メールは顧客や取引先とやり取りをするうえで必須のツールです。ビジネスを円滑に進めるためにも、できるだけ良い印象を与えられるようなメールを送りたいものです。
しかし、ビジネスメールを書く際には注意すべきポイントが多く、そのうちひとつでもミスがあれば、印象が悪くなってしまうおそれがあります。
ここでは、印象の良い『ビジネスメールの書き方』を詳しく解説します。宛名や件名、本文の書き方で迷うことが多い方は必見です。
宛先を間違いのないように記入する
早速、印象の良いメールを送るためのポイントを解説していきますが、最初にお伝えしたいのが「宛先のアドレスを間違えないようにする」ことです。
そもそも宛先のメールアドレスを間違えてしまうと相手にメールが届かないため、印象の良し悪し以前の問題となってしまいます。
とくに初めてメールを送る相手の場合は、入力したメールアドレスに誤りがないか、入念に確認しておきましょう。
To/Cc/Bccを正しく使い分ける
宛先を設定する際にもうひとつ気を付けなければならないのが、To/Cc/Bccの使い分けです。それぞれの意味と違いは以下の通りです。
- To
メインの送信対象を指し、メールの内容に対して返信や処理を求められる人物を入力。原則1名にするか、複数名入れる場合は誰に何をしてほしいかを明記することが必要 - Cc
メールを共有しておきたい相手に使い、メールの内容に関する情報や進捗状況を伝える役割を担う。Ccに入れた人は返信や処理の義務はありませんが、確認の義務はある - Bcc
他の受信者に知られずにメールを共有しておきたい相手に使い、個人情報の漏えい防止や一斉送信などの場合に利用。Bccに入れた人は、返信や処理の義務はない
これらの使い分けを間違えると、メールの受信者が混乱したり、トラブルになったりする可能性があります。
例えばCcを入れ忘れると、情報共有が困難になるでしょう。CcとBccを間違えると、個人情報が漏えいしたり、不適切な内容が見られたりする恐れがあります。
また、Ccにも宛先が設定されているメールに返信する際、全員に返信せず送信者のみに返信してしまうと、Ccの相手への情報共有が途絶えてしまい、関係者に混乱を与えてしまいます。
以上のようなミスを防ぐためには、メールを送る前にTo/Cc/Bccの欄を再度確認することや、本文の宛名にCcの人も明記することが大切です。
メールのCcの使い方やBccとの違いなどは以下の記事で詳しく解説していまので参考にしてください。
関連記事:メールの「Cc」の意味や書き方を徹底解説!ToやBccとの違いとは?
一斉送信をする場合は特に注意する
CcやBccでの一斉送信はたくさんのリスクが存在するため推奨しません。例えば、個人情報の漏洩などがあります。
Bccに設定するはずのメールアドレスを誤ってToやCcに設定してしまうことで、メールアドレスが流出してしまい個人情報の漏洩となってしまうのです。
近年では個人情報の取り扱いは慎重になっていますから、もし漏洩してしまったとなると企業としての信頼を大きく損なう可能性があります。
その他にもBccでの一斉送信には以下のようなリスクがあります。
- ブラックリストに載ってしまいメールが届かない
- メール送信上限数と配信遅延の発生
- メールの効果を検証しにくい
など、詳しくは以下の記事で解説していますので参考にしてください。
関連記事:BCCで一斉送信する前に知っておきたいリスクと対策を徹底解説
誤送信を防ぐために
メールを書く際、たまに本文を書いている途中で誤送信してしまうといったミスが発生することがあります。
これを防ぐためにも、送信中止機能や送信承認の機能がついたメールソフトを使うことがおすすめです。
もしそのような機能が利用できない場合は、新規メールを送る場合に限定されますが、あえて宛先であるTo/Cc/Bccの部分を「最後」に記入するのもおすすめです。宛先が空欄であれば、記入途中に誤送信してしまうミスが起こりません。
印象の良い『件名』の書き方
ビジネスメールにおいて、重要なものの一つが件名です。相手にメールの内容を簡潔に分かりやすく伝える工夫を施しましょう。
ここでは、印象の良い件名の書き方をご紹介します。
要件を一言で分かりやすく記載する
ビジネスメールを書く際に、印象の良い件名にするためには、「要件を一言で分かりやすく」記載することが大切です。具体的には、以下のポイントを含めると良いでしょう。
