを利用してメールを送るようにしましょう。なお、以下の記事ではメール配信システムを導入するメリットについて詳しく解説しています。
参考記事:メール配信システムを導入するメリットをまとめました
メールが届かない原因と対策まとめ
受信者におけるメールが届かない原因としては、「実は迷惑メールボックスに届いている」が意外に多いです。メールが届かないと思ったら、入力ミスや受信設定を疑うより、まずは迷惑メールボックスのチェックから始めましょう。
電波や迷惑メールが原因ではないと分かったなら、メールアドレスの入力を繰り返す、受信設定を見直すといった手順の多い対策を取ります。
それらの対策を行っても解決しない場合、送信者に原因がある可能性が高いため、時間経過を待つか、問い合わせを行ってください。
送信者の場合、どのようなメールを送りたいかで原因も大きく異なります。たとえば友人知人や顧客・取引先のような個人~複数人程度の送信規模の場合は、メールアドレスの入力ミスや添付ファイルの重さをチェックしましょう。
一方、メルマガやステップメールなどの一度に1,000通を超えるような大量配信が届かない場合、到達率対策(セキュリティ対策やエラーリストの削除など)を中心に行うようにします。
また、大量配信を確実に届けるには、メール配信システムを利用するのが最適な解決策です。メール配信システムは月額4,000円ほどと比較的ひくいハードルで導入できるため、この機会にぜひ検討してみてはいかがでしょうか。