- メールの内容が一目で分かるようにする
- メールの重要度を示す
- 返信時の件名は「Re:」をつける
- 必要に応じて日付を入れる
- 初めての方への挨拶メールには名前を入れる
- 記号を有効活用して分かりやすくする
- 用件が複数の場合は件名でもその旨を記載する
- 機種依存文字の使用はNG
具体的な例もいくつかご紹介します。
- 【重要】○月△日セミナーのスケジュール変更のご案内
- ○月○日開催のセミナーについて /鈴木 一郎
- 【○○について】○件の連絡事項がございます
- Re: 【要返信】セミナー登壇スケジュールのご確認
また、返信メールの場合はタイトルで新規で作成するのは避けましょう。続きであることが分かるように、既存の件名に「Re:」をつけるのが一般的です。
自分の会社名・名前を入れる
ビジネスメールの件名には、自分の会社名・名前を入れることも有効です。
特に初めての相手にメールを送る場合や、お客様にメールを送る場合は「どこの誰が送ったメールなのか」が明確に分かるようにする必要があります。件名に会社名や名前を入れることで、相手に自分の身元を明らかにし、信用してもらいメールを開封してもらいやすくします。
具体的な例は、以下のとおりです。
- ○○様よりご紹介いただいた○○商事の鈴木です。
- ○月○日開催のセミナーについて /株式会社○○ 鈴木 一郎
- 担当者変更のお知らせ /株式会社○○ 鈴木 一郎
- 【ご挨拶】株式会社○○の鈴木一郎です
社外メール宛名の書き方
ビジネスメールにおいて、宛名の書き方は相手に対する敬意や印象を表す重要な要素です。社外・社内で宛名の書き方が異なる点に注意しましょう。ここでは宛名の書き方を、社外メールについて解説します。
社外メールの場合、宛名の基本的な書き方は「会社名・部署名・役職名・氏名・敬称(様)」の順です。
宛先が1名の場合
非常にシンプルです。以下のサンプルのように記載すれば問題ありません。
○○株式会社
営業部 部長
田中太郎 様
ただし、必ずこの形でなければいけない決まりはありません。相手との関係性なども考慮した上で役職は記載しないことなどもあります。
宛先が複数名の場合
宛先が複数名の場合は、役職が高い人から順に連名にします。
例えば、以下の例のように書くとよいでしょう。
○○株式会社 営業部
部長 田中太郎 様
課長 山本花子 様
こちらも状況や関係性によって書き方は変化させても問題ありません。
宛先が部署や団体の場合
宛先が部署や団体の場合は、「御中」を使います。
例えば「○○株式会社 営業部御中」と書くのが一般的です。
社内メール宛名の書き方
社内メールの場合、宛名の書き方は「部署名・役職名・氏名・敬称(様 または さん)」の順になります。
宛先が1名の場合
こちらも非常にシンプルです。以下のサンプルのように記載すれば問題ありません。
人事部 部長
鈴木さん
このように書くのが一般的です。
宛先が社内で関係性が築けている場合は部署名を記載せず、名前だけ書いても問題ありません。
宛先が複数名の場合
社外と同様に、宛先が複数名の場合は役職が高い人から順に連名にするのがマナーです。以下、例です。
人事部
部長 鈴木さん
課長 山田さん
宛先が部署や団体の場合
宛先が部署全体や、課全体など複数になる場合は「各位」を使います。
具体的には「営業部各位」「ご担当者各位」などとなります。
状況に合わせた『書き出し』
ビジネスメールでは状況に合わせた書き出しを工夫することで、相手に好印象を与えられるでしょう。ここでは、さまざまな状況に応じた書き出しについて、例文も交えてご紹介します。
取引先への一般的な書き出し
取引先にメールする際の書き出しは「いつもお世話になっております」という一般的な挨拶文が用いられます。また感謝の言葉を記述するケースも多いでしょう。相手の会社名や部署名、役職名などを入れることで敬意を表します。
取引先への一般的な書き出しの事例は、以下のとおりです。
いつもお世話になっております
株式会社○○の●●です。
平素は格別のご高配を賜り、心より感謝申し上げます
株式会社○○の●●と申します。
初めてメールを送る相手の場合
初めてメールを送る相手に「お世話になっております」を使用するのは好ましくありません。初めての連絡であることを認識してもらえるような書き出しを心がけましょう。
初めてメールを送る相手に対する書き出しの事例は、以下のとおりです。
突然のご連絡失礼いたします。
株式会社○○の●●と申します。
初めてご連絡を差し上げます
株式会社○○の●●です。
また、メールを送ることになった経緯や紹介者がいる場合は、書き出しの挨拶のあとにそのことを明記すると相手も安心しやすくなります。
久しぶりにメールを送る相手の場合
久しぶりに連絡する場合は、相手の近況や安否を気遣う言葉を添えると良いでしょう。「お久しぶりです」は親しい相手の場合は問題ありませんが、砕けた印象を与えるため、基本的にはより丁寧な「ご無沙汰しております」を使うようにしましょう。相手との関係性の深さに応じて、適切に使い分けることが大切です。
久しぶりにメールを送る相手に使用する書き出しの事例としては、以下のようなものが挙げられます。
長らくご無沙汰しております。
株式会社○○の●●です。
お久しぶりです。
株式会社○○の●●です。
その後いかがお過ごしでしょうか。
伝わりやすい『本文』の書き方
ビジネスメールで伝わりやすい本文を書く場合には、以下の3点に留意しましょう。
- 最初に要旨を伝える
- 5W2Hを意識する
- 結びの挨拶のパターン
ここでは、それぞれの内容について解説します。
最初に要旨を伝える
メールの本文では、件名で伝えた用件を、具体的にかつ簡潔に書きます。相手がメールの目的や内容をすぐに把握できるように、最初に要旨を伝えることが重要です。
例えば、以下のような書き方があります。
- 先日お問い合わせいただいた商品のお見積もりの件についてご回答いたします。
- 本日開催される会議の資料を添付いたします。
- 来週から始まる新規プロジェクトの担当者としてご挨拶申し上げます。
5W2Hを意識する
メールの本文では、5W2Hの要素である
- いつ(When)
- どこで(Where)
- 誰が(Who)
- 何を(What)
- なぜ(Why)
- どのように(How)
- いくらで(How much)
これらが分かりやすく伝わるよう意識して、日時や場所などのポイントを正確に伝えましょう。5W2Hは、情報を抜け漏れなく論理的に整理するためのフレームワークです。
例えば、以下のような書き方があります。
「商品名」のお見積もりについて(What)
ご相談いただいた内容に合わせて、2種類(How much)のお見積もり資料(How)を添付いたしました。
・資料1「○○について」
・資料2「○○について」
資料2に関しましては、貴社のご要望に合わせ、弊社の料金プランに変更を加えたもの(Why)になります。
次回3月15日、14時のお打ち合わせまでに(When)(Where)、○○部長(Who)にご確認いただけますと幸いです。
以上、ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。
結びの挨拶のパターン
メールの本文の最後は、結びの挨拶で締めましょう。相手への感謝や期待、依頼など、目的や状況に応じた言葉遣いを選びます。
例えば、以下のような書き方が一般的です。
- 今後ともよろしくお願い申し上げます。
- ご不明な点がございましたらご連絡ください。
- ご返信をお待ちしております。
全体の注意点
ビジネスメールでは、これまで紹介した以外にもさまざまな注意点があります。ここでは、代表的な注意点を確認しておきましょう。
末尾には必ず署名を入れる
ビジネスメールの末尾には、自分の氏名や所属、連絡先などを記載することがマナーです。これにより、相手に自分が誰であるかを明確に伝えられます。
署名は以下のような形式で書くことが一般的です。
○○株式会社○○部(社名、部署名)
○○●●(名前)
E-mail:xxxx@xxx.xx
TEL:xxx-xxxx-xxxx
また、署名の書き方は以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
関連記事:メールの署名の書き方とテンプレート17選【コピペOK】
箇条書き・改行などで読みやすいメールにする
ビジネスメールは、相手に要件を分かりやすく伝えることが重要です。そのため、文章は長くなりすぎないように注意しましょう。
また、箇条書きや改行を使って、メールの構成や内容を明確にすることも効果的です。例えば、以下のような文章にすることで読みやすくなります。
件名:【資料添付】お見積もりの件
●●株式会社 △△様
いつも大変お世話になっております。
株式会社○○の××です。
ご依頼の見積もりを作成しましたのでご連絡いたします。
・数量:1
・内容:□□のお見積もり
以上の見積書を添付いたしますのでご確認ください。
(添付ファイル:見積01.pdf)
ご不明な点がありましたら、このメールに返信する形でお問い合わせくださいませ。
以上ご確認のほど、よろしくお願い申し上げます。
添付ファイルがある場合の注意点
ビジネスメールにファイルを添付する場合は、以下の点に注意しましょう。
- 添付ファイルの内容を本文と件名に書く
- 容量や形式に注意する
- 重要なファイルにはセキュリティを施す
添付ファイルがある場合は、メールの件名に添付ファイルがあることを明記します。また本文にはファイル名とその内容、添付数を必ず明記しましょう。これにより、相手にどんなファイルが添付されているか分かりやすく伝えられます。
添付ファイルの容量は、相手が受け取れる範囲内に抑える必要があります。一般的には2~3MB以下が目安です。容量が大きすぎる場合、圧縮したりオンラインストレージサービスを利用したりするなどして対応しましょう。またファイルの形式も、相手が開けるものにすることが大切です。
OSの違いによって、文字化けや互換性の問題が発生する可能性もあるため、事前に確認しておくことが望ましいでしょう。
個人情報や機密文書などをメールでやり取りする場合は、情報漏えい防止のためにセキュリティ対策を施した状態で送付しましょう。ただし、よく「パスワード付きのzipファイル」が使用されることがありますが、この方法はセキュリティ対策としては弱いとされており注意が必要です。ツールを使用して添付ファイルを暗号化したり、クラウドストレージを活用したりといった対策を検討しましょう。
宛先・宛名・本文に間違いがないか最終チェック
ビジネスメールを送信する前には、宛先・宛名・本文に間違いがないか最終チェックを行いましょう。誤送信や誤字脱字は相手に不信感や不快感を与えるだけでなく、業務上のトラブルにもつながりかねません。
特に添付ファイルがある場合は、ファイル名や内容も確認しましょう。また、メールの文面は丁寧で分かりやすいかどうかも改めて見直す必要があります。
一斉送信する場合はメール配信システムを使う
ビジネスシーンではメールを一斉配信するケースが多々あります。例えば、異動や退職のとき、年賀の挨拶のときなど。
上述したように、Bccでのメール送信には個人情報漏洩などのリスクがあります。このような場合はBccを使うのではなくメール配信システムを活用しましょう。
メール配信システムとは
メール配信システムとは大量のメールアドレス宛に一斉にメールを配信できるシステムのことです。
メールの大量配信は一般的にスパムメールに似た行為のため、迷惑メールフォルダに入ってしまったり、文字通りメールが届かない可能性があります。
メール配信システムにはこれらを回避するための技術が使われており、安心安全に大量のメールを届けることができます。その特性から、メルマガ配信や社内向けの一斉メール等に活用されています。
シェア1位のメール配信システム「ブラストメール」の活用
メール一斉送信に最もおすすめのメール配信システムはブラストメールです。ブラストメールは14年連続顧客導入シェア1位のメール配信システムとなります。
ブラストメールの特徴は、シンプルな操作性と、コストパフォーマンスの高さです。様々な業種や官公庁の導入もあり、定番のメール配信システムと言えるでしょう。
セグメント(ターゲット)配信や効果測定、HTMLメールエディタなど、基本的な機能は全て揃っており、最も安いプランであれば月額4,000円以下で導入できます。
シンプルかつ安いので、初めてメール配信システムを使ってみたい方にもおすすめです。無料トライアルも可能となっているので、まずは試してみてはいかがでしょうか。
関連記事:【3分で分かる!】ブラストメールとは?ブラストメールのトライアル期間を使って徹底レビュー!
まとめ
ビジネスメールは、宛名や件名、本文の書き方ひとつで、印象が大きく変わります。
今回紹介した内容を一つひとつ確認することで、ビジネスメールとしてのクオリティを高められるでしょう。
ビジネスメールの内容について迷った際に、ぜひご活用ください。